三日夜の餅はハイティーと共に

Dry_Socket

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第五章 四人きょうだい

23.ジェスチャー・ゲーム

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「月子姫、次の遊びとは?」
 東宮がワクワクしたように言う。
 
 あたしは二の姫の手を取って、東宮の隣に座らせる。
 東宮対策!
 あたしと二の姫の利害は一致してるから良いのさ、ふふふ。
 
 「皆様、こちらが舞台です。
 今から伊靖付きの女房の、少輔がいろんな身振り手振りをします。
 それを見て、何をしているかを当ててくださいね」

 いわゆる、ジェスチャー・ゲームね。
 少輔さんのものまねは、伊靖君が言うように才能だわ。

 「一番、正解の多かった方には、賞品がございます。
 頑張って当ててくださいね」

 じゃあ少輔、お願いと声をかける。
 進行は式部さんがやってくれることに決めてあった。

 あたしは答えを知っているので、元信様の隣に座って鑑賞する。
 元信様はあたしの手をぎゅっと握ってくれる。

 安心する。
 この手を離さないで…

 少輔さんは本当に表現豊かで面白くて、あたしたちは皆、大笑いしながらクイズを楽しんだ。

 一番正解したのは、意外なことに縫姫だった。
 冷静に物を見る癖があるように感じた。
 物事の本質を見抜く目。

 縫姫は恥ずかしそうに、賞品を受け取ってくれた。
 賞品は、あたしの作った石鹸。

 この時代、石鹸がないのでめちゃ辛かったから、椿油を手に入れてアルカリ成分として灰汁を混ぜて作ってみた。
 お香を足して、いい香りのやつができたんだよ~

 「すごい…月子姫の手作りの…何ですか?」
 皆が集まってきて、縫姫の手の中の石鹸を見る。

 「石鹸って言うの。油脂とアルカリを混ぜて作るのよ。
 身体の汚れを落としたり、殺菌作用もあるから、ぜひ使ってくださいね」

 「いい薫りですね!
 私もぜひ、いただきたい」
 右近衛大将様が言って、皆もあたしの顔を見る。
 
 「ではまた、何かの賞品に致しましょうね」
 あたしは笑った。
 そんなにいっぱい作ってられるか。

 「月子姫の創作は無限ですね…
 こんな人と一緒に暮らしたら、毎日がとても楽しいでしょうね。
 左近衛中将が羨ましいな」
 権中納言様が、珍しく声に感情を込めて言う。

 その場の空気が微妙に変わった。

 「…まだ、判らないぞ。
 左近衛中将と月子姫は結婚していないからな。
 主上も何か、画策しておられるみたいだし。
 私が、あまりに月子姫との楽しい時間を自慢してしまったので、しまったなと思っているんだが」
 東宮が不穏なことを言う。
 
 「私だってこのままでは置かないさ。
 そなた達もそうだろう?」
 意味ありげに右近衛大将様と義光を見る。

 なんか、嫌だ。
 あたしは直感的に思った。

 あたしの知らないところで、何かが動き出そうとしてる?

 そしてそれを、元信様は知っている?
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