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56:急速に縮まる距離

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何故か戻ってきたエドガーがフリオの部屋に入ってきた。慌ててティッシュで流れる涙と鼻水を拭き取る。


「あのっ!帰りながら俺フリオさんのこと考えてたんだけど、その、このままじゃやっぱダメなんじゃないかと思って。その、1度恋人になったわけだし、フリオさんのことは好きだし、その……えーと……何て言ったらいいんだろ……と!とにかくっ!試しにキスさせてくださいっ!」

「……なんでそうなる……」

「い、いやだって!その、キスして大丈夫だったら、なんか大丈夫なんじゃないかって思えてきて……」

「なにがだ」

「うっ……その、恋人でいるのが」

「……別に無理しなくていい」

「む、無理じゃないっ!……多分っ!このまま友達に戻っても、多分気まずいままだろ?それは嫌だし、その、フリオさんとはたまにしか会えないけど、その分一緒に過ごせる時間が俺にとってはすごく大事で!」

「……あぁ」

「あーと……な、何て言えばいいのかな……その、とにかく仲良くなりたいんだ!今よりももっと!」

「えーと……」

「だから、その、あの、フリオさんが嫌じゃなかったら試しにキスさせてください」

「……いいぞ」

「本当に!?」

「あぁ」


なんだか訳が分からないが、エドガーがフリオにキスしてくれるらしい。本当に訳が分からない。フリオはフラれた筈だ。なのにフッた本人からキスを求められている。どれだけの時間泣いていたのか分からないが、泣きすぎて頭がぼんやりする。ぼんやりしたまま、フリオは真っ赤な顔でおずおずと近づいてくるエドガーの顔を見上げた。肩に手を置かれ、エドガーの顔が静かに近づいてくる。フリオはじっと徐々に近づくエドガーの唇を見つめていた。フリオの唇にエドガーの唇が触れた。柔らかい感触がする。軽く唇を吸われて、フリオも反射的にエドガーの唇を吸った。ちゅっと小さな音がする。目を閉じたエドガーを超至近距離で見つめる。唇を触れあわせたまま、エドガーが目を開いた。


「あの……」

「……うん」

「なんか、やってみたら意外と平気みたいなんだけど」

「……うん」

「もうちょっとしていい?」

「うん」


フリオは今度は瞳を閉じて、エドガーの優しいキスを受け入れた。何度も顔の角度を変えて、唇を吸い合う。エドガーの舌がフリオの唇に触れた。フリオは素直に口を少し開けて、口内に入ってくるエドガーの舌を受け入れる。エドガーに上顎を舐められ、舌を絡ませ合う。エドガーと初めてキスをしているというのに、現実感がまるでない。まるで夢をみているようだ。ただ、口の中に感じる動き回るエドガーの舌の感触も、触れあう柔らかいエドガーの唇の感触も本物だし現実だ。気づけば2人は息があがるまで夢中でキスをしていた。

長いキスをして、フリオの息は完全に上がっている。初めて感じるエドガーの唇と舌の感触に興奮して、ペニスが完全に勃起してしまった。はぁはぁと互いに荒い息を吐きながら、エドガーと見つめ合う。


「フリオさん……もっと触ってみていい?」

「うん」


エドガーが再びフリオにキスをしながら、服の上からフリオの身体を優しく撫で始めた。細い腰を撫で、背中を撫でて、露出している二の腕を撫でてからフリオの首筋に触れた。鎖骨をやんわり撫でられて、胸を撫でられる。夏物の薄いシャツ越しにエドガーの熱い体温を感じる。胸を触られると、フリオの乳首が立ってしまった。乳首の感触を確かめるように、エドガーの指先が優しくシャツ越しに乳首を撫で回す。なんだかそうされると背筋がゾクゾクしてしまう。シャツ越しに乳首に触れているエドガーの反対側の手が、シャツの裾を捲るようにして、直にフリオの腰に触れた。熱い少し汗ばんだ武骨で固い手に優しく腰や背中を撫でられる。唇を触れあわせながら、エドガーが小さく囁いた。


