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#53 凌辱

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 全身に虫唾が走るような感触に、目が覚めた。
 手首と足首が、引きつるように痛い。
 恐る恐る目を開くと、芙由子は真っ裸にされ、紐でで大の字に宙に固定されていた。
 両手首と両足首を拘束した細い荷造り用のロープが部屋の四隅のフックに結ばれ、芙由子を吊るし上げている。
 その芙由子の肌を愛おしむように、ハルトが手のひらで撫でさすっている。
 どうやらオイルのようなものを、芙由子の身体中に塗りたくっているらしい。
 部屋の隅には、用済みになった比奈が転がっている。
 下半身を血に染めた裸の比奈は、胎児のように身体を丸めてまるで死んでしまっているように見えた。
 カップ麺やパンの包装紙の山の陰で、何かが光っていた。
 芙由子のスマートフォンだった。
 液晶画面に映っているのは、斜め下から見上げる縛り上げられた芙由子の姿態だった。
 屋敷に入った時から、スマホはTV電話モードにしてあった。
 むろん、巧に画像を送るためである。
 巧君、見てる?
 見てるなら、早く来て。
 身体じゅうを撫で回される不快な感触に耐えながら、芙由子は祈った。
 窓の鍵も開けてある。
 後は巧次第なのだ。
「どう、気持ちいい?」
 芙由子の身体をねめ回すように眺めて、ハルトが言った。
 ハルトの右手は芙由子の性器の襞を割り、完全に中に入りこんでいる。
 そろえた指を激しく動かして、中にまでオイルを塗り込んでいるのだ。
「そんなわけ、ないでしょう!」
 芙由子は憎々しげに叫ぶと、ハルトのむくんだ顔に唾を吐きかけた。
「あんたみたいな変態、ただ気持ち悪いだけよ!」
「言ったね?」
 ハルトの表情が、憎悪に歪んだ。
「君は、僕が君を気持ちよくできないとでも?」
「当り前よ。誰があんたみたいな化け物に。年端もいかない女の子を犯して、血だらけにして、なんて卑劣な」
「やってやろうじゃないか」
 ハルトの怒声を含んだ声が、芙由子の悪態を遮った。
「これでおまえをひいひい言わせてやる! 覚悟しろ!」
 ハルトが黒光りするバイブレーターを掴み上げた。
 勃起した黒人のペニスを連想させる、凶器のようなフォルムをしている。
「やめて!」
 芙由子は必死で暴れようとした。
 が、手首と足首を拘束したロープにゆとりはなく、手足はぴくりとも動かない。
 さらけ出された性器の肉襞をハルトがめくった。
 その下から現れた赤い穴に、黒光りするバイブの亀頭部分を当てられた。
「泣きわめけ。叫ぶんだ。発情した豚みたいにな」
 ハルトが力を入れた。
 バイブの先が、ずぶりと肉の穴にめり込んだ。
 後は一気だった。
 膣内に異物が充満する異様な感覚に、芙由子はかすれた悲鳴を上げた。
 異物を排除しようと、膣周辺の括約筋がバイブに絡みつく。
「スイッチ、オン」
 肉の抵抗を無視して、竿の半ばまでバイブをめり込ませたところで、ハルトが小声でつぶやいた。
 

 
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