異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇

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第115話 イールス王都へ 前編

一人の男が外套を着て人気の無い道を歩いている。後ろから馬車と騎士達が通り、しばらくすると馬車が止まる
「こんな所で何をしている? イールス」
馬車から降りた男が笑顔で外套を着て歩いてくる男を見ている。騎士達が警戒するように歩いてくる男を睨んでいる

「ブライトル様、お元気なお姿を拝見できて光栄に思います」
イールスが丁寧に挨拶をすると、騎士達が少し驚いた様に見ている
「こんな姿でどうしたのか?」
ブライドルがイールスの外套姿を心配そうに見ている
「少し事情が有りまして…王都まで帰っている最中です」
「大丈夫か? 王都まで送ろう! 乗ってくれ」
ブライドルが笑顔で馬車に乗るように勧めている。執事や騎士達がブライドルを止めようとしている
「ブライドル様、今の状況巻き込み兼ねない状況です…ご迷惑になりかねません」
考えながら頭を下げている
「巻き込む? 遠慮は要らないぞ!! 友を見捨てる事は出来ないぞ! ここで乗せなかったら、クレーシアとアリシナから責められそうだ!! セーレンやシンシリアも相当怒りそうだからな!!」
ブライドルが心配そうにイールスを見ている
「実は…とある人に命を狙われて…何とか生きていますが…この通り」
イールスが外套を脱いで、脇腹に付いた血の痕と斬れた服を見せている。騎士や執事が驚いた様に見ている
「イールス!! 大丈夫なのか!! その出血痕…そんな状態で歩いて大丈夫なのか!!」
ブライドルが慌てた様にイールスに近付く
「治療はしましたから…面倒事ですから…巻き込みたく無いと思ってます」
「イールス! 早く乗れ!! 誰にも文句は言わせない! この事はセルメリア侯爵家ブライドルとして必ず証言すると約束する」
イールスが馬車に乗ると、執事が食べ物と飲み物を用意している

馬車に乗り王都へ向かって進んでいる。通りすぎる2人の男をイールスが見た瞬間は、驚いた様な顔になる
「イールスどうしたのか?」
ブライドルがイールスの様子を見て心配そうにしている
「ブライドル様、申し訳ありませんが…馬を貸して下さい! 今の男達…捕らえる必要が有ります」
イールスが考えてから言う
「あの男達が犯人か? すぐに捕らえさせる」
「証拠を確実にしたいです! 追い掛けてあの場所で逆上させないと…お願いします」
イールスが考えながら言うと、ブライドルが馬車を停めて、騎士に指示をして、イールスは馬に乗り、騎士2人と共に男達を追い掛けていく

男達は脇道に入り、小屋に到着すると、住民が居ないか調べてから、川の畔を堀始めている
「何故だ!! 遺体が無い!! 嘘だったのか!!」
男達が慌てている
「奴を探せ!! 始末するだけでは済まないぞ!! どこに行ったか吐かせないと!!」
「くそーーーー! 何故だ! こんな事がバレたら大変な事になるぞ!!」
男達が慌てて周囲を調べようとする

男達が周囲を探し始めると、一人の男が笑顔で近付いて来るのを見て、男達が警戒しながら、剣に手を掛けている
「誰を探しているのですか? 遺体が無かったですか?」
「何者だ!!」
男達が男を睨みながら徐々に間合いを詰めている
「誰の命令でここに来たのかな? 」
男達が間合いを詰め、剣を振り抜き、イールスが剣をかわしながら飛び退く
「アールストリア公爵家の兵士に無礼許されないと思え!! 死ねーーーー」
男が怒鳴り、イールスに向けて突進してくると、イールスは迫る剣をかわしながら男の顔面を殴り、腹めがけて蹴り飛ばして男は地面に転がる
「貴様!! 何者だ!!」
男が驚き叫ぶ
「その墓に入る予定だった人です」
イールスが笑顔で言うと、男が驚いた様な表情をする。茂みから2人の騎士が苦笑いしている
(強いが…アールストリア公爵家と言ったな…あの者は公爵家に狙われているのか? それも…墓に入る予定と自分で言うか?…)
「探す手間が省けたぞ!! 死ね!!」
男が怒鳴り、剣を振りながらイールスに接近して、イールスがかわしながら男に足払いして、転ばせ、剣を踏みつけてから、男の顔面を蹴り飛ばす

気絶した男達を騎士がロープで縛り、騎士が困惑したようにイールスを見ている
「公爵家の兵士で間違いは無いですが…事情を聞かせて欲しい」
騎士達が苦笑いしている
「お伝えるよりも…この男達に話して貰いましょう…真実のみ記録をして貰えますか?」
イールスが考えながら言うと、男達を木に縛り、叩き起こす

「貴様ーーーー 」
男達が縛られているのを確認すると、暴れながらイールスを睨んでいる
「何を命じられたかな? 証拠隠滅と小屋の主の始末かな?」
「何故それを!! 貴様! アールストリア公爵家に楯突いて、ただで済まないぞ」
「アールストリア公爵家の名前を言えば、罪も無くなるのですか? あーーー 怖いな貴族様は…誰の命令かな? 公爵様は知らないから…執事かな? それとも、令嬢様かな?騎士様に付き出すかな? それだと隠滅されるから、返り討ちにしたと何処かの家の騎士に付き出すかな? ここら辺の領地は…」
「あはははは、公爵家の騎士と貴様どっちを信じるか? 解ってないようだな!! どのみち貴様も家族も終わりだ!! 早く解放するなら家族ぐらいなら助けてやるぞ」
男が笑みを浮かべて言う
「ちょうど穴も有るし、埋めるか…」
イールスが男達が掘った場所を見ている
「そんな事をして許されると思うなよ!! この場所は執事が知っている!! 帰らなければ調査に誰か探しに来るぞ!!」
「この場所は執事から聞いたのか…残りの2つの墓は誰の墓かな? 聞いても解らないが、知っている事を全部話して貰おうか? 中々の服装だったと聞いたが…面倒だからさっさと始末するかな?」
イールスが男達の剣を抜いて、男達に近付いている
「ちょちょちょっちょっと待て!! 本当にアールストリア公爵家に逆らうのか!! 許されないぞ」
男達が焦ったように叫ぶ
「アルゼデンス様に後ろからいきなり、刺されたから…許すも許さないも、徹底抗戦するだけですよ」
イールスが笑顔で剣先を男の喉付近に近付ける
「何でも話すから!!」
男達が慌てて叫び、命令された事を次々と話している

「こんな事が許されると思うなよ!!」
騎士が怒りに怒鳴り、男達の後ろの茂みから出てくると、男達を睨んでいる
「証人も出来ました。 古い墓の方は執事さん次第かな? 大変申し訳ないのですが、証拠を書面で残して貰えますか? 認めた血判付きで」
イールスが笑顔で言うと、騎士が驚いている
「証人…証拠…畏まりましたが…公爵家なら騎士団だけでは…ブライドル様にも報告したいと思います」
騎士が苦笑いして、イールスを見ている
「2つの墓は、後で行方不明の貴族を探せば解るだろうから…ついでの証拠にしようかな? 罪は増やした方が良いからね…」
イールスが笑みを浮かべて呟くと、聞いた騎士達が顔を見合わせている
(…証拠増やすつもりか? 騎士団と公爵家を相手に怯まないのか? この状況なら暗殺失敗でも後ろ楯がなければ潰され…ブライドル様でも対抗出来るか…………この男何者だ)
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