47 / 58
#46 偵察
しおりを挟む
巧から連絡がきたのは、”あの夜”から2日ほどしてのことだった。
仕事から帰って、疲れて何も考えられず、ぼうっと床に座り込んでいた時のことである。
受話器から聞こえた巧の屈託のない声に、冬子は危うく涙ぐみそうになった。
あんなことになって、巧に嫌われたのではないかと内心心配でたまらなかったのだ。
-松村社長の実家がわかりました。ここからそんなに遠くないです。偵察がてら、一度行ってみませんかー
冬子を抱き、顔も合せず朝帰りしたことなどおくびにも出さず、巧は言った。
「え、ええ。ぜひ」
冬子はふたつ返事で答えた。
何事もなかったように話しかけてくる巧の態度が、うれしくもあり、寂しくもあった。
しょせんあれは行きずりの…?
そんな思いが心を占めそうになるのを、かぶりを振って打ち消した。
「明日なら私公休日なので、いつでも動けます。巧君の都合のいい時間を教えてください」
-そいつはちょうどいい。僕のほうは、大学の講義が午前中で終わりますから、その後すぐに車で迎えに行きます。松村邸に向かう途中で一緒にお昼を食べるってのはどうですか?ー
「お願いします。ありがとうございます」
受話器に向かって頭を下げると、巧が笑いを含んだ声でからかうように言った。
-やだなあ、改まっちゃって。僕と冬子さんの仲じゃないですか。まさか忘れたわけじゃないでしょうね? この前の夜のこと?-
巧の言葉に、冬子は耳のつけ根まで赤くなった。
嬉しさのあまり、身体の中心で何か硬い結び目がほどけ、温かい液体となって股間からにじみ出てくるようだ。
ふと気がつくと、冬子は下着の中に手を入れ、湿った割れ目に沿ってゆっくりと指を動かしていた。
仕事から帰って、疲れて何も考えられず、ぼうっと床に座り込んでいた時のことである。
受話器から聞こえた巧の屈託のない声に、冬子は危うく涙ぐみそうになった。
あんなことになって、巧に嫌われたのではないかと内心心配でたまらなかったのだ。
-松村社長の実家がわかりました。ここからそんなに遠くないです。偵察がてら、一度行ってみませんかー
冬子を抱き、顔も合せず朝帰りしたことなどおくびにも出さず、巧は言った。
「え、ええ。ぜひ」
冬子はふたつ返事で答えた。
何事もなかったように話しかけてくる巧の態度が、うれしくもあり、寂しくもあった。
しょせんあれは行きずりの…?
そんな思いが心を占めそうになるのを、かぶりを振って打ち消した。
「明日なら私公休日なので、いつでも動けます。巧君の都合のいい時間を教えてください」
-そいつはちょうどいい。僕のほうは、大学の講義が午前中で終わりますから、その後すぐに車で迎えに行きます。松村邸に向かう途中で一緒にお昼を食べるってのはどうですか?ー
「お願いします。ありがとうございます」
受話器に向かって頭を下げると、巧が笑いを含んだ声でからかうように言った。
-やだなあ、改まっちゃって。僕と冬子さんの仲じゃないですか。まさか忘れたわけじゃないでしょうね? この前の夜のこと?-
巧の言葉に、冬子は耳のつけ根まで赤くなった。
嬉しさのあまり、身体の中心で何か硬い結び目がほどけ、温かい液体となって股間からにじみ出てくるようだ。
ふと気がつくと、冬子は下着の中に手を入れ、湿った割れ目に沿ってゆっくりと指を動かしていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
女子切腹同好会
しんいち
ホラー
どこにでもいるような平凡な女の子である新瀬有香は、学校説明会で出会った超絶美人生徒会長に憧れて私立の女子高に入学した。そこで彼女を待っていたのは、オゾマシイ運命。彼女も決して正常とは言えない思考に染まってゆき、流されていってしまう…。
はたして、彼女の行き着く先は・・・。
この話は、切腹場面等、流血を含む残酷シーンがあります。御注意ください。
また・・・。登場人物は、だれもかれも皆、イカレテいます。イカレタ者どものイカレタ話です。決して、マネしてはいけません。
マネしてはいけないのですが……。案外、あなたの近くにも、似たような話があるのかも。
世の中には、知らなくて良いコト…知ってはいけないコト…が、存在するのですよ。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる