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第九章 二度目の死と伊都子姫
24.今夜
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伊靖君が、あたしがとても疲れていると進言してくれて、皆は下がった。
北の方様も
「ゆっくり休んで、しっかり病を治して。
典薬の頭殿からお薬湯の調合割合を教えていただいているから、後でお薬湯を届けさせますね」
と言って北対屋へ戻っていった。
褥を準備してもらい、あたしは横になる。
元信様が傍について、手を握ってくれた。
「朝、早くからお疲れ様でした。
私はこれから、宮中に戻って、主上と兄、左衛門督殿などと協議します」
「東宮様はどうなるの…」
あたしは心配で元信様に尋ねる。
元信様は微笑んで「主上を始め私たちは勿論、ご本人も頑張って居られます。できるだけ月子姫の傍にいるのだとおっしゃって」と曖昧に濁す。
やっぱり、状況は良くないのかな…
あたしは
「お会いする機会があったら『頑張ってください』と月子が申しておりましたと。
お伝え下さいますか」
と言った。
元信様は「承知しました。お喜びになりますよ」と笑ってあたしの額にキスした。
そして、ちょっと言い淀み「あ、あの…」と急にしどろもどろになる。
「何ですの?」
あたしが訝しく思って訊くと、あたしの手を握っている両手にぎゅっと力を入れ、自分の額に当てて一気に言った。
「今晩、貴女を、いただきに来ても宜しいですか」
え…
あたしは一瞬、考えて、ぱっと赤くなった。
それって、その、そういう、ことだよね。
あたしは真っ赤になるのが判って恥ずかしかったけど、元信様もそうだったので、一生懸命立て直し、笑って「はい」と頷いた。
元信様はほっとしたように、そしてすごく嬉しそうに「良かった…」と呟き、あたしの唇に口づけた。
「愛しい姫…では、今夜」
元信様は囁いて、部屋を出て行った。
あたしは眠ろうと思ったけど、なんか昂ってしまって、疲れているのに眠れなかった。
ついに、今夜…
と、こ、ろ、が。
この夜、元信様はあたしの部屋に来るどころか、宮殿から出てくることすらできなかった。
もう!どーなってんのよ!ホントにっ!
すれ違いだらけの昼ドラじゃあるまいし、いい加減にしてほしいわ。
北の方様も
「ゆっくり休んで、しっかり病を治して。
典薬の頭殿からお薬湯の調合割合を教えていただいているから、後でお薬湯を届けさせますね」
と言って北対屋へ戻っていった。
褥を準備してもらい、あたしは横になる。
元信様が傍について、手を握ってくれた。
「朝、早くからお疲れ様でした。
私はこれから、宮中に戻って、主上と兄、左衛門督殿などと協議します」
「東宮様はどうなるの…」
あたしは心配で元信様に尋ねる。
元信様は微笑んで「主上を始め私たちは勿論、ご本人も頑張って居られます。できるだけ月子姫の傍にいるのだとおっしゃって」と曖昧に濁す。
やっぱり、状況は良くないのかな…
あたしは
「お会いする機会があったら『頑張ってください』と月子が申しておりましたと。
お伝え下さいますか」
と言った。
元信様は「承知しました。お喜びになりますよ」と笑ってあたしの額にキスした。
そして、ちょっと言い淀み「あ、あの…」と急にしどろもどろになる。
「何ですの?」
あたしが訝しく思って訊くと、あたしの手を握っている両手にぎゅっと力を入れ、自分の額に当てて一気に言った。
「今晩、貴女を、いただきに来ても宜しいですか」
え…
あたしは一瞬、考えて、ぱっと赤くなった。
それって、その、そういう、ことだよね。
あたしは真っ赤になるのが判って恥ずかしかったけど、元信様もそうだったので、一生懸命立て直し、笑って「はい」と頷いた。
元信様はほっとしたように、そしてすごく嬉しそうに「良かった…」と呟き、あたしの唇に口づけた。
「愛しい姫…では、今夜」
元信様は囁いて、部屋を出て行った。
あたしは眠ろうと思ったけど、なんか昂ってしまって、疲れているのに眠れなかった。
ついに、今夜…
と、こ、ろ、が。
この夜、元信様はあたしの部屋に来るどころか、宮殿から出てくることすらできなかった。
もう!どーなってんのよ!ホントにっ!
すれ違いだらけの昼ドラじゃあるまいし、いい加減にしてほしいわ。
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