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おまけの初夜編
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結婚式が恙無く終わり、祝宴を終えると、マーサに土竜の森の中の隠れ家に案内された。
こじんまりとしているが、なんとも落ち着く雰囲気の家である。
「食料とか色々準備しといたから。新婚旅行代わりに、ここでゆっくり過ごしなさいな。3日後の昼間に迎えに来るから」
「ありがとうございます」
「ありがと、母様」
2人に手を振ると、マーサは元来た道を帰っていった。
それを見送って家の中へ2人で入った。
家の中は一部屋しかなく、そこにはミーシャも寝れるような大きなベッドとテーブル、2脚の椅子、小さめのチェストくらいしかなかった。
奥の方に炊事場があるようで、覗いてみると、調理用具等が一通り揃っているようだった。
「ミーシャ!」
「どうしました?」
「外に温泉がある」
「マジですか」
ルート先輩の所へ行くと、玄関以外にドアがひとつあり、そこを開けると露天風呂になっていた。
石を組んで作られた浴槽と、周囲にはご丁寧にタイル張りの洗い場まであった。
風呂の近くには桃の木が植えてあり、白い花が満開で、湯船にも花弁が浮いていた。
「露天風呂ってやつですね」
「凄いな」
「風情がありますねぇ。話には聞いたことありますけど、露天風呂なんて初めてです」
「俺もだ」
「一緒に入ります?」
「別にいいぞ」
断られるかと思ったが、あっさり承諾された。折角なので、ルート先輩の気が変わらないうちにミーシャはいそいそと服を脱いだ。
「隠す気0か」
すぱーんっと全裸になると、何故かルート先輩が呆れた顔をした。
「?前に一度見てるじゃないですか」
「いや、そうだが。前にも思ったが、お前の辞書に恥じらいって言葉載ってるか?」
「載ってますよ。一応」
「一応かよ」
「えーー……『キャー』とか言ってみた方がいいですか?」
「いや、いいよもう……」
何故か疲れたような顔をして、ルート先輩ももぞもぞ脱ぎ始めた。
「先輩。背中流しっこしましょうよ」
「おー」
気のない返事が返ってきた。
ルート先輩も全裸になると洗い場に2人並んで身体を洗った。
「先輩、後ろ向いてください」
「んー」
意外と素直に背中を向けてくれるルート先輩の背中を泡立てまくった洗いタオルで洗う。
「先輩。背中凝ってますね」
「あー、緊張してたからな」
「あ、肩も凝ってる」
「あー、そこ気持ちいい」
「ここですか?」
「んー」
洗いタオルを横に置いて、手で肩や背中を揉むと気持ち良さそうな、気の抜けた声がルート先輩からもれた。
ミーシャは楽しくなって首筋や頭も指圧した。
「お前、上手いな」
「子供の頃から、たまに母様達にやってたので」
「マーサ様にか?」
「あと、お爺ちゃんに。2人とも凝り性なので」
「へぇ。あ、もういいぞ」
「はい」
「後ろ向け」
「はぁい」
ルート先輩に背を向けると、洗いタオルで優しく擦ってくれた。力加減が優しくて、ちょっとくすぐったい。ミーシャは笑いを堪えた。
「ありがとうございます」
「おー」
2人してお湯で泡を流すと、露天風呂に浸かった。
あー、と気の抜けた声が自然と出た。
「気持ちいいですねぇ」
「だなぁ」
「景色見ながら外でお風呂ってのもいいもんですね」
「あぁ。桃の花も見事だしな」
「ですねぇ」
ミーシャは肩まで温泉に浸かると、お湯の中で伸びをした。
「あー……先輩。お腹空きませんか?」
「……お前もか」
「祝宴じゃ、あんまり食べられませんでしたし」
「まぁな。風呂から出たら何か食うか」
「ですね」
