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36:さようならフリオの童貞

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クラウディオが1日の仕事を終えて軍詰所から出ると、入り口の所にフェルナンドが立っていた。
1度フェルナンドを花街に連れていってから、毎年1回は必ずフェルナンドを花街に連れていっている。クラウディオが休みの日には夜も家族皆で過ごすので、大抵クラウディオが仕事の日に帰りに合流して一緒に夕食をとった後に花街の馴染みの店に行っている。

フェルナンドの近くに寄ると、今日はフェルナンドに腕を掴まれて憮然とした顔のフリオもいた。


「あ、お疲れ様。お祖父様」

「あぁ、ありがとう。今年はフリオもか?」

「うん」

「……別に行かなくていい」

「いやいや。本当に楽しいから、花街。ねぇ、お祖父様」

「まぁな。やることやらなくても結構楽しいもんだぞ。歌が得意だったり、楽器が得意だったりする子も多いし、皆教養もあって情報通だしな」

「その……あれをするだけじゃないのか?というか、もしかして父上も通っているのか?」

「ん?フェリと恋人になるまでは、たまに通ってたぞ。今はフェルナンドを連れていく時と仕事で行くだけだな。フェルナンドを連れていく時はしれっとフェリも借りた部屋に呼んでる」

「そ、そうか……」

「俺はやることもガッツリやるけど、膝枕で歌ってもらうのが好きなんだよね」

「フェルナンドって、ちょっとぷにっとした感じの子が好きだよな」

「うん。ぷにぷにしてるのって触ってて楽しい」

「そんなフェルナンドに素敵なお知らせだ。最近売り始めた子で歌が上手いと評判のちょいぽちゃの子がいるぞ。まだ成人したばかりだからお肌もピッチピチ」

「その子にする」

「即答か。潔くていいぞ」


クラウディオとフェルナンドがパァンと手を叩き合うと、フリオが呆れた顔をして2人を見た。渋るフリオをクラウディオとフェルナンドが両腕を掴んで、とりあえずいつもの個室がある鍋料理の店に強制連行した。
毎年サンガレアに来ているが、鍋料理は初めてなフリオは興味深そうにメニューを眺めている。


「どれが1番旨いんだ?」

「ピリ辛鍋も旨いけど、俺が1番好きなのはすき焼きかなぁ。〆のうどんが最高なんだよね」

「俺はもつ鍋も好きだな。モツもだが、ニラとキャベツが旨いんだよ」

「……選べない。フェルナンドの好きやつにしてくれ」

「じゃあ、すき焼きでいい?」

「あぁ」

「いいぞ。酒はどうする?すき焼きなら俺は冷たい米の酒にするが」

「同じのでいい」

「んー。俺はカクテルにしとくよ。ソルティドッグで」

「おー。じゃあ、店員呼ぶな」

「うん」


店員が鍋や酒を運んでくるまで新居の話をして、店員が出ていったら、とりあえず酒を飲みながら熱々の鍋を3人でつつく。


「熱いが旨いな。肉もいいがネギがトロトロで旨い」

「でしょ?この溶き卵につけるってのがいいよね」

「ここの店は特別に領主家が仕入れている養鶏場から卵を仕入れているからな。生でも食べられるんだよ。マーサ様が卵にこだわりまくった結果、生でも食べられる卵をつくる養鶏場を作ったんだ。そこ以外の養鶏場で育った卵は生では食べない方がいい。最悪寄生虫とかいるし」

「へぇ」

「フリオはどんなのが好みなんだ?」

「……考えたことがない」

「そうなの?」

「あぁ。というか、そもそもやり方も知らん」

「ふむ。ならば俺の知識でよければ少々講義しよう」

「……えぇ……」

「お祖父様。俺は聞きたい」

「とりあえず男を抱く編からかな……」


フリオが若干嫌そうな顔をしているが、クラウディオは勝手に話し始めた。キスのテクニックから始まり、乳首の弄り方やアナルの慣らし方、腰の使い方等々、クラウディオの持てる知識を、実体験の話を交えながら語っていく。フェルナンドは目をキラキラさせて楽しそうに聞いてくれる。フリオも一応微妙な顔で聞いてくれた。
クラウディオが語り終え、満腹になると、微妙な顔をしたままのフリオをクラウディオとフェルナンドが両脇を固めて花街の馴染みの店へと移動した。
顔馴染みで色々心得てくれている店の者に2人を頼み、楽しんでこいよー、と見送った後、別の店の者に案内されて2人が入った部屋の真ん中の部屋へと入った。たまたま3部屋続けて空いていて助かった。今回も特別に2人の部屋の防音結界は一時的に解除してもらっている。クラウディオは窓を開けて、魔導通信具を起動させてフェリに連絡をとった。
フェルナンドの部屋からは軽やかな歌声が、フリオの部屋からは軽快な楽器の音色が聞こえてきた。歌が上手いと評判なだけあって、確かに耳に楽しい歌声である。各々違う曲なのに、何故か邪魔しあわず、クラウディオは両側の部屋から聞こえてくる楽しい音楽を、酒を飲みつつ静かに聞いていた。








