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第二章 賀茂祭・流鏑馬神事
21.流鏑馬神事・1
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朝、あたしは早く目が覚めてしまった。
ああ…なんかドキドキする。
いつも通りにふるまわなくちゃ。
勘の良い女房さん達に気づかれないように。
いつも遅くまでぐーぐー寝ているあたしが起こされずにぱっと起きたので、式部さんは驚いたようだった。
しかしすぐに
「左近衛中将様のご活躍がお気になっていらっしゃいますのね。
大丈夫でございますよ、一番の射手になられますわ」
と可笑しそうに笑って言った。
あたしはエヘヘ、という感じで笑ってごまかした。
そう思っててくれるとありがたい。
朝食も緊張であまり進まなかった。
だけど頑張って胃に押し込む。
後で、お腹痛くならなきゃいいけど…外にはまともなトイレがない。
朝食が済むと、あたしは例の侍女さんを呼んで一緒にお屋敷の散歩をしてくれるように頼んだ。
大まかな事情をこっそりと知らせてある彼女は、緊張の面持ちで頷いた。
女房さんたちに声をかけ、あたしと侍女さんはお散歩に出発した。
今日は長い散歩になるに違いない。
伊靖君の部屋の前に、賢そうな顔の侍女さんがいて「こちらでございます」と小さく言って中へ案内してくれた。
侍女さんを伴って部屋へ入る。
現代・この時代含めて、男の人の部屋に入るのって初めてだ…
あたし、ひとりっ子だったし。
男友達も彼氏もいたことないし…
調度にあまり装飾がない、さっぱりした感じの部屋だった。
すぐに御帳台に入るように促される。
御帳台に入ると、もう旅支度を済ませた少輔さんがいて、微笑んでお辞儀した。
「おはよう存じます、姫様。
無事にお越しになれてようございました」
女のあたしでもキュンとするくらい、可愛い。
伊靖君はどうも思わないのかなあ?
この娘を普段見慣れてたら、どの女性も可愛くなく見えるんじゃないかしら。
少輔さんとあたしの侍女さん二人で手早く壺装束に着替えさせてくれる。
袿を腰のあたりで絞って裾を短くして、動き易くするらしい。
髪もぐっと結い上げて、短くする。
市女笠を被り、少輔さんと共に御帳台を出る。
おお、いつもに比べると動くのがずいぶんラク。
用意してきた女房さん達あての手紙を侍女さんに手渡す。
午三刻(正午)になったら、部屋に戻って式部さんか内侍さんに渡してもらうことにした。
杖を手渡され、あたしが少輔さんの侍女という設定なのに、少輔さんに気を遣われながら部屋を出て、外廊下の沓脱から草履を履いて庭へ降りた。
わお!
初めての外出っ!
「晴れてようございましたね。
でも、流鏑馬神事は混雑いたしますでしょうね…
お慣れでないのですから、くれぐれもご無理なさらぬように」
声に心配の色を滲ませて、少輔さんが言う。
いやいや~
満員電車とか、ディズニーランドの殺人的な混雑に慣れてるし。
大丈夫よっ!
しばらく歩くと大きな門が見えてきて、門番の衛士に誰何された。
「伊靖様付女房、少輔でございます。
宿下がりを願い出ております」
「お通りください」
という厳つい声と共に、門が開いてあたしと少輔さんは表通りに出た。
ああ…なんかドキドキする。
いつも通りにふるまわなくちゃ。
勘の良い女房さん達に気づかれないように。
いつも遅くまでぐーぐー寝ているあたしが起こされずにぱっと起きたので、式部さんは驚いたようだった。
しかしすぐに
「左近衛中将様のご活躍がお気になっていらっしゃいますのね。
大丈夫でございますよ、一番の射手になられますわ」
と可笑しそうに笑って言った。
あたしはエヘヘ、という感じで笑ってごまかした。
そう思っててくれるとありがたい。
朝食も緊張であまり進まなかった。
だけど頑張って胃に押し込む。
後で、お腹痛くならなきゃいいけど…外にはまともなトイレがない。
朝食が済むと、あたしは例の侍女さんを呼んで一緒にお屋敷の散歩をしてくれるように頼んだ。
大まかな事情をこっそりと知らせてある彼女は、緊張の面持ちで頷いた。
女房さんたちに声をかけ、あたしと侍女さんはお散歩に出発した。
今日は長い散歩になるに違いない。
伊靖君の部屋の前に、賢そうな顔の侍女さんがいて「こちらでございます」と小さく言って中へ案内してくれた。
侍女さんを伴って部屋へ入る。
現代・この時代含めて、男の人の部屋に入るのって初めてだ…
あたし、ひとりっ子だったし。
男友達も彼氏もいたことないし…
調度にあまり装飾がない、さっぱりした感じの部屋だった。
すぐに御帳台に入るように促される。
御帳台に入ると、もう旅支度を済ませた少輔さんがいて、微笑んでお辞儀した。
「おはよう存じます、姫様。
無事にお越しになれてようございました」
女のあたしでもキュンとするくらい、可愛い。
伊靖君はどうも思わないのかなあ?
この娘を普段見慣れてたら、どの女性も可愛くなく見えるんじゃないかしら。
少輔さんとあたしの侍女さん二人で手早く壺装束に着替えさせてくれる。
袿を腰のあたりで絞って裾を短くして、動き易くするらしい。
髪もぐっと結い上げて、短くする。
市女笠を被り、少輔さんと共に御帳台を出る。
おお、いつもに比べると動くのがずいぶんラク。
用意してきた女房さん達あての手紙を侍女さんに手渡す。
午三刻(正午)になったら、部屋に戻って式部さんか内侍さんに渡してもらうことにした。
杖を手渡され、あたしが少輔さんの侍女という設定なのに、少輔さんに気を遣われながら部屋を出て、外廊下の沓脱から草履を履いて庭へ降りた。
わお!
初めての外出っ!
「晴れてようございましたね。
でも、流鏑馬神事は混雑いたしますでしょうね…
お慣れでないのですから、くれぐれもご無理なさらぬように」
声に心配の色を滲ませて、少輔さんが言う。
いやいや~
満員電車とか、ディズニーランドの殺人的な混雑に慣れてるし。
大丈夫よっ!
しばらく歩くと大きな門が見えてきて、門番の衛士に誰何された。
「伊靖様付女房、少輔でございます。
宿下がりを願い出ております」
「お通りください」
という厳つい声と共に、門が開いてあたしと少輔さんは表通りに出た。
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