ぽつぽつ話ながら身体を温め、温泉から出た。身体と髪を拭いて用意されていた楽な服を着ると2人で炊事場に行った。
魔導冷蔵庫の中を見ると、材料とは別に温めたらすぐに食べられる料理がぎっしり詰まっていた。
「流石母様。用意いいなぁ」
「ありがたいな」
「直ぐに温めますね」
「あぁ。皿を出しとく」
「お願いします」
料理を幾つか取り出した。
魚のマリネ、芋のサラダ、ミネストローネ、野菜の煮物。デザートに林檎のケーキまであった。
ミネストローネと野菜の煮物を温めると他の料理と一緒にテーブルへと運んだ。
「先輩。デザートまでありました!」
「良かったな。あ、マリネもあるのか」
「はい。まだ他にもありましたけど、足りなくなったらでいいですか?」
「うん」
「あ、パンもあったんで持ってきます。飲み物はワインでいいですか?」
「あぁ」
パンとワインを持ってくると、早速食べ始める。味の沁みた魚が美味しく、ワインにも合う。
「やっぱマーサ様のマリネ旨いな」
「ですねぇ。自分じゃここまで美味しくできませんから。何が違うんでしょうね?」
「さぁ?レシピ通り作ってもこの味にはならないよな」
「年季の差ですかねぇ」
「かもな」
2人ともお腹を空かせていたので、黙々とあっという間に食べ終わった。
デザートの林檎のケーキまで食べ終わると、まったりした空気が流れた。
「なんかやっと落ち着いた気がします」
「だな」
「ワインもう一本開けます?」
「んー……とりあえず片付けてからにするかな」
「はぁい」
2人で使い終わった食器を運んで洗い、手早く片付けた。そのまま2人並んで歯磨きをする。
食器を片付ける最中にいいお茶の葉を発見したので、ワインより先にお茶を淹れることになった。
食器棚から茶器を取り出し、お湯を沸かす。お茶を淹れて飲むと、ほっとした。
「これ、やっぱいいお茶ですね」
「あぁ。旨いな。香りがいい」
「ですねぇ。母様が普段1人で飲むとは考えられませんから、私達へのお祝い仕様ですかね」
「かもしれないなぁ。でもマーサ様ならこういうの日常的に飲んでてもおかしくないだろ?」
「いや、うちの母様、酒以外の飲み物にこだわりとかないんですよ。ぶっちゃけ飲めればいい、みたいな感じなんです。だからお茶の淹れ方もかなり適当で微妙ですよ」
「そうなのか。料理上手だから、なんか意外だな」
「お茶だけなら他の家族の方が旨いですよ」
「へぇ。なら俺も覚えた方がいいか?」
「いや、先輩は十分お上手ですよ」
「そうか?」
「はい。それはそうと先輩」
「ん?」
「チェストの中に色っぽいフリフリのネグリジェがあったんですけど、着た方が良かったですか?」
「……今更じゃないか?」
「今更ですね」
「別に着なくていい。お前も落ち着かないだろう?」
「まぁ、ぶっちゃけ」
「お前、色気とは無縁だな」
「色気より食い気なのは確かです」
「だよなぁ」
ルート先輩が可笑しそうにクスクス笑った。
「お茶飲んだら寝るか?」
「はい」
飲み終わって茶器を片付けると2人でベッドに寝転んだ。
「ベッドでかいなぁ」
「私仕様なんで」
ルート先輩がまたクスクス笑い出した。
「で?」
「はい?」
「するか?」
「しますか」
「うん」
ルート先輩がミーシャに触れるだけのキスをした。ミーシャは顔が赤くなるのが自分でも分かった。
ルート先輩が軽く吹き出した。
「お前、裸見られるのは恥ずかしくないくせに何でこれで赤くなるんだ」
「何ででしょう?なんとなく照れくさいというか、恥ずかしいです」
「お前の恥ずかしいの基準が分からんな」
ルート先輩がクスクス笑い出した。
ミーシャはなんだか悔しくなって、自分からルート先輩にキスをした。
