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11.テザン皇国での冒険者活動
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あれからもダンジョンを攻略し、出来るだけ街で過ごさないように気を付けていた。
街に出没するのは、冒険者ギルドに依頼を受けに行くときと報告に行くときくらいだ。
しかし、【黒猫】の名前が広がり始めている。
猫の姿でダンジョンを攻略していた噂と共に。
猫の真似をしてダンジョンを攻略する猛者として。
恥ずかしさもあるが、うれしいこともあった。
あんなことをしたから、ラウールを恐れる冒険者が減ったのだ。
【放浪の羊】が話していたイメージを拭い去るほどの衝撃、黒猫の姿の冒険者はインパクトがあったようだ。
そうラウールにとって平和が訪れてきたと考えながら冒険者ギルドで、依頼票を確認していると、冒険者ギルドの扉が乱暴に開かれた。
「【黒猫】はいるか!! 俺様が用事がある!! おい受付!! 黒猫はいるか!?」
そう言いながらウオルフ・ゼンダーが受付前の列をかき分けて進んでいた。
「黒猫を呼んで来い! いるのか!? いないのか!? どっちなんだい!?」
カウンターに到着したウオルフは、フクネさんに詰め寄っていた。
「冒険者に用事があるのであれば、指名依頼を出してください。」
「なに”!!」
「冒険者を個人的に招集する権利は冒険者ギルドにはございません。緊急招集対象の危機は限られております。」
「貴族である俺様が呼んで来いって言ってるんだぞ!! この男爵である俺様がな!!」
この国は皇国と言う名の教国みたいなものである。
教皇がトップに立ち、各地は貴族のような司祭などが統治している。
さらに教会で役職がつくような人物に、貴族としての役割を国から与えられている。
代々貴族の家系と、その時代に何か国に貢献した者が貴族となる。
男爵とは、ほとんどが1代のみの爵位である。
「ご自分で、冒険者ギルド以外でお探しください。冒険者ギルドはそういった仲介は、依頼以外では行っていません。更に、依頼でも、相手が拒否した場合は仲介できません。」
「あ”~お前では話にならん! ギルドマスターを出せ!」
「そういったご用件では、マスターをお呼びすることはできません。」
「なんだと!!」
そうウオルフが叫ぶと、今まで存在感を出していなかった護衛2人が剣を抜いた。
「その剣をどうするおつもりで?男爵は冒険者ギルドに喧嘩を売るおつもりですか?」
そうフクネさんは言うと、冒険者ギルド内に魔力が充満した。
「っ!! 男爵に・・逆らう気か!」
魔力を充満させ、殺気を放っているフクネさんの表情は変わらない。
「剣を向けられたときには、身を守るものでしょ? 相手がどんな方であっても。冒険者ギルドの受付も変わりませんが。」
「くっ! おい剣を下げろ!」
「え~と、もう遅いですね。冒険者ギルドで剣を抜いたという事は、冒険者ギルドに喧嘩を売ったという事。喧嘩を売ったという事は、ウオルフ様の家は敵になった。これから先、ウオルフ様に連なる者や利益になることについての依頼は、冒険者ギルドではお引き受けできません。」
目を見開いたウオルフ。冒険者ギルドには貴族も依頼を出している。それが、ウオルフに近い者や、利益になる物という選択肢を並べられた。つまり、冒険者ギルドは、ウオルフと知り合いと言うだけでも依頼を受けないと今後宣言するつもりだ。
「それは困る!! 俺様のいう事を聞け!! お前らは貴族に従っていればいいんだ!!」
まだ強く・・・。
どこの馬鹿貴族?
貴族って名乗っているけど、こいつはなんで貴族になれたんだ?
