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第十一章 露顕と三日夜の餅
16.貴族の北の方とは。
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広い庭にずらっと臼が6基並べられ、肩肌脱ぎの男の人たちがたくさん集まって楽しそうに話している。
男の人たちは、公達ではなく所謂《いわゆる》労働者階級の人たちのようだ。
筋骨隆々として、真っ黒に日焼けしている。
「姫!どこですか!」
部屋の中で元信様が大きな声で呼ばわっている。
「ここ!」
あたしが部屋の方を向いて大声で答えると、庭にいた男の人たちが一斉にこちらを向いて、どよめく。
「こら、姫!
ダメでしょう、こんなところからお顔を出したりなさっては!」
元信様は慌てたようにあたしを抱きあげて部屋の中に連れ込む。
「庭がすごい騒がしいから、何事かと思って見ただけなの!」
あたしが抗議すると、元信様は呆気にとられたようにあたしを見て、それからはーっとため息をついた。
「お話しておかなかった、私が悪かったですね…
今日は屋敷内のお散歩も控えて頂きたかったのですが」
「厨に行ったわ。侍女の小町が忙しいって言うから一人で。
北の対屋が、市が立つのかと思うほど混雑してたけど…」
あたしは情景を思い出しながら話す。
「でも、姫の閨での表情は私しか知らない。
とても色っぽくて、興奮する…」
赤くなってうつむくあたしをぎゅっと抱きしめる。
「ああ…夜まで我慢できない…」
囁いて、あたしの首筋にキスしながらそっと横たえる。
ちょ、ここでは…
表にはそれこそ大勢の人たちがいるんだし!
あたしが抵抗しようとすると、肩を押さえつけて袿をはだける。
腰の裳の紐に手をかけたところで、内侍さんが「姫様!お殿様がお帰りあそばしてお探しでございます」と言いながら入ってきた。
そして部屋の真ん中にいるあたしたちを見て、「あっ!…失礼いたしました…」と急いで踵を返す。
ちょっと待て!助けて!
「内侍!いいから」元信様が慌てたように起き上がる。
「姫の着物を、その、直して差し上げて…
私は庭に出ています。
釣殿へ姫をお連れしますから、そこで餅つきを見物なさってください」
そう言うと、逃げるように部屋を出ていった。
男の人たちは、公達ではなく所謂《いわゆる》労働者階級の人たちのようだ。
筋骨隆々として、真っ黒に日焼けしている。
「姫!どこですか!」
部屋の中で元信様が大きな声で呼ばわっている。
「ここ!」
あたしが部屋の方を向いて大声で答えると、庭にいた男の人たちが一斉にこちらを向いて、どよめく。
「こら、姫!
ダメでしょう、こんなところからお顔を出したりなさっては!」
元信様は慌てたようにあたしを抱きあげて部屋の中に連れ込む。
「庭がすごい騒がしいから、何事かと思って見ただけなの!」
あたしが抗議すると、元信様は呆気にとられたようにあたしを見て、それからはーっとため息をついた。
「お話しておかなかった、私が悪かったですね…
今日は屋敷内のお散歩も控えて頂きたかったのですが」
「厨に行ったわ。侍女の小町が忙しいって言うから一人で。
北の対屋が、市が立つのかと思うほど混雑してたけど…」
あたしは情景を思い出しながら話す。
「でも、姫の閨での表情は私しか知らない。
とても色っぽくて、興奮する…」
赤くなってうつむくあたしをぎゅっと抱きしめる。
「ああ…夜まで我慢できない…」
囁いて、あたしの首筋にキスしながらそっと横たえる。
ちょ、ここでは…
表にはそれこそ大勢の人たちがいるんだし!
あたしが抵抗しようとすると、肩を押さえつけて袿をはだける。
腰の裳の紐に手をかけたところで、内侍さんが「姫様!お殿様がお帰りあそばしてお探しでございます」と言いながら入ってきた。
そして部屋の真ん中にいるあたしたちを見て、「あっ!…失礼いたしました…」と急いで踵を返す。
ちょっと待て!助けて!
「内侍!いいから」元信様が慌てたように起き上がる。
「姫の着物を、その、直して差し上げて…
私は庭に出ています。
釣殿へ姫をお連れしますから、そこで餅つきを見物なさってください」
そう言うと、逃げるように部屋を出ていった。
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