お互い啄むように何度もキスをした。ルート先輩に唇を舐められると、小さく口を開け、ルート先輩の舌を迎え入れた。舌を絡めあい、上顎や歯列を舐められる。こういうキスをするのは2度目だ。ルート先輩の舌についていけず、ミーシャはされるがままだった。
軽く息があがる頃に唇が離れていった。息を整えようとするミーシャの頭をルート先輩が優しく撫でた。
「大丈夫か?」
「多分?」
「そうか」
ルート先輩がまたクスクス笑い出した。
ミーシャはルート先輩の服に手をかけた。シャツを脱がそうとすると、素直に脱がされてくれた。
そのまま下着ごとズボンも脱がし、ルート先輩を全裸にする。
ミーシャももぞもぞと服を脱いで裸になった。
ミーシャはルート先輩のヒンヤリとした肌に触れた。そのまま華奢なルート先輩の裸体を抱き締めた。
「……お前、こういうのは恥ずかしくないのか?」
「割と恥ずかしいですね」
「だろうな。心音凄いぞ、お前」
ルート先輩が可笑しそうにクスクス笑う。さっきから笑いっぱなしで、ミーシャとしては心中複雑である。
「……ヤバイ。お前温くて寝そう」
「先輩はヒンヤリしてますね」
「お前よか体温低いんだよ。お前子供みたいに温かいから」
「そうですか?」
「うん」
ミーシャはルート先輩の背中を優しく擦った。ルート先輩は笑いながらその腕をやんわり握った。
「本当に寝そうだから、それは止めてくれ」
「はぁい」
ミーシャは背中に触れた手を下げ、臀部や太股に優しく触れた。ルート先輩も同じように触れてくれる。ルート先輩のヒンヤリとした手が心地よかった。
思いきってルート先輩のまだ反応していないソレに触れる。やわやわと揉むようにして触れると徐々に固くなってきた。
ルート先輩もミーシャの大きな胸に触れ、腹部、下腹部へと手を下ろしていく。
ルート先輩に促されるまま、ミーシャは体勢を仰向けに変えた。ルート先輩がミーシャの上に跨がって、その体勢でキスされる。ミーシャは素直に口を開けて、受け入れた。
耳を擽られながら唇を触れあわせる。時折戯れるように唇に優しく歯をたてられた。キスだけで色々いっぱいいっぱいなミーシャに、ルート先輩はクスクス笑いながら何度もキスをした。
頬を撫でられ、首筋にキスされた。
そのまま、ねっとり舐められる。ミーシャの大きな胸にルート先輩の手が触れた。やわやわと揉まれる。
「……意外と弾力あるもんだな」
「胸ですか?」
「うん。もっとふわふわ柔らかいのかと思ってた」
「こんなもんですよ」
「ふぅん」
ルート先輩の舌が乳首に触れた。
舐められ舌で転がされると、背筋がぞわぞわした。慣れない感じにどうしたらいいか分からなかった。
そのままルート先輩は体ごと下に移動し、脚を大きく開かせた間に陣取った。この体勢も2度目だが、恥ずかしくて堪らない。
ルート先輩がミーシャのソコを舐めた。
ビクッと震えるのを止められない。
「……先輩」
「ん?」
「ソコって舐めなきゃいけないんですか?」
「濡れてないと痛いらしいぞ」
「そうらしいですけどぉ……」
「嫌か?」
「……嫌というか……恥ずかしいです」
「なら続ける」
「マジっすかぁ」
宣言通り、再び舐め始められた。
ぞわぞわビクビクするのがとまらない。
ミーシャは変な声が出そうで、唇を噛んで我慢した。
ピチャピチャと音をたてて舐められ、ミーシャは声を堪えきれず、全身を震わせながら小さく喘いでイッた。
余韻を逃そうと深呼吸していると、ミーシャのソレで濡れた唇でキスされた。
初めて感じる味がした。
宥めるように何度も啄むようなキスをされながら、指を一本入れられた。
痛みはないが、異物感に中々慣れない。
その後もキスをされながら徐々に指を増やされた。外側の一番敏感なところを指で擦られて、中に入っている指をきゅっと締めた。
「ミーシャ」
「……はい」
