三日夜の餅はハイティーと共に

Dry_Socket

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第七章 宮中

21.無実証明のお祝い会

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 あたしが部屋に帰り、御帳台に押し込まれるや否や、訪いがあり次々に公達が入ってくる。
 御帳台の中であちこちから伸びてくる手に大急ぎで袿を着替えさせられ、化粧をやり直される。

 こ…ころすきか…
 あたしはバタバタと頬にはたかれた白粉が、気管に入ってせる。

 「月子姫、お加減がお悪いのですか?!」
 御帳台の外がざわざわとどよめく。

 って…えっ!
 いったい何人来てるのよ?!

 扇子をしっかり手に握らされ、御帳台の御簾が巻き上げられた。
 あたしは扇子を広げて顔を隠し、骨の透かし彫りの間から部屋の中をそっと見る。

 うっ…わ!
 何?
 この人数…どうなってんのよ!

 いつもは使っていない一隅まで家具が移動され、薄縁の上に座布団が置いてある。
 数えてみると、男ばっかし11人!

 やだーっ
 そんなにいっぺんに!
 書き分けできないし、書ききれないよーっ(by内侍&謎の声)

 「皆様…どうなさいましたの」
 あたしは思わず問う。

 「今日は、月子姫の無実が証明されたお祝いですよ!
 文に何度もそう書いたでしょう」
 東宮があたしの傍まで来て、腰を下ろしながら言う。

 ああ…文…
 まったく読んでなかったよ。

 「昨日の捜査に関わった者が、主上を除く全員でお祝いに伺いますと、私も書きましたよ」
 「中宮や女御、更衣達からもお礼の品をお届けしてくださいと頼まれたので、たくさんのご下賜の品をお持ちしますよ、と私も書きました」

 右近衛大将様と権中納言様も笑いながら言う。
 えーいうるさい。
 知らないったら知らないんだよ!

 「昨日は、ありがとうございました。
 皆様のご尽力で、わたくしの無実が証明されて…
 皆様には感謝してもしきれませんわ」
 あたしは扇子を畳み、両手をついて頭を下げる。

 あの分刻みのタイムテーブル、皆の執念を感じるような筆致だった。
 あたしを皆で、一致団結して助けてくれたんだ…。

 「今日、宮中でも、右大臣殿が涙ながらにお礼をおっしゃってくださいました。
 私たちもついほろりとなるような、感謝のお言葉を賜りましたよ」
 兵部卿様が穏やかに微笑みながら言う。

 あらまあ…お殿様も、父親らしいところがあるんじゃないの。
 昨夜もいろいろと話したけど、伊都子姫を大事に思ってることはよく判った。

 「姫は…お加減はいかがですか。
 昨日は丸1日、お元気がなかったようですが…」
 元信様が心配そうにあたしを見上げている。

 うう…元信様の傍に行きたい。
 抱きしめて欲しいよう。

 「昨日はちょっと、疲れて居りましたの。
 今日はもうこの通り、元気になりましたわ」
 あたしは頑張って笑ってみせる。

 「無理もないですよ、あんなことがあったのだから。
 月子姫はおひとりで、後宮の女人たちの命をお救い遊ばしたのに、中宮の毒殺など…
 全く考えられない」
 左衛門督様が、いやはや、というように頭を振る。

 その時、料理長が「失礼いたします」と入ってきた。
 「姫様、わたくしから皆様にお礼を申し上げて宜しいでしょうか」
 と言うので、あたしは「良いわよ、どうぞ」と頷いた。
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