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6:ご褒美の日
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イーヴォは起きた瞬間から浮かれていた。
今日はアルッティとデートである。デートだと思っているのはイーヴォだけなのだろうが、それでもデートなのである。
イーヴォは起きてすぐに熱いシャワーを浴び、気合を入れて髭を丁寧に剃ると、自室の衣装箪笥の前で唸った。
せっかくのデートだ。アルッティに少しでも格好いいと思われたい。
イーヴォは悩みに悩んでから、無難な黒いシャツと紺色のズボン、深い青色のセーターを着た。コートはお気に入りの黒いやつにする。マフラーはいらない。
居間に行く前に脱衣所へ寄り、髪型をビシッとキメる。髭の剃り残しがないかをチェックしてから、居間へと向かった。
居間にはそわそわした様子のアルッティがいた。白いシャツにちょいダサな茶色のセーター、黒いズボンを着て、焦げ茶色のコートを持っている。地味な格好だが、イーヴォ的にはありだ。ちょいダサなセーターが逆に可愛い。
イーヴォはでれっと笑いながら、アルッティに声をかけた。
「おはよう。早速出かけるか」
「おはようございます! はいっ!」
朝から元気なアルッティが大変可愛らしい。図体はデカいし、目つきが悪いが、イーヴォ的にはめちゃくちゃ可愛い。アルッティは嬉しそうな雰囲気で、尻尾があればぶんぶん振りまくっていそうだ。可愛いの塊かよ。是非とも激しく抱いて欲しい。
イーヴォは願望もとい欲望を顔に出さないようにしながら、アルッティと一緒に家を出た。
馴染みの喫茶店は相変わらず珈琲も料理も美味しかった。なにより、目をキラキラと輝かせて楽しそうに食べるアルッティを眺めることができて、実に最高な時間だった。
思えば、イーヴォの最初の友達でもあった愛犬も目つきが悪かった。それでも、世界で一番可愛いと思っていた。
今はアルッティが世界で一番可愛らしい。アルッティの笑顔を見るだけで疲れが癒やされる。ついでに股間の相棒まで元気になりそうになる。
喫茶店の店内で股間の相棒が元気になると困るのでぐっと堪えて、イーヴォは遠慮しまくるアルッティに構わずに会計をし、ご機嫌に店を出た。
先に酒屋へ行くことになったので、馴染みの酒屋へと向かう。
「イーヴォ先輩はどんな酒が好きですか? 居間の棚にある酒ってイーヴォ先輩が集めたやつなんです?」
「いや? あれは祖父が集めたものだ。祖父は蒸留酒が好きだったから、何年もかけて集めていたんだが、俺は蒸留酒はそんなに好きじゃないから飲まないんだ。軽めの果実酒や甘めのワインが好きだな」
「それなら、色んな果実酒を買って飲み比べしてみても楽しそうですね。果物によって風味が全然違いそうですし」
「いいな! 面白そうだ! アルッティはどんな酒が好きなんだ?」
「んー。辛口のワインとか蒸留酒が好きですね。美味しい蒸留酒は高いから滅多に飲みませんけど」
「あ、それなら祖父のコレクションを好きに飲んでいいぞ。どうせ俺は飲まない」
「えっ!? いいんですか!? いや、棚を眺めるだけでもお高いのしかないのが分かるんですけど!?」
「お前が飲まなきゃ、そのまま埃かぶったまんまだ。酒は飲むためにあるんだ。飲んでやらないと逆に可哀想だろう?」
「うっ、それは確かに……じゃあ、ありがたくご馳走になります!」
「好きなだけ飲んでくれ。あそこの棚が空いたら本を置けるようになるしな」
「本ですか?」
「物置に祖父が遺した本が大量にあるんだよ。面白い本も多いから暇がある時は発掘して読んでるんだが、どうせならちゃんと棚に並べてやりたい」
「なるほど」
「あ、ここだ。この酒屋が酒の種類が多いんだ」
「それじゃあ、イーヴォ先輩が楽しめるような酒を探しましょう!」
「あぁ」
楽しそうな雰囲気のアルッティが隣にいるだけで、こっちまで楽しくなってくる。デートって本当に最高である。
二人で店内をぐるっと見て回って、果実酒を四本買った。甘めのワインと辛口のワインも一本ずつ買うと、次は夕食とツマミの材料を買いに行く。
