異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

第369話 イールス暗躍？

数日後、クリストファーがイールスを訪ねてくる
「クリストファー様、本日も凛々しいお姿を拝見できて嬉しく思います」
イールスが丁寧に挨拶をしている
「イールス様、この前の賊ですが、聴取の結果ラゼムリスガウン商会が仕掛けたと判明しました。 これだけでは取り潰しは難しく、御相談に参りました」
クリストファーが詳しく説明している
「国王陛下にも伝えましたが、賠償金金貨１００００枚で良いです。 即刻徴収してください」
イールスが微笑みながら言う
「商会長にその様に伝えますが、前の賊は死体で発見されました」
「男爵家始末してくれたかな？」
「男爵家の取り潰しはかなり難しい状況のままです」
クリストファーが詳しく説明している
「永遠に借金漬けだから、ジエルに任せて良いと思います。 あれ、この書類見せてなかったかな？」
イールスが紙の束をテーブルに置くと、クリストファーが読み始めて、頭を押さえている
（男爵の犯罪の記録… 証拠も… それも領地内の密輸の証拠まで… 最初から終わってないか？）
「これなら何時でも潰せます」
クリストファーが苦笑いしている
「こっちも面白い事が書いてあったな…」
イールスが別の紙の束を置いて、クリストファーが読んでいる
「男爵家の頼れる家を先に潰せと… 終わっている」
クリストファーが頭を押さえながら読んでいる
「何も言いませんが、不正は正してください」
イールスが笑顔で言う
「これだけの証拠が有れば、問題なく取り潰します。 すぐに商会の方の賠償金徴収に向かわせてもらいます」
クリストファーが部屋を出て帰っていく

これで色々後始末は終わりかな？ 次は何をしようかな？ 後始末も終わったからゆっくり王立学院に通い楽しもう… 

翌日、イールスは王城に向かい、案内で部屋に通される
「国王陛下、本日もお姿を拝見出来て本当に光栄に思います。 王妃様、お美しいお姿を拝見出来て光栄に思います」
イールスが丁寧に挨拶をしている
「イールス、商会の件はクリストファーから報告は受けているが、商会は取り潰し、財産はイールスへの賠償金代わりとする」
国王が笑顔で言う
「え！ そのような事をして良いのですか？」
イールスが驚いたように叫ぶ
「反逆罪の適用てある！！ 文句は言わさん！ 既に商会の悪い噂に貴族達は後ろ盾をしない！ それもイールスを暗殺しようとしたと伝えたら、取り潰しの決定に文句１つでないが、賛同は全員一致… 問題は無い」
国王が笑顔で説明している
「悪い噂… ホーネットやり過ぎ」
イールスが呟く
「イールス、アース大公家の事は知っているか？」
「大公家ですか？ 後継ぎがいないと聞いております」
「その調査でダンジョンコアが必要だ！譲ってくれないか？」
「この中ら選んでください」
イールスが魔法の鞄からダンジョンコアを並べている
「大きいのは必要ないが、こっちを」
国王がダンジョンコアを見て言う
「献上します」
イールスが笑顔で言う
「え！本当にか？金貨１０００枚の予定だが」
「それよりも子供達の為に投資してください」
イールスが笑顔で国王を見ている
「国庫が空の為、非常に有り難いが… イールス早く宰相になってほしい」
「下賤な身の未熟者の半人前ですから、領地など必要ありません、冒険者になって旅に出ますのて辞退致します」
「帰ってきたら領地を受け取ってくれ！ 用意はしておく」
国王が笑顔で言う
「領地は必要ないです。 何故領地を受け取らせたいのですか？ 領地運営なんて下賤な身の未熟者の半人前が出来ないと解らないのですか？ 領民が可哀想です」
イールスが頭を下げていうと、国王と王妃が顔を見合わせて笑っている
（国を建て直す為に影でどのぐらいの事をしているのか？ 領地運営よりも国を簡単に運営しているのを… 国を滅ぼすのも国を救うのもイールス次第と分かってないのか？）

数ヶ月、イールスは王立学院に通いながら、魔法研究院でポーション作りや魔導具作成や迷宮探索をする日々を過ごしている
「イールス様、手紙が届いております」
ルセトが手紙の束を持ってくる
「ルセトありがとう… 誰かな？」
イールスが手紙を開けて読み始めている

義勇兵達か… 大迷宮都市の町の住む宿屋の用意をしてくれたのか… あれ？ 用意と言うより、宿屋を買収して準備してくれたのか… 街道の盗賊も一掃してくれたなら、旅も楽になるのかな？ これは薬草の種と薬草についての書物かな？ フィーネリーゼ様に渡そう… 東の帝国が侵略戦争を始めているのか… 近付かない様にしないと… ん？ 中級ポーションの価値が倍に上がっている？ 誰の所為だろう？ 義勇兵達がネットワーク作ってくれているなら良いかな… アリシナ様も何気に魔法も料理も上手くなっているし… 安心して旅に出掛けられそうだな

イールスは王立学院の卒業式に参加して、多くの卒業生と共に卒業を祝い、多くの学生がイールスを王立学院の門まで見送る
「イールス様、いつかイールス様に恩を返します。 イールス様が旅から帰るその日までにこの国を再建を終わらせます」
１人の学生が呟くと、他の学生が微笑みながら見てから、イールス達の後ろ姿を決意をしたように見ている
（英雄となったイールス様の為に何でもします。 奨学金の返済も… 返済が終わっても援助するようにします… イールス様のお陰で卒業でき仕官も叶いました… イールス様に忠誠を捧げます）