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第六章 運命の歯車
8.権中納言様の訪れ
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それから何日かして、正式な招待状が楓間の更衣様から届いた。
でもあくまでもお友達というか、弟の婚約者が気軽に遊びに来る感じで構えないでくださいと、優しい手蹟《て》で書いてあった。
元信様が、あたしがあまり行きたくながってるのを伝えてくれたんだろう。
あーだけど、お歌を即興で作れとか言われたらどうしよう。
本物のお姫様の仕草とかを研究するつもりで行くか…
しかし、なかなか日程の調節がつかなかった。
平安貴族って、とにかく仏事やら陰陽道の忌日やらに縛られていて、勝手気ままに出歩けないのだ。
本当は。
だから、好きな時にふらりとやって来る東宮や義光は、それらを丸無視しているってことで…
ほんっと罰当たりな奴らだな。
結局、葉月の初めまで参内はお預けとなった。
まあ、それまでにお土産とかいろいろ考えて準備しよう。
秋の薫物合わせとやらもそろそろ近づいてくるし、そっちも考えないと。
あたしはレシピを見ながら皐月・水無月ごろから仕込んでおいた沈香などを調合してみる。
うーん。
やっぱり、お香って調合する人の個性っていうか感性が前面に出るんだな。
例えば、伊都子姫が元信様のために調合したお香を、あたしが再現しようとして同じ材料を同じ分量使っても微妙に違う薫りになってしまう。
元信様は「この新しい香りの方が、私は好きですよ」と言って使ってくれるけど、本当かどうかは判らない。
主上は伊都子姫の作る薫りの癖などを知っていると思うから、バレないか心配。
まあいざとなれば、御仏を持ち出して乗り切ろう。
東宮は相変わらず文を寄越して(本当は押しかけたいみたいだけど、さすがに理由がない)、差し迫った第二回幾望会の内容について細々と相談してくる。
四則演算をやりましょうと書いたら、それはOKだった。
権中納言は連れていく必要があるかと訊かれたので、別に要らないと返事をしたら、権中納言様から文が来て『殿下から、次の幾望会に私は必要ないと月子姫がおっしゃっていると聞き、大変衝撃を受けております』と泣きが入った。
めんどくっさいな~
何故こう、みんな女々しいのだ…
あたしは『東宮様から人数は絞りたい、前回とはなるべく違う人選にしたいというご希望があったので従っただけです』と返事した。
素っ気なかったかな…と思っていたら『今日、伺います』という文が来て、有無を言わさず来てしまった。
何で東宮とその仲間たちは、待てしばしが無いのか。
あたしは呆れてしまった。
でもあくまでもお友達というか、弟の婚約者が気軽に遊びに来る感じで構えないでくださいと、優しい手蹟《て》で書いてあった。
元信様が、あたしがあまり行きたくながってるのを伝えてくれたんだろう。
あーだけど、お歌を即興で作れとか言われたらどうしよう。
本物のお姫様の仕草とかを研究するつもりで行くか…
しかし、なかなか日程の調節がつかなかった。
平安貴族って、とにかく仏事やら陰陽道の忌日やらに縛られていて、勝手気ままに出歩けないのだ。
本当は。
だから、好きな時にふらりとやって来る東宮や義光は、それらを丸無視しているってことで…
ほんっと罰当たりな奴らだな。
結局、葉月の初めまで参内はお預けとなった。
まあ、それまでにお土産とかいろいろ考えて準備しよう。
秋の薫物合わせとやらもそろそろ近づいてくるし、そっちも考えないと。
あたしはレシピを見ながら皐月・水無月ごろから仕込んでおいた沈香などを調合してみる。
うーん。
やっぱり、お香って調合する人の個性っていうか感性が前面に出るんだな。
例えば、伊都子姫が元信様のために調合したお香を、あたしが再現しようとして同じ材料を同じ分量使っても微妙に違う薫りになってしまう。
元信様は「この新しい香りの方が、私は好きですよ」と言って使ってくれるけど、本当かどうかは判らない。
主上は伊都子姫の作る薫りの癖などを知っていると思うから、バレないか心配。
まあいざとなれば、御仏を持ち出して乗り切ろう。
東宮は相変わらず文を寄越して(本当は押しかけたいみたいだけど、さすがに理由がない)、差し迫った第二回幾望会の内容について細々と相談してくる。
四則演算をやりましょうと書いたら、それはOKだった。
権中納言は連れていく必要があるかと訊かれたので、別に要らないと返事をしたら、権中納言様から文が来て『殿下から、次の幾望会に私は必要ないと月子姫がおっしゃっていると聞き、大変衝撃を受けております』と泣きが入った。
めんどくっさいな~
何故こう、みんな女々しいのだ…
あたしは『東宮様から人数は絞りたい、前回とはなるべく違う人選にしたいというご希望があったので従っただけです』と返事した。
素っ気なかったかな…と思っていたら『今日、伺います』という文が来て、有無を言わさず来てしまった。
何で東宮とその仲間たちは、待てしばしが無いのか。
あたしは呆れてしまった。
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