雑草の背伸び

honjya

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2. 夢見る雑草

始まりの合図

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中城が歩きだし、Aも続いた。
「お店決めてくれたんですか?」
「もちろん。俺も行ったことは無いけど。」
スマホで検索ワード[〇〇駅  居酒屋  雰囲気がいい ]で見つけた隠れ家的な居酒屋を予約していた。
「他の人も誰か誘おうと思ったんですけど、急過ぎるかなって思って、、、」Aが目線を合わせず前を向きながら言った。
その言葉に中城は、はっとした。Aからのお誘いメールが来てから中城は二人きりでとしか考えていなかったが、確かに今までのやり取りで別に二人だけでと言うワードもなく、むしろ中城は周りに悟られまいと隠していた感があった。中城は何となく恥ずかしさから、何も言えず考えている様な素振りをした。
「誰か誘える人いましたかね~?」なぜかAは、意地悪そうな表情をして中城に問いかけた。
「俺も誰かに声かけようかと思ったんだけど、今日事務所ほとんど人いなくてさ。」
恥ずかしさからか、さらっと自分の心に嘘をついた。
Aはその言葉を聞くと意地悪な表情を段々薄めていった。
「確かに今日外出の方ばかりですもんね。」
言葉の最後の方は無表情になりながらAは前を向いた。
なぜか少し気まずさが二人の間に流れながら、目的のお店に到着した。
エレベーターで二階に行き店内に入ると、和なのか洋なのかコンセプトが定まらないようなインテリアが奇妙な雰囲気を演出していた。
「いらっしゃいませ。」
店内の雰囲気とは逆に至って普通の店員さんに、予約してある事を告げ席へ案内された。
一見迷路の様に短い階段が続く個室はまさに隠れ家と言っても過言ではなかった。
天井が低い個室に屈みながら入り、掘りテーブルに座った。
「何飲みますか?あ、中城さん飲めないんですよね?」
「いや、少しは飲むよ、じゃぁ、ハイボールで。」
Aは一瞬意外そうな顔をした後、笑顔に戻りドリンクメニューを見始めた。
Aはキュウイフルーツのカクテルを注文し、間もなく運ばれてきたドリンクを取るとハイボールを中城の前に置いてくれた。
「乾杯しましょう。何に乾杯しますか?」
「なんだろう。。。出会いに?」中城は目線を合わせられなかったが、少しおちゃらけた口調で言った。Aはケラケラ笑うと
「中城さんとお会いできた事に乾杯!」とグラスを差し出した。
中城も乾杯と言いながら、内心は胸がキューッとなり、心拍数も上昇していた。
キーンッ!
重なったグラスとジョッキは小さな音をたてた。何か始まる合図のように。
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