「いれるぞ。力抜けるか?」
「……やってみます」
指より大きな質量がゆっくり入ってきた。痛みと異物感に目がチカチカする。
「……っすごい締まるな……大丈夫か?ミーシャ」
「……地味に痛いです。あと異物感がなんとも言えない……」
「慣れないうちはそうだろうな。なるだけ早く終わらせる」
「……はい」
ルート先輩動き始め、はぁ、と熱い溜め息を吐いて中で出すまで、ミーシャは動き回る異物感と痛みに耐えた。
「……抜くぞ」
「はい」
ルート先輩のソレがずるりと抜け出した。ようやく無くなった異物感にミーシャは溜め息を吐いた。
「大丈夫か?」
「なんとか。なんかジンジンします」
「慣れないうちは、あんまりよくないからなぁ」
「そのうち慣れますよ、多分」
「なんにせよ、できたな」
「できましたね」
ルート先輩は安心したように小さく笑って、ミーシャに触れるだけのキスをした。
ミーシャもルート先輩の首に手を回してキスに応えた。
「お風呂入ります?」
「だな」
動くと股の間から太股を伝ってルート先輩の精液が流れ出た。
「うわっ」
「!?どうした?」
「……中から垂れてきちゃいました」
なんとなく気まずい。
ルート先輩が裸のままチェストからタオルを持ってきてくれた。
礼を言って受けとると、ざっと拭き取って、2人で露天風呂へと移動した。
ざっと身体を洗うと、温泉に浸かった。
温泉に浸かりながら、湯船の中で手を繋いだ。
「子供できるかな?」
「こればっかりは授かり物ですからねぇ。出来てたら本当嬉しいんですけど」
「だなぁ」
2人で暫しまったりした後、湯船から上がり、身体を拭いて再び寝間着に着替えてベッドに入った。
ミーシャはルート先輩に腕枕をして抱き締めた。
「先輩」
「ん?」
「幸せにします」
「うん」
嬉しそうに笑うルート先輩にキスをして、ミーシャは幸せな眠りについた。
こじんまりとしているが、なんとも落ち着く雰囲気の家である。
「食料とか色々準備しといたから。新婚旅行代わりに、ここでゆっくり過ごしなさいな。3日後の昼間に迎えに来るから」
「ありがとうございます」
「ありがと、母様」
2人に手を振ると、マーサは元来た道を帰っていった。
それを見送って家の中へ2人で入った。
家の中は一部屋しかなく、そこにはミーシャも寝れるような大きなベッドとテーブル、2脚の椅子、小さめのチェストくらいしかなかった。
奥の方に炊事場があるようで、覗いてみると、調理用具等が一通り揃っているようだった。
「ミーシャ!」
「どうしました?」
「外に温泉がある」
「マジですか」
ルート先輩の所へ行くと、玄関以外にドアがひとつあり、そこを開けると露天風呂になっていた。
石を組んで作られた浴槽と、周囲にはご丁寧にタイル張りの洗い場まであった。
風呂の近くには桃の木が植えてあり、白い花が満開で、湯船にも花弁が浮いていた。
「露天風呂ってやつですね」
「凄いな」
「風情がありますねぇ。話には聞いたことありますけど、露天風呂なんて初めてです」
「俺もだ」
「一緒に入ります?」
「別にいいぞ」
断られるかと思ったが、あっさり承諾された。折角なので、ルート先輩の気が変わらないうちにミーシャはいそいそと服を脱いだ。
「隠す気0か」
すぱーんっと全裸になると、何故かルート先輩が呆れた顔をした。
「?前に一度見てるじゃないですか」
「いや、そうだが。前にも思ったが、お前の辞書に恥じらいって言葉載ってるか?」
「載ってますよ。一応」
「一応かよ」
「えーー……『キャー』とか言ってみた方がいいですか?」
「いや、いいよもう……」
何故か疲れたような顔をして、ルート先輩ももぞもぞ脱ぎ始めた。
「先輩。背中流しっこしましょうよ」
「おー」
気のない返事が返ってきた。
