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#48 四天王 その一⑪
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広場は見渡す限り泥の海だった。
むろんそれは泥に見えるが泥ではない。
その正体はまぎれもなく尻ノイドが吐き出した糞便である。
防毒マスクを嵌めてすらも匂いが沁み込んでくるようで、ゴーグルに守られたはずの眼もシクシク痛んだ。
「行くよ」
紗英が言い、上着を脱いだ。
明は息を飲んだ。
現れたのは純白のレオタードに包まれたムチムチのボディである。
身体に貼りついた薄いレオタードが肉体の輪郭をくっきりと際立たせているため、何もかもがいやらしい。
突き出た紡錘形の乳房。
熟れ切った桃のような尻。
出るところは限界までとび出ているのに、その間の部位はきゅんと締まっていて平らな下腹が悩ましい。
そして脂の乗り切ったトロのような太腿の光沢といったらもう・・・。
「どこ見てんの。やらしいやつ」
紗英が睨んできた。
「い、いや、あ、あの」
明の頭の中で警告のサイレンが鳴り響く。
パトカーの赤い回転灯の幻影がが頭頂で回転し、子どもの甲高い声があのフレーズを連呼し始めたのだ。
NO LIMIT! NO LIMIT!
ニョウ、モレ!
尿、漏れ!
「ケツケツケツケツ! やッと現れたな、培養人間ゼロ式」
レオタード姿の紗英に向かって尻ノイドが言った。
「きさまの罪は重いぞ。ゼロ式よ。ラボを脱走した挙句、組織を裏切り、仲間を二体も殺した。今に見てろ、その美しい身体を、この尻ノイドさまが、糞味噌にしてくれる!」
「しっかり尻尾、持って」
紗英が低い声で命じた。
「でも、他の部分には絶対触らないで」
「お、おう」
緊張で、革製の鞭のような尻尾を握る明の手のひらがじっとりと汗ばんできた。
「くらえ! 糞味噌下痢便ビーム!」
頬に当たる尻肉を貧弱な手で両側にかき分けて口代わりの肛門を曝け出し、怪人が咆哮した。
その瞬間、
「今です! 照明を消してください!」
突然床にかがみ込み、怪人の咆哮に負けじとばかりに、よく通る声で紗英が叫んだ。
むろんそれは泥に見えるが泥ではない。
その正体はまぎれもなく尻ノイドが吐き出した糞便である。
防毒マスクを嵌めてすらも匂いが沁み込んでくるようで、ゴーグルに守られたはずの眼もシクシク痛んだ。
「行くよ」
紗英が言い、上着を脱いだ。
明は息を飲んだ。
現れたのは純白のレオタードに包まれたムチムチのボディである。
身体に貼りついた薄いレオタードが肉体の輪郭をくっきりと際立たせているため、何もかもがいやらしい。
突き出た紡錘形の乳房。
熟れ切った桃のような尻。
出るところは限界までとび出ているのに、その間の部位はきゅんと締まっていて平らな下腹が悩ましい。
そして脂の乗り切ったトロのような太腿の光沢といったらもう・・・。
「どこ見てんの。やらしいやつ」
紗英が睨んできた。
「い、いや、あ、あの」
明の頭の中で警告のサイレンが鳴り響く。
パトカーの赤い回転灯の幻影がが頭頂で回転し、子どもの甲高い声があのフレーズを連呼し始めたのだ。
NO LIMIT! NO LIMIT!
ニョウ、モレ!
尿、漏れ!
「ケツケツケツケツ! やッと現れたな、培養人間ゼロ式」
レオタード姿の紗英に向かって尻ノイドが言った。
「きさまの罪は重いぞ。ゼロ式よ。ラボを脱走した挙句、組織を裏切り、仲間を二体も殺した。今に見てろ、その美しい身体を、この尻ノイドさまが、糞味噌にしてくれる!」
「しっかり尻尾、持って」
紗英が低い声で命じた。
「でも、他の部分には絶対触らないで」
「お、おう」
緊張で、革製の鞭のような尻尾を握る明の手のひらがじっとりと汗ばんできた。
「くらえ! 糞味噌下痢便ビーム!」
頬に当たる尻肉を貧弱な手で両側にかき分けて口代わりの肛門を曝け出し、怪人が咆哮した。
その瞬間、
「今です! 照明を消してください!」
突然床にかがみ込み、怪人の咆哮に負けじとばかりに、よく通る声で紗英が叫んだ。
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