「剣を抜いた時点でどうにもなりませんよ。」
「そこをどうにかするのが受付だろ!! 受付なら俺の言う事を聞けばいいだろ!!」
まだ言ってるよこの人・・・。
早く終わってほしい。
「名乗ってませんでしたけど、私は副ギルドマスターのフクネ。ギルドマスターは忙しいので、ほとんど私が物事を決裁していますよ。」
「な・・・・・。」
「そして、これをもって宣言します。今後ウオルフ家関連の依頼は、冒険者ギルドでは受け付けません。」
「な・・・・。」
「お引き取りくださいね・・・。」
「いや・・・、困る・・・。」
「私は困りませんから。」
「いや、黒猫だけ出してくれたらいいんだ・・・。」
「まだ言いますか?」
「そんな態度をとっていいのか!! 夜道には気を付けるんだな!!」
「今度は脅迫ですか?憲兵を呼びますか?」
「くっ! しかし、取り下げてもらわないと俺様も困る!! 俺の周りに人がいなくなるではないか!!」
「ご自分で蒔いた種では?」
どこまでも続いていく言い合い。
しかし、さすがにここまで言い争いが続いていると、憲兵から連絡が行ったという、この街の領主の使いが現れた。
領主の使いは冒険者ギルドに謝罪し、ウオルフを連れて行った。
~~~~~~~~
ラウールはフクネさんの立場を知らず驚いた。そして一歩も引かない姿、あの魔力に驚き声をかけた。
「フクネさん・・、今度からは副ギルとお呼びしても?」
「却下です。今まで通りでお願いします。」
「そうですか、残念!」
「いえいえ、これで大体は解決でしょう。今後は冒険者ギルドは本当にウオルフ家に関する依頼はお断りしますし、恨むなら、冒険者ギルドか【黒猫】でしょう?」
「はっ?なぜ僕たちが?」
「それは、きっかけが黒猫を探していたことと、ドブンたちが捕まるきっかけが黒猫だからでしょう?」
「いやいや守ってくれるのでは?」
「これくらいが精一杯ですよ?」
「うそでしょ?何か企んでいませんか?」
初めて表情を崩したフクネは、
「襲われたら返り討ちにしたらどうでしょうか?Cランクへのランクアップの条件をクリアしたとみなしますよ。そして、冒険者ギルドに敵対したものを撃退すると、ラウールさんもAランクになると思いますよ。」
ラウールは自分の額を叩いた。
「腹黒いですね~?面倒ごとを押し付けたと?」
「あくまでも可能性を述べただけですよ?冒険者ギルドは、相手に十分な罰を与えましたから。恨む相手は本来は我々組織ですからね、普通の考えの人なら。」
「普通なら?ですけどね。」
「そう、普通なら。」
さすがにエルフ。見た目は若いけど、実際はもしかして・・・。
目の前から殺気を感じて、年齢を考えるのはやめた。
この先はまた面倒なことが起きることが目に見えて、気が重い・・・。
街に出没するのは、冒険者ギルドに依頼を受けに行くときと報告に行くときくらいだ。
しかし、【黒猫】の名前が広がり始めている。
猫の姿でダンジョンを攻略していた噂と共に。
猫の真似をしてダンジョンを攻略する猛者として。
恥ずかしさもあるが、うれしいこともあった。
あんなことをしたから、ラウールを恐れる冒険者が減ったのだ。
【放浪の羊】が話していたイメージを拭い去るほどの衝撃、黒猫の姿の冒険者はインパクトがあったようだ。
そうラウールにとって平和が訪れてきたと考えながら冒険者ギルドで、依頼票を確認していると、冒険者ギルドの扉が乱暴に開かれた。
「【黒猫】はいるか!! 俺様が用事がある!! おい受付!! 黒猫はいるか!?」
そう言いながらウオルフ・ゼンダーが受付前の列をかき分けて進んでいた。
「黒猫を呼んで来い! いるのか!? いないのか!? どっちなんだい!?」
カウンターに到着したウオルフは、フクネさんに詰め寄っていた。
「冒険者に用事があるのであれば、指名依頼を出してください。」
「なに”!!」
「冒険者を個人的に招集する権利は冒険者ギルドにはございません。緊急招集対象の危機は限られております。」
「貴族である俺様が呼んで来いって言ってるんだぞ!! この男爵である俺様がな!!」
この国は皇国と言う名の教国みたいなものである。
教皇がトップに立ち、各地は貴族のような司祭などが統治している。
さらに教会で役職がつくような人物に、貴族としての役割を国から与えられている。
代々貴族の家系と、その時代に何か国に貢献した者が貴族となる。
男爵とは、ほとんどが1代のみの爵位である。
