引きこもりの従兄を更生させるはずが、逆に”女”にさせられちゃいましたとさ! てへっ

戸影絵麻

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#2 最初の訪問①

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 次の日曜日、私は邦彦の家を訪問すべく、さっそくバスで出かけることにした。

 邦彦と教授は、私が小学校時代暮らしていた町にそのまま住んでいる。

 親父の入院を境にこっちが今のボロアパートに引っ越したので、疎遠になってもうずいぶんになるのだ。

 たかが幼馴染に会うくらいで、と思ったけれど、一応おめかししていくことにした。

 とはいえ、私の場合、メイクは100円ショップのグッズで軽く済ませ、服はまんま学校の制服とスカートだ。

 私はスタイルがいいから、何を着てもよく似合う。

 ブラウスのボタンをひとつはずせば爆乳が目立つし、スカートはふだんからぎりぎりのラインまで短くしてあるから、これでいつも男なんてイチコロなのだ。

 のろくさい市バスに揺られながら、10万円、と呪文のように口の中で唱えてみた。

 10万円入ったら、まず何を買おう。

 半分は家に入れるとして、やっぱり服だろうか。

 ましなコスメのグッズもそろえたいけど、やっぱ、あれかな、まずは食事。

 母さんとふたりで『たらふく太郎』で焼き肉の食べ放題ってのも悪くない。

 その後カラオケに行って、ふたりで朝まで歌うのだ。

 帰りにお土産に『銀だこ』50個買って…。

 おお、想像するだけで、幸せ過ぎてよだれ、垂れてくるんですけど!

 なんて妄想に耽り、にやついてたら、

「お客さん、終点です」

 迷惑顔の運転手に肩を揺すられた。

 見ると、目的地『青葉駅前』のバスターミナルの中だった。

「あ、ごめんなさい!」

 慌てて立ちあがったら、その拍子にスカートがめくれてパンティが見え、まだ若い運転手の身体が硬直した。

「じろじろ見てんじゃねーよ」

 耳元にささやいてステップを飛び降りる。

 何年かぶりの町は、まるで変わっていなかった。
 
 変化はコンビニの数が前より増えたぐらいで、道行く人の顔も昔のまま、なんだかのんびりして見える。

 古い町だから、じいちゃんばあちゃんが多いせいかもしれない。

 邦彦の家は、丘を登った高級住宅街にある。

 坂道をてくてく歩いていくと、木々に囲まれた白亜の大邸宅が見えてきた。

 門の前に立って、表札を確かめる。

 間違いない。ここだ。

 チャイムを鳴らすと、奥の玄関の戸が開いて、家政婦のおばさんみたいな人がちょこちょこ近づいてきた。

 小太りの、人の好さそうなおばさんである。

 ちなみに、邦彦に母親はいない。

 真面目一徹の夫に嫌気がさしたのか、邦彦が小学3年生の時に、男をつくって家出したのだという。

 うちの死んだ親父もたいそうな馬鹿だったが、邦彦の母親もそれとどっこいどっこいである。

 どうして人間、大人になるとクズばっかりになるんだろう。

 などと考えていると、おばさんが門を開けてくれながら、にこにこして言った。

「あなたが美咲さん? まあまあ、ウワサ以上のべっぴんさんだこと! さあさ、お入りになって。旦那様がお待ちかねですよ」

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