昼食の話をしながら歩いているアルッティの手を握りたいところだが、それはまだ早い。そもそも、まだイーヴォの片想いのままだ。
告白したいが、まだできない。アルッティはノンケだし、イーヴォの裸体になんの反応も示さない。『寒くないですか? 服着ましょうよ』とは言ってくるが。
酒の勢いでどうにかならないかなぁと淡い期待をしつつ、市場で買い物をして、増えた荷物を二人で分けて持ち、家へと帰った。
アルッティの手伝いをして一緒に昼食を作って食べた後。イーヴォはアルッティを昼寝に誘った。
居間のソファーは古ぼけているが、大人が寝ても大丈夫な大きさだ。
アルッティがパァッと顔を輝かせて、いそいそと二人分の毛布を持ってきた。
寝たフリをしてしれっとアルッティの寝顔を堪能する気満々である。
イーヴォは毛布に包まってソファーに寝転がると、すぐに寝たフリを始めた。暫くすると、穏やかな寝息が聞こえてきた。
静かに目をうっすら開けると、向かい側のソファーで寝ているアルッティの寝顔が見えた。
鋭い三白眼が閉じていると、存外整った顔立ちをしていることが分かる。目つきの悪さがなかったら、普通に女にモテそうな気がする。
イーヴォはじっとアルッティの穏やかな寝顔を見つめた。すごく可愛い。キスしたいくらい可愛い。流石に寝込みを襲うつもりはないが、ゆるーく勃起しちゃったくらい可愛い。
今日はなんてご褒美だらけの日なのだろうか。
アルッティと買い物デートをして、一緒に昼食を作って食べ、今は初めて見る寝顔を堪能できている。夕食から二人だけの酒盛りをするし、本当に最高な一日だ。
イーヴォはアルッティが起きるまで、しれっとアルッティの寝顔をガン見して堪能しまくった。
休みの日は家政婦のリリーは来ないので、朝に干した洗濯物を取り込む。流石に外は寒いので、裸の上からコートを着ている。
居間で取り込んだ洗濯物を畳んでいると、台所の方から微かにアルッティの鼻歌と炊事の音が聞こえてくる。
なんだかすごくいい。本当に新婚さんのようである。イーヴォはうきうきしながら、丁寧にアルッティのシャツにアイロンをかけた。
夕食の前に順番に風呂に入り、夕食兼酒盛りの始まりである。
奮発して買ったお高い牛肉のステーキに野菜スープ、チーズがのっているアルッティ手作りのクラッカー、ナッツや干した果物も数種類ある。
イーヴォは甘めのワイン、アルッティは辛口のワインをグラスに注ぎ、食前の祈りを捧げて乾杯したら早速楽しい酒盛りの始まりだ。
ステーキは絶妙な焼き加減で脂の甘みが最高に美味しい。シンプルに味付けが塩胡椒だけなのが逆にいい。野菜スープも優しい味わいだし、チーズをのせたクラッカーも美味しい。ワインともよく合う。
早々と食べ終えると、本格的な酒盛りの時間だ。
アルッティがいそいそと酒を並べている棚の前に行き、一本の酒瓶を持って戻ってきた。
台所へ行ったアルッティが、いくつもグラスを持ってきた。イーヴォの飲み比べ用のためのものである。アルッティの気遣いが嬉しくて、だらしなく頬がゆるんでしまう。
まずは苺酒から試してみる。一口飲めば、ふわっと苺の香りが鼻に抜け、程よい甘さが口に広がる。素直に美味しい。塩気のあるナッツとも合う。
蒸留酒を一口飲んだアルッティが、パァッと顔を輝かせた。
「めちゃくちゃ美味しいです!」
「これも美味い。一口試すか?」
「えっ!? い、いいんですか!?」
「いいぞー」
「じゃ、じゃあ、一口いただきます」
グラスを差し出せば、おずおずとアルッティが受け取り、苺酒を一口飲んだ。アルッティがふわっと笑った。
「これも美味しいですね。ケーキに使ってもよさそうです。香り付けに」
「ケーキも作れるのか?」
「んー。木苺のパイとかジャムケーキとか、簡単なものしか作れないですね」
「どっちも食べてみたいな。今の時期は木苺がないから、ジャムケーキがいい」
「いいですよ。明日も休みですから、明日にでもジャムを買って作りましょうか」
「楽しみにしてる」
イーヴォはクックッと笑いながら、内心ドッキドキしていた。
グラスを返してもらって、また一口苺酒を飲む。間接ちゅーしちゃったー! と内心踊り出したいくらい大喜び状態だ。