ーーーーーー
フェリは花街の上空を飛んでいた。目的の店の辺りに着くと、窓が開いている部屋を探す。すぐに見つかった。窓辺に寄りかかって酒を飲んでいるクラウディオの姿も見える。フェリはふわりとその窓に近寄った。


「クラウディオ」

「フェリ」


クラウディオに引き寄せられるまま、椅子に座るクラウディオに抱きついて膝に座った。上機嫌なクラウディオがフェリの頬に何度もキスをする。両側の部屋から各々歌と楽器の奏でる音色が聞こえてくる。


「フェルナンドと……フリオもか?」

「あぁ。歌の方がフェルナンドで、楽器の方がフリオ」

「ふーん」


正直、息子と孫がセックスしている部屋の隣にいるのはフェリ的にはかなり気まずい。まぁ、フリオ達が抱く方なら息子と孫の喘ぎ声を聞くことはないだろうが。……多分。
クラウディオと戯れるようなキスをしていると、歌がやんだ。悪戯するように触れてくるクラウディオの手を大人しく受け入れていたら、そのうち微かに喘ぎ声が聞こえてきた。反対側の部屋からは楽器の音色はまだ聞こえている。
クラウディオがフェリの首筋にねっとり舌を這わせて、服を脱がしにかかってきたので、フェリは手を伸ばして開いていた窓を閉めた。
すると、聞こえていた楽器の音色がやんだ。


「お、いよいよかな」


クラウディオが楽しそうにクックッと笑いだした。そんなクラウディオに少し呆れる。


「楽しそうだな」

「んー?まぁ、息子の童貞卒業だしな」

「あー……うまくいくといいけど」

「大丈夫だろ。相手は慣れてる子だし、俺が教えられるだけのことは口頭で教えたしな」

「なんか悪いな」

「いやいや。楽しいから別に構わんさ」

「フリオもさー、そろそろ恋人できてもいいと思うんだけどな」

「城に出入りする貴族には、まるで興味がないみたいだな」

「そうっぽい。いっそサンガレアにいい人いないかな」

「んー。女はちょっと難しいが、男ならまぁ良さげなのがいなくもない。ただ、フリオが自分の好みすら把握してないからな。下手に紹介できないな」

「マージかー」

「まぁ、1度セックスを経験してみて、それが良かったら自分から相手を探すようになるさ」

「……フェルナンドは相変わらず年に1度の花街通いに夢中なんだけど」

「フェルナンドは風の宗主国の女が好きじゃないからな。『香水臭くてガリガリに痩せてて、マジ無理。勃起しない』って言ってたな」

「んー……でもいつかは結婚しなきゃいけないんだぞー。次の王になるんだし」

「マーサ様かマルク様かリー様が自分好みの女を産んで育ててくれるのを気長に待つ気だぞ」

「フェルナンドの好みって?」

「優しくて一緒にいて楽しくて、胸と尻がデカい女の子」

「……まぁ、分からんでもない」

「だよなぁ」


クラウディオが楽しそうに笑いながら、フェリの乳首を口に含んだ。そんなクラウディオの頭を優しく撫でながら、フェリは熱い息を吐いた。
耳をすませば、フリオの部屋の方からも微かに男娼の喘ぎ声が聞こえてきた。フリオの方もうまくやっているらしい。
フェリは楽しそうに笑っているクラウディオの膝から下りて、クラウディオの足元に膝をついた。カチャカチャと軍服のベルトを外し、ズボンのチャックを開けて下着をずらすと、すっかり元気に臨戦態勢なクラウディオのペニスが顔を出す。フェリはクラウディオの顔を見上げながら、クラウディオの熱いぺニスをねっとり根元から先っぽまで舐め上げた。クラウディオが笑いながらフェリの頭を優しく撫でる。多分少し酔っているのだろう。普段より随分とご機嫌である。クラウディオのペニスの裏筋を横からペロペロ舐めていると、フェルナンドの部屋の方から大きな喘ぎ声が聞こえてきた。どうも盛り上がっているようだ。クラウディオが吹き出して、面白そうに笑っている。……これは本当に酔っているな。少し珍しい。昨日もセックスをして、あまり寝ていないからだろうか。そのわりにはペニスは元気いっぱいである。
大きなクラウディオのペニスを口に咥えて、クラウディオが低く呻いてフェリの口内に勢いよく射精するまで、フェリは丁寧にクラウディオのペニスを愛撫した。
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