「脱がせていい?」

「……うん」


フリオが素直に頷くと、エドガーが少し身体を離して、シャツの裾に手をかけ、そのまま万歳させるようにしてフリオのシャツを脱がせた。エドガーはフリオのシャツを脱がせると、自分も無地のシャツを脱ぎ捨て上半身裸になった。
エドガーがフリオの身体を抱き締めた。ドキドキと速いエドガーの心臓の鼓動が直に伝わってくる。エドガーの唇がフリオの白い首筋に触れた。ねっとりとエドガーの舌で舐められて、思わずフリオは小さな声をもらした。エドガーがフリオの背中や腰を撫でながら、徐々に下に下がっていく。鎖骨を舐め、軽く歯を立てられる。フリオのピンと立っている乳首にも舌で触れた。そのまま舐められ、時折吸いつかれる。乳首を舐められるなんて初めてだ。乳首を舐めながらフリオを見上げてくるエドガーと視線が合う。途端にゾクゾクしてしまう。エドガーの赤い舌がフリオの淡いピンク色の乳首に触れている。なんとも興奮する光景だ。エドガーがフリオの乳首から口を離して、ベッドの上に座っているフリオの前に、屈んでいた体勢から立ち上がった。エドガーの股間を見れば、僅かに盛り上がっている。


「フリオさん……どうしよ。勃っちゃった」

「……そのようだな」


エドガーがフリオの身体に興奮している。その事がすさまじく嬉しい。フリオはエドガーに手を伸ばして腰に腕を回して引き寄せた。目の前の鍛えられた逞しい腹筋にキスをして、エドガーをベッドに座らせ、今度はフリオが立ち上がり、エドガーの真正面に膝まづいた。エドガーの視線を感じながら、緊張と興奮で微かに震える手でエドガーのズボンのベルトを外し、チャックを下ろして下着ごとズボンをずり下ろすと、完全に勃起しているとは言えないが、それでも半勃ちのエドガーのペニスが顔を出した。フリオよりも少し大きい気がするエドガーのペニスに頬擦りして、横からエドガーのペニスの裏筋をペロッと舐めた。そのままぺニスを舐め回しながらエドガーのペニスを大きく口を開いて口内に受け入れる。


「フ、フリオさんっ!」


エドガーが少し焦ったような声を出して、ペニスを咥えるフリオの頭に、髪に触れた。ぺニスを咥えたままエドガーの顔を見上げると、興奮しているのか、はぁはぁ言いながら顔を赤らめていた。フリオはぺニスから1度口を離して、エドガーをじっと見つめながら、エドガーのぺニスを根元からねっとり見せつけるように舐めあげた。舌に感じるエドガーのぺニスの熱さと固さに興奮して止まらない。エドガーのぺニスは完全に勃起していた。先走りなのか、初めて感じる味のする先っぽを口に含み、舐め回しながらエドガーのぺニスを歯が当たらないように気をつけながら唇でしごく。フェラはやったことがないが、男娼にやってもらったことはあるので、どうしたらエドガーを気持ちよくできるのか、なんとなく分かる。エドガーのぺニスの感触と荒い呼吸と時折もれる小さなエドガーの感じている声に、ひどく興奮して触らずに射精してしまいそうだ。フリオは夢中でエドガーのぺニスを口で可愛がった。軽く吸いながらぺニスを飲み込めるだけ飲んで頭を上下に動かして唇でしごく。舌に感じる先走りの量が増えている気がする。


「あ、あ、フリオさん……ヤバいよ……出ちゃいそう……」


すっかり感じているエドガーの上擦った声に後押しされるように、フリオはエドガーを見つめながら、より激しくエドガーのぺニスに吸いついた。先っぽを強く舌先で抉るように擦ると、次の瞬間フリオの口内に勢いよく精液が飛び込んできた。反射的にエドガーの精液をコクッと飲み込んでしまう。喉にひっかかるような感じがして、精液の匂いが鼻にとおる。溜まっていたのか、エドガーの射精は長く、濃い気がする。射精が終わると、フリオはエドガーのぺニスから口を離した。先っぽにまだうっすら白い精液が残っている。ちゅうと吸って、ペロペロ舐めてキレイにした。