アルッティの前では『格好いいイーヴォ』でいたいので顔には出さないが、イーヴォは内心デレデレしながらアルッティとの酒盛りを心底楽しんだ。
今日はアルッティとデートである。デートだと思っているのはイーヴォだけなのだろうが、それでもデートなのである。
イーヴォは起きてすぐに熱いシャワーを浴び、気合を入れて髭を丁寧に剃ると、自室の衣装箪笥の前で唸った。
せっかくのデートだ。アルッティに少しでも格好いいと思われたい。
イーヴォは悩みに悩んでから、無難な黒いシャツと紺色のズボン、深い青色のセーターを着た。コートはお気に入りの黒いやつにする。マフラーはいらない。
居間に行く前に脱衣所へ寄り、髪型をビシッとキメる。髭の剃り残しがないかをチェックしてから、居間へと向かった。
居間にはそわそわした様子のアルッティがいた。白いシャツにちょいダサな茶色のセーター、黒いズボンを着て、焦げ茶色のコートを持っている。地味な格好だが、イーヴォ的にはありだ。ちょいダサなセーターが逆に可愛い。
イーヴォはでれっと笑いながら、アルッティに声をかけた。
「おはよう。早速出かけるか」
「おはようございます! はいっ!」
朝から元気なアルッティが大変可愛らしい。図体はデカいし、目つきが悪いが、イーヴォ的にはめちゃくちゃ可愛い。アルッティは嬉しそうな雰囲気で、尻尾があればぶんぶん振りまくっていそうだ。可愛いの塊かよ。是非とも激しく抱いて欲しい。
イーヴォは願望もとい欲望を顔に出さないようにしながら、アルッティと一緒に家を出た。
馴染みの喫茶店は相変わらず珈琲も料理も美味しかった。なにより、目をキラキラと輝かせて楽しそうに食べるアルッティを眺めることができて、実に最高な時間だった。
思えば、イーヴォの最初の友達でもあった愛犬も目つきが悪かった。それでも、世界で一番可愛いと思っていた。
今はアルッティが世界で一番可愛らしい。アルッティの笑顔を見るだけで疲れが癒やされる。ついでに股間の相棒まで元気になりそうになる。
喫茶店の店内で股間の相棒が元気になると困るのでぐっと堪えて、イーヴォは遠慮しまくるアルッティに構わずに会計をし、ご機嫌に店を出た。
先に酒屋へ行くことになったので、馴染みの酒屋へと向かう。
「イーヴォ先輩はどんな酒が好きですか? 居間の棚にある酒ってイーヴォ先輩が集めたやつなんです?」
「いや? あれは祖父が集めたものだ。祖父は蒸留酒が好きだったから、何年もかけて集めていたんだが、俺は蒸留酒はそんなに好きじゃないから飲まないんだ。軽めの果実酒や甘めのワインが好きだな」
「それなら、色んな果実酒を買って飲み比べしてみても楽しそうですね。果物によって風味が全然違いそうですし」
「いいな! 面白そうだ! アルッティはどんな酒が好きなんだ?」
「んー。辛口のワインとか蒸留酒が好きですね。美味しい蒸留酒は高いから滅多に飲みませんけど」
「あ、それなら祖父のコレクションを好きに飲んでいいぞ。どうせ俺は飲まない」
「えっ!? いいんですか!? いや、棚を眺めるだけでもお高いのしかないのが分かるんですけど!?」
「お前が飲まなきゃ、そのまま埃かぶったまんまだ。酒は飲むためにあるんだ。飲んでやらないと逆に可哀想だろう?」
「うっ、それは確かに……じゃあ、ありがたくご馳走になります!」
「好きなだけ飲んでくれ。あそこの棚が空いたら本を置けるようになるしな」
「本ですか?」
「物置に祖父が遺した本が大量にあるんだよ。面白い本も多いから暇がある時は発掘して読んでるんだが、どうせならちゃんと棚に並べてやりたい」
「なるほど」
「あ、ここだ。この酒屋が酒の種類が多いんだ」
「それじゃあ、イーヴォ先輩が楽しめるような酒を探しましょう!」
「あぁ」
楽しそうな雰囲気のアルッティが隣にいるだけで、こっちまで楽しくなってくる。デートって本当に最高である。
二人で店内をぐるっと見て回って、果実酒を四本買った。甘めのワインと辛口のワインも一本ずつ買うと、次は夕食とツマミの材料を買いに行く。
昼食の話をしながら歩いているアルッティの手を握りたいところだが、それはまだ早い。そもそも、まだイーヴォの片想いのままだ。
告白したいが、まだできない。アルッティはノンケだし、イーヴォの裸体になんの反応も示さない。『寒くないですか? 服着ましょうよ』とは言ってくるが。