ルート先輩も全裸になると洗い場に2人並んで身体を洗った。
「先輩、後ろ向いてください」
「んー」
意外と素直に背中を向けてくれるルート先輩の背中を泡立てまくった洗いタオルで洗う。
「先輩。背中凝ってますね」
「あー、緊張してたからな」
「あ、肩も凝ってる」
「あー、そこ気持ちいい」
「ここですか?」
「んー」
洗いタオルを横に置いて、手で肩や背中を揉むと気持ち良さそうな、気の抜けた声がルート先輩からもれた。
ミーシャは楽しくなって首筋や頭も指圧した。
「お前、上手いな」
「子供の頃から、たまに母様達にやってたので」
「マーサ様にか?」
「あと、お爺ちゃんに。2人とも凝り性なので」
「へぇ。あ、もういいぞ」
「はい」
「後ろ向け」
「はぁい」
ルート先輩に背を向けると、洗いタオルで優しく擦ってくれた。力加減が優しくて、ちょっとくすぐったい。ミーシャは笑いを堪えた。
「ありがとうございます」
「おー」
2人してお湯で泡を流すと、露天風呂に浸かった。
あー、と気の抜けた声が自然と出た。
「気持ちいいですねぇ」
「だなぁ」
「景色見ながら外でお風呂ってのもいいもんですね」
「あぁ。桃の花も見事だしな」
「ですねぇ」
ミーシャは肩まで温泉に浸かると、お湯の中で伸びをした。
「あー……先輩。お腹空きませんか?」
「……お前もか」
「祝宴じゃ、あんまり食べられませんでしたし」
「まぁな。風呂から出たら何か食うか」
「ですね」
ぽつぽつ話ながら身体を温め、温泉から出た。身体と髪を拭いて用意されていた楽な服を着ると2人で炊事場に行った。
魔導冷蔵庫の中を見ると、材料とは別に温めたらすぐに食べられる料理がぎっしり詰まっていた。
「流石母様。用意いいなぁ」
「ありがたいな」
「直ぐに温めますね」
「あぁ。皿を出しとく」
「お願いします」
料理を幾つか取り出した。
魚のマリネ、芋のサラダ、ミネストローネ、野菜の煮物。デザートに林檎のケーキまであった。
ミネストローネと野菜の煮物を温めると他の料理と一緒にテーブルへと運んだ。
「先輩。デザートまでありました!」
「良かったな。あ、マリネもあるのか」
「はい。まだ他にもありましたけど、足りなくなったらでいいですか?」
「うん」
「あ、パンもあったんで持ってきます。飲み物はワインでいいですか?」
「あぁ」
パンとワインを持ってくると、早速食べ始める。味の沁みた魚が美味しく、ワインにも合う。
「やっぱマーサ様のマリネ旨いな」
「ですねぇ。自分じゃここまで美味しくできませんから。何が違うんでしょうね?」
「さぁ?レシピ通り作ってもこの味にはならないよな」
「年季の差ですかねぇ」
「かもな」
2人ともお腹を空かせていたので、黙々とあっという間に食べ終わった。
デザートの林檎のケーキまで食べ終わると、まったりした空気が流れた。
「なんかやっと落ち着いた気がします」
「だな」
「ワインもう一本開けます?」
「んー……とりあえず片付けてからにするかな」
「はぁい」
2人で使い終わった食器を運んで洗い、手早く片付けた。そのまま2人並んで歯磨きをする。
食器を片付ける最中にいいお茶の葉を発見したので、ワインより先にお茶を淹れることになった。
食器棚から茶器を取り出し、お湯を沸かす。お茶を淹れて飲むと、ほっとした。
「これ、やっぱいいお茶ですね」
「あぁ。旨いな。香りがいい」
「ですねぇ。母様が普段1人で飲むとは考えられませんから、私達へのお祝い仕様ですかね」
「かもしれないなぁ。でもマーサ様ならこういうの日常的に飲んでてもおかしくないだろ?」
「いや、うちの母様、酒以外の飲み物にこだわりとかないんですよ。ぶっちゃけ飲めればいい、みたいな感じなんです。だからお茶の淹れ方もかなり適当で微妙ですよ」
