冒険者パーティー黒猫の気まぐれ

sazae9

文字の大きさ
178 / 238
20.神託とテザン皇国

【破壊の鉄球】の結末

しおりを挟む
待ち合わせの時間まですることもなく、本屋のよっていた。
気になる本は買っていく。

その本を持ち、一度外に出て椅子とテーブルを準備し、読書を開始した。

風が気持ちいい。
魔物が来ないように結界は張っている。

魔物が存在するなかでもピクニックを楽しみ、待ち合わせの冒険者ギルドに到着した。

冒険者ギルドに入ると、直ぐに受付の一人が走りだし、ウールが登場した。
ウールは僕たちを二階の部屋に案内し、ギルド職員がお茶を持ってきた。

僕たちはウールとお茶を飲みながら話をして、絡まれた相手に対抗した事だけは謝罪した。

ウールは僕たちに否はないとして、テザンの冒険者ギルドにも影響はないと言ってくれた。

しばらくは決闘の事を話、勇者について話題が変わろうとするところで、ガイアが登場した。

僕たちはまだ呪いと言ったソフィアから話しを聞いていない。同じ話しを二度するのも面倒だろうと、今日一緒に聞くことにしていた。

ガイアは誰を連れて来るかと思ったらデーブンも現れた。デーブンにウール、司会進行したサンクリットの計四人で良いそうだ。

僕たちはそれぞれの位置に座り、ソフィアの話しを聞き始めた。

「私は昔、あのような人族を見たことがあります。普段は温厚で攻撃的でなかった人が、急に人が変わったように攻撃的になり、ひねくれる。その人も相手に攻撃を加えようとして思い通りにならなかったとき、震え始めました。そして私の目で見ると、周囲に黒い靄が見え始めました。」

黒い靄があの嫌な感じかな?

「黒い靄が充満してくると、近くにいた人も動きが止まり始めました。そして時間がたつにつれ他の人も人格が変わっていました。そこで困った他の人が、我々の仲間に助けを求めました。その時に行きついたのが浄化でした。皆さんもダンジョンで呪いの罠をご存じですよね?」

「僕はわかる。僕の両親も呪われているから・・・。」

「その呪いもいずれ私が対処しましょう。今は話しを続けます。その呪いに近い雰囲気を感じたと言っていました。しかし少し違うのは、伝染することでしょう。呪いは伝染しない。黒い靄は伝染する。広がるほど厄介なものになります。」

「俺の情報網には今のところ変になった人の報告はないな。」

「それは良かったです。これからももう少し気を付けていてください。話は戻りますが、この黒い靄は、悪神にあたる神のしもべがばらまいているのではないかと言われていました。人のなせる業でもなく、我々にもできません。そして人格まで変えて、伝染させることが出来る・・・。ダンジョンも神の仕業と言われていますが、呪いのようなものですから・・・。」

「呪いは人ではかけることが出来ないの? 僕達みたいに魔法が得意でも?」

「おそらくはできるでしょう。しかし、伝染させるものは作り出せないと思います。」

そこでサンクリットが話しに入ってきた。

「勇者様を狙ったという事か? 勇者様に伝染させることで、魔王を討ち滅ぼすことが出来ないようにする。もしくは勇者様を魔王の陣営に引き込む・・・。」

「そこまではわかりませんが、心の変化により、味方が敵に思うようになることもあるでしょう。」

「それではやはり今回の出来事は、只の騒ぎではなくなってくるぞ。勇者様をすでに狙うものがいるのか? 悪神とは? 魔王とは? 我々の敵は神なのか?」

「少し違うかもしれません。あくまでも我々の敵は魔王。魔王は悪神から加護を受けて強くなっているでしょう。しかし我々が神から受ける恩恵と一緒で、過去にも実際に悪神が直接介入したという事は伝えられていません。」

「言い伝えがあるのか・・・。そしてその知識は、ハイエルフ・・・。」

「ごめんなさいねラウール。私の種族が分かるような話しをしてしまって。それでも伝えておいた方がよいのです。」

「僕たちは気にしないよ。」

「ありがとうございます。私たちハイエルフが住む里には言い伝えが残っています。実際に皆さんより長寿ですから、言い伝えの量も膨大です。その中にも神のいたずらと言われるものはありますが、力の行使は一度もないようです。」

「そうか・・・。神にはかなわぬからな・・・。しかし目標は魔王討伐で良いのだな?」

「それでよろしいかと。魔王の出現に周期があるのも、悪神が魔王に力を与えることが出来るように、力を蓄える期間があると考えられています。ですから魔王の出現がそうそうないのです。」

「わかった。ありがとうソフィアよ。我々テザン皇国は君の正体を公言することはないことを保証しよう。怒らせたら怖いしな。そして黒猫よ、迷惑をかけた、済まぬ。」

「僕たちはダイジョブですよ。勇者には怖がられたと思いますが・・・。」

「ところがな、あの戦闘で圧倒的な強さを見せたからか、黒猫と一緒に旅に出たいと言う者もいるのだ。」

「へ~、変わってるね? 僕たちはセツナ以外は一緒に旅をしないと思っていたんだけどね。」

「そこで黒猫にはお願いがある。しばらくはテザン皇国に留まってくれないか? テザン皇国に一時的に拠点を置き、希望する勇者を鍛えてほしい。幸い、決闘騒ぎで他の冒険者と話をする機会があった。他の冒険者も急いで旅をする必要もないので、テザン皇国に滞在することは同意してくれている。そこに黒猫も加わり、旅に出る時に改めて勇者様に一緒に行く人を決めてもらおうと予定を変更したい。」

その提案を聞いて僕たちは話し合いを持った。
僕たちも急いで旅をする必要もないので、勇者を鍛えるのも面白いかと思った。
勇者の年齢も、今の僕とサクラとの一緒で十八歳。
勇者を鍛えるなんて、旅に出るよりも面白いことが待っていそうだ。

短時間で話し合いを終えて、僕たちは返事をした。

「その提案に乗ります!」

話し合いは終了し解散した。

僕たちはサンクリットから連絡があるまで待つこと。
拠点は自分で用意するなら援助をするし、必要であればテザン皇国で準備をする。

デーブンはもっと情報が集まった時に連絡を入れてくれると言った。
そしてたまにはギルドに顔を出してほしいと。


僕たちは先に拠点の確保をしようと思っている。
しおりを挟む
感想 100

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

いきなり異世界って理不尽だ!

みーか
ファンタジー
 三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。   自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

ボンクラ王子の側近を任されました

里見知美
ファンタジー
「任されてくれるな?」  王宮にある宰相の執務室で、俺は頭を下げたまま脂汗を流していた。  人の良い弟である現国王を煽てあげ国の頂点へと導き出し、王国騎士団も魔術師団も視線一つで操ると噂の恐ろしい影の実力者。  そんな人に呼び出され開口一番、シンファエル殿下の側近になれと言われた。  義妹が婚約破棄を叩きつけた相手である。  王子16歳、俺26歳。側近てのは、年の近い家格のしっかりしたヤツがなるんじゃねえの?

捨て子の僕が公爵家の跡取り⁉~喋る聖剣とモフモフに助けられて波乱の人生を生きてます~

伽羅
ファンタジー
 物心がついた頃から孤児院で育った僕は高熱を出して寝込んだ後で自分が転生者だと思い出した。そして10歳の時に孤児院で火事に遭遇する。もう駄目だ! と思った時に助けてくれたのは、不思議な聖剣だった。その聖剣が言うにはどうやら僕は公爵家の跡取りらしい。孤児院を逃げ出した僕は聖剣とモフモフに助けられながら生家を目指す。

処理中です...