酒の勢いでどうにかならないかなぁと淡い期待をしつつ、市場で買い物をして、増えた荷物を二人で分けて持ち、家へと帰った。
アルッティの手伝いをして一緒に昼食を作って食べた後。イーヴォはアルッティを昼寝に誘った。
居間のソファーは古ぼけているが、大人が寝ても大丈夫な大きさだ。
アルッティがパァッと顔を輝かせて、いそいそと二人分の毛布を持ってきた。
寝たフリをしてしれっとアルッティの寝顔を堪能する気満々である。
イーヴォは毛布に包まってソファーに寝転がると、すぐに寝たフリを始めた。暫くすると、穏やかな寝息が聞こえてきた。
静かに目をうっすら開けると、向かい側のソファーで寝ているアルッティの寝顔が見えた。
鋭い三白眼が閉じていると、存外整った顔立ちをしていることが分かる。目つきの悪さがなかったら、普通に女にモテそうな気がする。
イーヴォはじっとアルッティの穏やかな寝顔を見つめた。すごく可愛い。キスしたいくらい可愛い。流石に寝込みを襲うつもりはないが、ゆるーく勃起しちゃったくらい可愛い。
今日はなんてご褒美だらけの日なのだろうか。
アルッティと買い物デートをして、一緒に昼食を作って食べ、今は初めて見る寝顔を堪能できている。夕食から二人だけの酒盛りをするし、本当に最高な一日だ。
イーヴォはアルッティが起きるまで、しれっとアルッティの寝顔をガン見して堪能しまくった。
休みの日は家政婦のリリーは来ないので、朝に干した洗濯物を取り込む。流石に外は寒いので、裸の上からコートを着ている。
居間で取り込んだ洗濯物を畳んでいると、台所の方から微かにアルッティの鼻歌と炊事の音が聞こえてくる。
なんだかすごくいい。本当に新婚さんのようである。イーヴォはうきうきしながら、丁寧にアルッティのシャツにアイロンをかけた。
夕食の前に順番に風呂に入り、夕食兼酒盛りの始まりである。
奮発して買ったお高い牛肉のステーキに野菜スープ、チーズがのっているアルッティ手作りのクラッカー、ナッツや干した果物も数種類ある。
イーヴォは甘めのワイン、アルッティは辛口のワインをグラスに注ぎ、食前の祈りを捧げて乾杯したら早速楽しい酒盛りの始まりだ。
ステーキは絶妙な焼き加減で脂の甘みが最高に美味しい。シンプルに味付けが塩胡椒だけなのが逆にいい。野菜スープも優しい味わいだし、チーズをのせたクラッカーも美味しい。ワインともよく合う。
早々と食べ終えると、本格的な酒盛りの時間だ。
アルッティがいそいそと酒を並べている棚の前に行き、一本の酒瓶を持って戻ってきた。
台所へ行ったアルッティが、いくつもグラスを持ってきた。イーヴォの飲み比べ用のためのものである。アルッティの気遣いが嬉しくて、だらしなく頬がゆるんでしまう。
まずは苺酒から試してみる。一口飲めば、ふわっと苺の香りが鼻に抜け、程よい甘さが口に広がる。素直に美味しい。塩気のあるナッツとも合う。
蒸留酒を一口飲んだアルッティが、パァッと顔を輝かせた。
「めちゃくちゃ美味しいです!」
「これも美味い。一口試すか?」
「えっ!? い、いいんですか!?」
「いいぞー」
「じゃ、じゃあ、一口いただきます」
グラスを差し出せば、おずおずとアルッティが受け取り、苺酒を一口飲んだ。アルッティがふわっと笑った。
「これも美味しいですね。ケーキに使ってもよさそうです。香り付けに」
「ケーキも作れるのか?」
「んー。木苺のパイとかジャムケーキとか、簡単なものしか作れないですね」
「どっちも食べてみたいな。今の時期は木苺がないから、ジャムケーキがいい」
「いいですよ。明日も休みですから、明日にでもジャムを買って作りましょうか」
「楽しみにしてる」
イーヴォはクックッと笑いながら、内心ドッキドキしていた。
グラスを返してもらって、また一口苺酒を飲む。間接ちゅーしちゃったー! と内心踊り出したいくらい大喜び状態だ。
アルッティの前では『格好いいイーヴォ』でいたいので顔には出さないが、イーヴォは内心デレデレしながらアルッティとの酒盛りを心底楽しんだ。
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