「そうなのか。料理上手だから、なんか意外だな」
「お茶だけなら他の家族の方が旨いですよ」
「へぇ。なら俺も覚えた方がいいか?」
「いや、先輩は十分お上手ですよ」
「そうか?」
「はい。それはそうと先輩」
「ん?」
「チェストの中に色っぽいフリフリのネグリジェがあったんですけど、着た方が良かったですか?」
「……今更じゃないか?」
「今更ですね」
「別に着なくていい。お前も落ち着かないだろう?」
「まぁ、ぶっちゃけ」
「お前、色気とは無縁だな」
「色気より食い気なのは確かです」
「だよなぁ」
ルート先輩が可笑しそうにクスクス笑った。
「お茶飲んだら寝るか?」
「はい」
飲み終わって茶器を片付けると2人でベッドに寝転んだ。
「ベッドでかいなぁ」
「私仕様なんで」
ルート先輩がまたクスクス笑い出した。
「で?」
「はい?」
「するか?」
「しますか」
「うん」
ルート先輩がミーシャに触れるだけのキスをした。ミーシャは顔が赤くなるのが自分でも分かった。
ルート先輩が軽く吹き出した。
「お前、裸見られるのは恥ずかしくないくせに何でこれで赤くなるんだ」
「何ででしょう?なんとなく照れくさいというか、恥ずかしいです」
「お前の恥ずかしいの基準が分からんな」
ルート先輩がクスクス笑い出した。
ミーシャはなんだか悔しくなって、自分からルート先輩にキスをした。
お互い啄むように何度もキスをした。ルート先輩に唇を舐められると、小さく口を開け、ルート先輩の舌を迎え入れた。舌を絡めあい、上顎や歯列を舐められる。こういうキスをするのは2度目だ。ルート先輩の舌についていけず、ミーシャはされるがままだった。
軽く息があがる頃に唇が離れていった。息を整えようとするミーシャの頭をルート先輩が優しく撫でた。
「大丈夫か?」
「多分?」
「そうか」
ルート先輩がまたクスクス笑い出した。
ミーシャはルート先輩の服に手をかけた。シャツを脱がそうとすると、素直に脱がされてくれた。
そのまま下着ごとズボンも脱がし、ルート先輩を全裸にする。
ミーシャももぞもぞと服を脱いで裸になった。
ミーシャはルート先輩のヒンヤリとした肌に触れた。そのまま華奢なルート先輩の裸体を抱き締めた。
「……お前、こういうのは恥ずかしくないのか?」
「割と恥ずかしいですね」
「だろうな。心音凄いぞ、お前」
ルート先輩が可笑しそうにクスクス笑う。さっきから笑いっぱなしで、ミーシャとしては心中複雑である。
「……ヤバイ。お前温くて寝そう」
「先輩はヒンヤリしてますね」
「お前よか体温低いんだよ。お前子供みたいに温かいから」
「そうですか?」
「うん」
ミーシャはルート先輩の背中を優しく擦った。ルート先輩は笑いながらその腕をやんわり握った。
「本当に寝そうだから、それは止めてくれ」
「はぁい」
ミーシャは背中に触れた手を下げ、臀部や太股に優しく触れた。ルート先輩も同じように触れてくれる。ルート先輩のヒンヤリとした手が心地よかった。
思いきってルート先輩のまだ反応していないソレに触れる。やわやわと揉むようにして触れると徐々に固くなってきた。
ルート先輩もミーシャの大きな胸に触れ、腹部、下腹部へと手を下ろしていく。
ルート先輩に促されるまま、ミーシャは体勢を仰向けに変えた。ルート先輩がミーシャの上に跨がって、その体勢でキスされる。ミーシャは素直に口を開けて、受け入れた。
耳を擽られながら唇を触れあわせる。時折戯れるように唇に優しく歯をたてられた。キスだけで色々いっぱいいっぱいなミーシャに、ルート先輩はクスクス笑いながら何度もキスをした。
頬を撫でられ、首筋にキスされた。
そのまま、ねっとり舐められる。ミーシャの大きな胸にルート先輩の手が触れた。やわやわと揉まれる。