「ご、ごめん……俺口に出しちゃった。あ、出してよ。ティッシュ、ティッシュ」

「……もう飲んだ」

「の、飲んじゃったのっ!?」


膝まづいたまま、真っ赤な顔で驚くエドガーに口を大きく開いて空っぽの口内を見せた。エドガーの顔は更に赤くなった。首まで真っ赤だ。フリオが濡れた唇を指先で拭っていると、エドガーがおずおずとした感じでフリオの裸の肩に触れた。


「フリオさん……その、フリオさんも見せてよ」

「……うん」


フリオはその場に立ち上がって、エドガーにじっと見られながらズボンのベルトを外して、ボタンとチャックを外して下着ごとズボンを脱ぎ捨てた。フリオのぺニスは興奮し過ぎてすっかり先っぽが濡れている。エドガーがコクンと小さく唾を飲んだ。エドガーの指先がそっとフリオの陰毛に触れた。


「……ここも金色なんだ」

「うん」


そのまま陰毛をさわさわ撫でて、エドガーの武骨な固くて熱い手がフリオのぺニスにやんわり触れた。思わず小さな声をもらす。フリオのぺニスの形を確かめるように全体を優しく撫でられる。エドガーの手が自分のぺニスに触れているというだけで、本気で射精してしまいそうだ。ゾクゾクと快感が背筋を走る。エドガーが親指で濡れているフリオのぺニスの先っぽをぬるぬると擦った。


「あっ……」

「すごい……濡れてる……」


じっと自分のぺニスを見つめるエドガーの視線にすら感じてしまう。フリオのぺニスをエドガーが根元から先っぽまでゆるゆると手で擦り出した。フリオは思わずエドガーの裸の肩にしがみつくように手を置いて、腰を震わせた。エドガーが触ってくれている。気持ちいい。それしか頭にない。ぺニスに触れているのとは別の手が、フリオの薄い尻を撫でた。


「フリオさん……なんかやらしい」

「はっ、はっ、あっ……」

「気持ちいい?」

「あっ……きもちいい……」


エドガーがフリオのぺニスをしごきながら、フリオのうっすら割れている腹筋にキスをした。尻を撫でられながら引き寄せられ、臍のあたりを舐められる。フリオはエドガーの短い髪に触れた。手に硬めの髪の毛の感触が伝わる。エドガーの手の動きはどんどん激しくなり、フリオはすぐに限界がきた。


「あ、あ、イクッ、イクッ」

「イッて」

「……あぁっ!」


フリオは腰を震わせて、勢いよく射精した。自分の精液がエドガーにかかるのを見ると、堪らなく興奮してしまう。エドガーがフリオの精液を全部搾り取るようにゆるゆると射精しているぺニスを擦る。どうしようもなく気持ちがいい。射精が終わると、エドガーがフリオの精液で濡れた自分の手を見た。濡れた手でフリオの尻に触れてくる。濡れた指先がフリオのアナルに触れた。


「えっと……男同士ってここ使うんだよね?」

「……あぁ」

「その、指挿れてみていい?」

「……いいけど、先に浄化魔術をかけるから、少し待て」

「あ、うん。ん?中に浄化魔術かけるの?」

「あぁ」

「へぇ」

「……その、知らないのか?」

「あ、うん。ごめん。男同士のやり方知らない。……ていうか、その、俺実は全然したことなくて……」

「女とも?」

「…………うん」


エドガーは童貞だった。なんだか嬉しい。興奮して顔を赤らめるエドガーを見たのも、上擦った感じている声を聞いたのも、エドガーの精液の味を知っているのもフリオだけだ。
フリオは腰に手をあて、浄化魔術を自分にかけて直腸内をキレイにすると、1度触れているエドガーの手を離させて、小さな引きだしからローションのボトルを取り出した。


「男同士の必需品」

「あ、ちょっと聞いたことある。ローションだっけ?見るのは初めてだ」

「これで濡らして挿れる」

「へぇ……フリオさん」

「うん」

「その……最後までできるか試していい?」

「うん」


フリオは真っ赤になって聞いてくる可愛いエドガーに触れるだけのキスをした。
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