異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇

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第103話 ビーレルバウムの調査 中編

護衛の兵士達がタイガーを運ぶ準備をしていると、薬師と研究者達が周囲を調べて、薬草の採取をしている
「そろそろ1度戻りましょう」
研究者が笑顔で言うと、薬師が不満そうにイールスを見ている
「日の高さからしたら、1度帰りましょう…兵士さんの荷物からしたら、村に到着が日暮れになります」
イールスが考えながら言うと、ローレルベウムが頷いている

村に戻ると、兵士と村人でタイガーと解体を始めている
「イールス殿、相談が有ります」
研究者が呼びにきて説明をしてから、イールスが話し合いに向かう
「イールス殿、本日の成果は中々でしたが…群生とは言えないと思いますが、研究としては良いと思います」
研究者が笑顔で言う
「研究なら良いが、貴重な薬草は見付かってない」
薬師が残念そうに言う
「貴重な薬草は、そう簡単に見付かりません! そもそも季節が違います」
研究者が薬師を睨んでいる
「残念だ!! 無駄な時間だった…普通の薬草採取なんて何処でも出来る…」
「知識が足りないな! 季節と分布も知らないとは…何のために来たのか?」
「知識が足りないだと!! 貴重な薬草が手に入らないなら、帰らせて貰う」
薬師が研究者を睨んでいる
「研究もしたくないなら、早く帰った方が良いぞ! 一つ一つ積み上げて、長い研究になるからな」
研究者が笑いながら言う
「イールス殿、我らは先に王都に帰らさせて貰うぞ」
薬師が大声で言うと、薬師が部屋を出ていきもう1人の薬師が慌てた様についていき、イールスが見送っている
「帰れるのかな? この探索に自ら参加したのに…簡単に群生地を見付けられるなら、研究なんて必要ないのに…貴重な薬草だけが目的なのかな?」
イールスが考えている
「研究等する気も無いでしょう…伯爵家の群生地の件も奴らが調査させろとか、薬師の管理下にするとか、言い出した様ですが、王太子殿下が伯爵家と研究院で研究を進める様に、国王陛下に進言してくれたので、薬師は手が出せなかったと聞いています。今回群生地を見付けられたら、奪う気だったと思います」
研究者が苦笑いしながら説明している
「権力争い? やっぱり早く冒険者になりたい」
イールスが苦笑いしながら言うと、研究者達が顔を見合わせて笑っている
(気付いてないのか? 目的はイールス殿です!! 群生地に手を出すには、イールス殿を管理下にする必要も有るから、送り込まれただけでも、本当に山に入って、調べるだけなんて思って無かったのか?)

5日間山を歩き回り、次の村に向かう事にする
「イールス様、本当に山を歩き回るだけとは」
ローレルベウムが苦笑いしている
「探索ですから、山の状態も解りました。 魔物を駆除して、山の手入れすれば、山菜や木の実も結構取れると思います」
イールスが笑顔で地図を見せながら説明している
「これで、男爵家の財政難を建て直せるのですか?」
ローレルベウムが考えながら言う
「説明します。 この薬草とこの薬草は、中級魔法薬作成に必要です。 小川で見付けた、この薬草は、群生と言って良いと思いますが、熱等の特効薬ですので、もし疫病が発生したら必ず必要です。 群生地を保護して人が近付かない様にする必要も有ります。 傷薬等の薬草も結構取れますので、管理次第で今後、年に金貨数十枚になるでしょう」
研究者が笑顔で説明をしている
「山菜や木の実も結構取れますから、市場で売れば、収入になります」
イールスが笑顔で地図を見ている
「え! 金貨数十枚!! こんな事で?」
ローレルベウムが驚いている
「山の管理と魔物退治が必要ですが、全体を見て回ってから相談します」
イールスが笑顔でローレルベウムを見ている
「管理にも費用が掛かりますが…利益になるのでしょうか?」
「ならないですね! 村人達の様な生活なら余裕ですが、貴族の生活なら破綻します」
「やっぱり…それならしなくても良いのでは?」
ローレルベウムが考えながらイールスを見ている
「逆に管理しなかったら、魔物も増えて、畑に被害が出ます。討伐に軍を出すなら、損失が大きくなります。 未然に防ぎ、畑への被害を防ぐ効果も有ります」
「え! それは…畑が広がれば…領地の利益に…もしかしてそれが目的ですか?」
ローレルベウムが苦笑いしながらイールスを見ている
「1つの事で利益勘定するより、全体を見て利益を出す方を選べば、良い領地になります。村人が増えれば、税も上がりますからね」
イールスが笑顔で説明をしていると、ローレルベウムが考え込んでいる
(薬草の群生地調査と言いつつ、魔物討伐をしていたのは…村人の為…領地の安全の為なら任務として申し分は無いが…この者何者だ!! 只の研究者や護衛と違う! シリカローレン様より護衛を任されたが…相当な達人と思う…もしかして、レズムード伯爵家の家臣か?)

その後も数ヵ所の村を回りながら調査を進めていき、最後の村が見えてくる。兵士が村人に調査をする事を伝えると、村人が大喜びしている。ローレルベウムが戻ってくる
「この村にロックベアが出没しているそうです。冒険者も返り討ちになっているそうです」
ローレルベウムが苦笑いしながら説明している
「ロックベアか…大物が現れているなら、討伐もしないとな…案内を頼める人は居ないのですか?」
「探してきます」
ローレルベウムが頭を下げながら言うと、村人に聞きに向かっている
「ロックベアですか…魔剣で無いと太刀打ちは出来ないです」
護衛がイールスを見て言う
「半人前だから気を引き締めて対応しないと!」
イールスが笑顔で言うと、護衛が苦笑いしている
(半人前で無いですから! 王家でも指折りの剣士です。イールス様が認めてないだけです…そろそろ強いと自覚をして欲しい)
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