「ご自分で、冒険者ギルド以外でお探しください。冒険者ギルドはそういった仲介は、依頼以外では行っていません。更に、依頼でも、相手が拒否した場合は仲介できません。」
「あ”~お前では話にならん! ギルドマスターを出せ!」
「そういったご用件では、マスターをお呼びすることはできません。」
「なんだと!!」
そうウオルフが叫ぶと、今まで存在感を出していなかった護衛2人が剣を抜いた。
「その剣をどうするおつもりで?男爵は冒険者ギルドに喧嘩を売るおつもりですか?」
そうフクネさんは言うと、冒険者ギルド内に魔力が充満した。
「っ!! 男爵に・・逆らう気か!」
魔力を充満させ、殺気を放っているフクネさんの表情は変わらない。
「剣を向けられたときには、身を守るものでしょ? 相手がどんな方であっても。冒険者ギルドの受付も変わりませんが。」
「くっ! おい剣を下げろ!」
「え~と、もう遅いですね。冒険者ギルドで剣を抜いたという事は、冒険者ギルドに喧嘩を売ったという事。喧嘩を売ったという事は、ウオルフ様の家は敵になった。これから先、ウオルフ様に連なる者や利益になることについての依頼は、冒険者ギルドではお引き受けできません。」
目を見開いたウオルフ。冒険者ギルドには貴族も依頼を出している。それが、ウオルフに近い者や、利益になる物という選択肢を並べられた。つまり、冒険者ギルドは、ウオルフと知り合いと言うだけでも依頼を受けないと今後宣言するつもりだ。
「それは困る!! 俺様のいう事を聞け!! お前らは貴族に従っていればいいんだ!!」
まだ強く・・・。
どこの馬鹿貴族?
貴族って名乗っているけど、こいつはなんで貴族になれたんだ?
「剣を抜いた時点でどうにもなりませんよ。」
「そこをどうにかするのが受付だろ!! 受付なら俺の言う事を聞けばいいだろ!!」
まだ言ってるよこの人・・・。
早く終わってほしい。
「名乗ってませんでしたけど、私は副ギルドマスターのフクネ。ギルドマスターは忙しいので、ほとんど私が物事を決裁していますよ。」
「な・・・・・。」
「そして、これをもって宣言します。今後ウオルフ家関連の依頼は、冒険者ギルドでは受け付けません。」
「な・・・・。」
「お引き取りくださいね・・・。」
「いや・・・、困る・・・。」
「私は困りませんから。」
「いや、黒猫だけ出してくれたらいいんだ・・・。」
「まだ言いますか?」
「そんな態度をとっていいのか!! 夜道には気を付けるんだな!!」
「今度は脅迫ですか?憲兵を呼びますか?」
「くっ! しかし、取り下げてもらわないと俺様も困る!! 俺の周りに人がいなくなるではないか!!」
「ご自分で蒔いた種では?」
どこまでも続いていく言い合い。
しかし、さすがにここまで言い争いが続いていると、憲兵から連絡が行ったという、この街の領主の使いが現れた。
領主の使いは冒険者ギルドに謝罪し、ウオルフを連れて行った。
~~~~~~~~
ラウールはフクネさんの立場を知らず驚いた。そして一歩も引かない姿、あの魔力に驚き声をかけた。
「フクネさん・・、今度からは副ギルとお呼びしても?」
「却下です。今まで通りでお願いします。」
「そうですか、残念!」
「いえいえ、これで大体は解決でしょう。今後は冒険者ギルドは本当にウオルフ家に関する依頼はお断りしますし、恨むなら、冒険者ギルドか【黒猫】でしょう?」
「はっ?なぜ僕たちが?」
「それは、きっかけが黒猫を探していたことと、ドブンたちが捕まるきっかけが黒猫だからでしょう?」
「いやいや守ってくれるのでは?」
「これくらいが精一杯ですよ?」
「うそでしょ?何か企んでいませんか?」
初めて表情を崩したフクネは、
「襲われたら返り討ちにしたらどうでしょうか?Cランクへのランクアップの条件をクリアしたとみなしますよ。そして、冒険者ギルドに敵対したものを撃退すると、ラウールさんもAランクになると思いますよ。」
ラウールは自分の額を叩いた。
「腹黒いですね~?面倒ごとを押し付けたと?」
「あくまでも可能性を述べただけですよ?冒険者ギルドは、相手に十分な罰を与えましたから。恨む相手は本来は我々組織ですからね、普通の考えの人なら。」
「普通なら?ですけどね。」
「そう、普通なら。」
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