「……意外と弾力あるもんだな」
「胸ですか?」
「うん。もっとふわふわ柔らかいのかと思ってた」
「こんなもんですよ」
「ふぅん」
ルート先輩の舌が乳首に触れた。
舐められ舌で転がされると、背筋がぞわぞわした。慣れない感じにどうしたらいいか分からなかった。
そのままルート先輩は体ごと下に移動し、脚を大きく開かせた間に陣取った。この体勢も2度目だが、恥ずかしくて堪らない。
ルート先輩がミーシャのソコを舐めた。
ビクッと震えるのを止められない。
「……先輩」
「ん?」
「ソコって舐めなきゃいけないんですか?」
「濡れてないと痛いらしいぞ」
「そうらしいですけどぉ……」
「嫌か?」
「……嫌というか……恥ずかしいです」
「なら続ける」
「マジっすかぁ」
宣言通り、再び舐め始められた。
ぞわぞわビクビクするのがとまらない。
ミーシャは変な声が出そうで、唇を噛んで我慢した。
ピチャピチャと音をたてて舐められ、ミーシャは声を堪えきれず、全身を震わせながら小さく喘いでイッた。
余韻を逃そうと深呼吸していると、ミーシャのソレで濡れた唇でキスされた。
初めて感じる味がした。
宥めるように何度も啄むようなキスをされながら、指を一本入れられた。
痛みはないが、異物感に中々慣れない。
その後もキスをされながら徐々に指を増やされた。外側の一番敏感なところを指で擦られて、中に入っている指をきゅっと締めた。
「ミーシャ」
「……はい」
「いれるぞ。力抜けるか?」
「……やってみます」
指より大きな質量がゆっくり入ってきた。痛みと異物感に目がチカチカする。
「……っすごい締まるな……大丈夫か?ミーシャ」
「……地味に痛いです。あと異物感がなんとも言えない……」
「慣れないうちはそうだろうな。なるだけ早く終わらせる」
「……はい」
ルート先輩動き始め、はぁ、と熱い溜め息を吐いて中で出すまで、ミーシャは動き回る異物感と痛みに耐えた。
「……抜くぞ」
「はい」
ルート先輩のソレがずるりと抜け出した。ようやく無くなった異物感にミーシャは溜め息を吐いた。
「大丈夫か?」
「なんとか。なんかジンジンします」
「慣れないうちは、あんまりよくないからなぁ」
「そのうち慣れますよ、多分」
「なんにせよ、できたな」
「できましたね」
ルート先輩は安心したように小さく笑って、ミーシャに触れるだけのキスをした。
ミーシャもルート先輩の首に手を回してキスに応えた。
「お風呂入ります?」
「だな」
動くと股の間から太股を伝ってルート先輩の精液が流れ出た。
「うわっ」
「!?どうした?」
「……中から垂れてきちゃいました」
なんとなく気まずい。
ルート先輩が裸のままチェストからタオルを持ってきてくれた。
礼を言って受けとると、ざっと拭き取って、2人で露天風呂へと移動した。
ざっと身体を洗うと、温泉に浸かった。
温泉に浸かりながら、湯船の中で手を繋いだ。
「子供できるかな?」
「こればっかりは授かり物ですからねぇ。出来てたら本当嬉しいんですけど」
「だなぁ」
2人で暫しまったりした後、湯船から上がり、身体を拭いて再び寝間着に着替えてベッドに入った。
ミーシャはルート先輩に腕枕をして抱き締めた。
「先輩」
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「幸せにします」
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嬉しそうに笑うルート先輩にキスをして、ミーシャは幸せな眠りについた。
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