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第二章 賀茂祭・流鏑馬神事
22.流鏑馬神事・2
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大通りは、人が多くて、すごくにぎやかだった。
賀茂祭に向かう人の流れに乗って、ゆるゆると歩く。
いろんな格好の人がいる。面白い。
あたしは珍しくて周りを見回しながら歩いた。
「姫様、こちらでございます」
少輔さんが囁いて、細い路地へ入る角を曲がった。
少輔さんの後へついて行くと、路地の片側に裏口のある家があり、少輔さんはその中へ入っていった。
あたしも続く。
中は狭い庭のようになっていて、伊靖君が白馬の手綱を持って立っていた。
横にいつも見かける従者の斉矩さんと、朝、会った侍女さんが壺装束でいた。
「おはようございます、姉上
本当にいらっしゃいましたか」
さすがに緊張した様子で伊靖君はあたしを見た。
「今ならまだ引き返せます。
本当に、行かれるんですね?」
あたしは頷く。
今更何を…って感じだった。
「…判りました」
伊靖君は鐙に足をかけて白馬に飛び乗ると「斉矩!」と声をかけた。
斉矩さんは「伊都子姫様、こちらへ」と低い声で言い、あたしに手を差し伸べる。
あたしは、おずおずと斉矩さんの手につかまった。
と、腰の下に手をあてられ、ぐっと一気に持ち上げられた。
悲鳴を上げる間もなく、上から伊靖君があたしのわきの下に手を差し入れて、馬上に据えた。
「姉上、…ちょっと失礼しますよ」
と言って、あたしの身体をひねって正面を向かせる。
たかい…!
あたしは想像以上の高さに眩暈を起こしそうになる。
「姉上!左足を、白馬の左へ移動してください!」
伊靖君の声がする。
あたしはちょっと朦朧としながら、それでも必死に左足を動かして、馬の身体をまたいだ。
斉矩さんが手を伸ばして補助してくれる。
「…よし。
じゃあ、姉上、出発しますよ。
白馬が少し暴れても、驚いて落ちるようなことは、やめてくださいよ」
そんなこと言われてもっ!
怖いよ、しっかり支えててよ!
あたしは後ろからお腹の方へ腕を回して身体を支えてくれている、伊靖君の左腕をぎゅっとつかんだ。
「痛い!何をなさるんですか!
手を外すわけにはいかないんですよ、落ちたいんですか?」
違うわよ!
あたしは慌てて手の力を緩めた。
「伊靖様、伊都子姫様、くれぐれもご無理なさらぬように。
お気をつけてお帰りあそばせ」
少輔さんが市女笠を取り、あたしたちを見上げて心配そうに言った。
「うん。少輔にも迷惑かけたね。
行ってくるよ」
伊靖君は優しく声をかけた。
あら…こんな物言いもできるんじゃないの。
女性には意外と優しい奴??
「斉矩、行くぞ」
「はっ」
いつの間にか騎乗していた斉矩さんに声をかけると、手綱を操って白馬を歩かせ、裏口から出る。
大通りに出て、軽快に大勢の人の間を縫って走らせていった。
あたしは、結構上下に揺れる、如何にも生き物の動きをする馬の背が怖くて、景色を楽しむ余裕もなくただ固まったまま、連れられて行った。
賀茂祭に向かう人の流れに乗って、ゆるゆると歩く。
いろんな格好の人がいる。面白い。
あたしは珍しくて周りを見回しながら歩いた。
「姫様、こちらでございます」
少輔さんが囁いて、細い路地へ入る角を曲がった。
少輔さんの後へついて行くと、路地の片側に裏口のある家があり、少輔さんはその中へ入っていった。
あたしも続く。
中は狭い庭のようになっていて、伊靖君が白馬の手綱を持って立っていた。
横にいつも見かける従者の斉矩さんと、朝、会った侍女さんが壺装束でいた。
「おはようございます、姉上
本当にいらっしゃいましたか」
さすがに緊張した様子で伊靖君はあたしを見た。
「今ならまだ引き返せます。
本当に、行かれるんですね?」
あたしは頷く。
今更何を…って感じだった。
「…判りました」
伊靖君は鐙に足をかけて白馬に飛び乗ると「斉矩!」と声をかけた。
斉矩さんは「伊都子姫様、こちらへ」と低い声で言い、あたしに手を差し伸べる。
あたしは、おずおずと斉矩さんの手につかまった。
と、腰の下に手をあてられ、ぐっと一気に持ち上げられた。
悲鳴を上げる間もなく、上から伊靖君があたしのわきの下に手を差し入れて、馬上に据えた。
「姉上、…ちょっと失礼しますよ」
と言って、あたしの身体をひねって正面を向かせる。
たかい…!
あたしは想像以上の高さに眩暈を起こしそうになる。
「姉上!左足を、白馬の左へ移動してください!」
伊靖君の声がする。
あたしはちょっと朦朧としながら、それでも必死に左足を動かして、馬の身体をまたいだ。
斉矩さんが手を伸ばして補助してくれる。
「…よし。
じゃあ、姉上、出発しますよ。
白馬が少し暴れても、驚いて落ちるようなことは、やめてくださいよ」
そんなこと言われてもっ!
怖いよ、しっかり支えててよ!
あたしは後ろからお腹の方へ腕を回して身体を支えてくれている、伊靖君の左腕をぎゅっとつかんだ。
「痛い!何をなさるんですか!
手を外すわけにはいかないんですよ、落ちたいんですか?」
違うわよ!
あたしは慌てて手の力を緩めた。
「伊靖様、伊都子姫様、くれぐれもご無理なさらぬように。
お気をつけてお帰りあそばせ」
少輔さんが市女笠を取り、あたしたちを見上げて心配そうに言った。
「うん。少輔にも迷惑かけたね。
行ってくるよ」
伊靖君は優しく声をかけた。
あら…こんな物言いもできるんじゃないの。
女性には意外と優しい奴??
「斉矩、行くぞ」
「はっ」
いつの間にか騎乗していた斉矩さんに声をかけると、手綱を操って白馬を歩かせ、裏口から出る。
大通りに出て、軽快に大勢の人の間を縫って走らせていった。
あたしは、結構上下に揺れる、如何にも生き物の動きをする馬の背が怖くて、景色を楽しむ余裕もなくただ固まったまま、連れられて行った。
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