異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇

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第151話 レメルノリアとキャリーアルノ

イールスがリシリアを抱き起こしてリシリアの顔を覗き込んでいる
「兄様…」
リシリアがイールスを見て呟き、イールスがリシリアの額に手を当てている

かなりの熱か? どこかで休憩が必要か? どうしよう

「何処かで休める場所を」
イールスが護衛を見て言う
「扉の付近なら良いと思われます」
護衛が周囲を見てから、イールスを見て言う
「わかった」
イールスがクレオ達が拾い終わるのを待ってから、リシリアをお姫様抱っこして、立ち上がり歩き始める

大きな扉の近くで、護衛達が警戒しながら休憩を始める
「兄様…足手まといになってごめんなさい」
「リシリア、無理させたかな? 初めてで3層まで連れてきてごめんね」
「兄様…」
「リシリア、ゆっくり休んでね」
イールスがリシリアの顔を見て言うと、リシリアが少し不安そうにイールスの服を掴みながら目を瞑っている

クレオとリシアとバロンが拾い集めた物を持ってくる
「鉱石とこの結晶と鞄ですが…エンペラーのドロップ品です」
リシアがイールスに差し出している
「ミスリルとダンジョンコアかな? 鞄は…クレオかバロンどっちが持つかな?」
イールスが鞄を見て呟く
「え! こんな高価な物を持っていたら、襲われます」
クレオが心配そうに呟くと、リシアも頷き、バロンを見ている
「バロン持っていてね」
イールスが笑顔で言う
「は? この鞄を…価値が解ってないのか? こんな高価な物を何故? 」
「バロン、アイテム沢山持てるでしょ、便利だよ」
「いやいや…便利とかよりも、こんな高価な物を臣下に簡単に与える人がいないだろ」
バロンが慌てて言う
「バロンさん…魔剣も受け取っています…カルスさんだから」
クレオがバロンを見ていると、護衛達もバロンを見ている
「は… 無駄なのか…何処まで常識外なのか…とんでもない人に剣を捧げ、忠誠を誓ったのか…何を言っても無駄だな…」
バロンが呟いて、イールスを見てから鞄を受け取っている

交代で休息を取り、イールスが目を覚ますと、リシリアの顔を見ている

まだまだ熱が…魔力欠乏かと思ったけど…なぜか? 原因は…ん? 魔力は多いな…魔力が暴れている? 何故? 前の2倍は有りそうだな…これが原因ならどうしたら? ローブに吸収させたらどうなる?

イールスがリシリアのローブを触れて、操作すると、リシリアのローブが魔力を吸収して輝いている
「兄様?」
リシリアが目を覚ますと不思議そうにイールスを見ている
「リシリア体調は? 」
「急に良くなりましたが…」
リシリアが不思議そうに呟く
「それなら…原因は魔力か…リシリア魔力制御していてね」
イールスが微笑みながら言うと、リシリアが魔力を集めたり、動かしたりしている

「リシリア、おそらくだけど、なぜか急に魔力が上がり、魔力を制御不能になったのが原因だから、魔力を体中に巡らせて制御をしていてね…いつも通りにやれば良いから」
「え! 兄様! 解りました! 頑張ります」
リシリアが驚いた様にイールスを見てから、魔力を体中に巡らせている

リシリアが歩ける様になると、イールス達は帰ることにして、2層域に戻り、歩いている
「あれは…騎士が大勢で戦っているな」
バロンが前方を見て言うと、みんな騎士達の方を見ている
「迂回した方が良さそうかな? 向こう側から向かうか?」
イールスが周囲を見て言うと、バロン先頭に歩いていき、立ち止まる。イールス達が前方を見ている
「あれは…」
「先行する」
イールスがモンスターの先を見て走り始めると、クレオとリシアとバロンが慌てて走り始める。イールスがモンスターに近付くと、魔剣を振り、次々とモンスターを斬り進んでいくと、目の前に2人の騎士が倒れている

「カルスさん、任せて下さい」
クレオが大声で言うと、モンスターを斬っている
「バロン周囲の警戒を」
イールスがバロンを見て言うと、騎士に近付いて、怪我の具合を見ている

これは…毒か? 麻痺も…怪我も結構重症だな…上級と万能薬で治療かな?

イールスが鞄から万能薬を取り出すと、騎士の兜を取り、驚いている

え? 女性! 華奢とは思ったけど…早く飲ませないと

イールスが万能薬を女性に飲ませると、すぐに上級ポーションを出して、怪我している場所に掛けてから、女性に飲ませると、次の騎士にも万能薬と上級ポーションを飲ませている

クレオとリシアが周囲のモンスターを倒し終わり、リシリア達がイールスに近付くと、護衛達が周囲の警戒をしている
「兄様、大丈夫なのでしょうか?」
リシリアが心配そうに見ている
「多分…女性騎士が何故こんなところに?」
イールスが自問するように呟くと、女性が目を開き、慌てて立ち上がろうとする
「キャリーは!! 何者!!」
女性が飛び起きて、イールスを見てから慌てて周囲を見ている。もう一人の女性を見て慌てて近付き、揺り起こそうとしている
「姉様? え! モンスターは!」
女性が目を覚ますと、女性を見て叫ぶ
「良かった…あれ? 怪我していたはず………」
女性が安心したように呟き、思い出したように考え込んでからイールス達を見ている

「助けて頂いたみたいで…もしかしてポーション使われましたか?」
女性が落ち着いてから、イールス達を見てバロンを見て言う
「使っていたが…聞かない方が良いぞ…」
バロンが苦笑いして言うと、イールスを見ている
「リーダーはどなたですか? 」
女性がバロンを見て言うと、バロンがイールスを見ている
「怪我と毒と麻痺が治って良かったです。気分は大丈夫ですか?」
イールスが笑顔で言う
「はい、大丈夫ですが…毒と麻痺? え! もしかして毒消しと麻痺消しも…対価は払います」
女性が驚いた様に言う
「良かったです」
イールスが笑顔で言うと、地面に置いてある瓶をもう一人の女性が拾い見ている。顔色が少しずつ血の気が引いている
「迷宮を出ましたら、必ず対価とお礼はさせて貰います」
女性が考えながら言う
「姉様…この瓶…」
血の気が引いた女性が震える手で女性に瓶を見せている
「瓶が何か?」
「ポーションの色…赤いです…それにこっちは…万能薬です」
女性が泣きそうな声で言うと、女性が慌てて瓶を見ている

震えながら女性達がイールスを見ている
「大丈夫ですか?」
イールスが2人の様子を見ながら聞くと、護衛達が不憫そうに見ている
「え? 大丈夫? 万能薬と上級ポーション使ったのですか?」
「はい、状態が悪かったので」
「え? 状態が………ウソ」
女性が震えながら言うと、地べたに座り込んでいる

女性が落ち着くと、相談をしてからイールスを見ている
「この恩は必ず返します…対価とお礼ですが…私が必ず支払いますから…妹には手出しはしないで欲しいです」
女性が頭を下げながら言う
「そんなに固くならなくても…命が助かって良かったです」
イールスが笑顔で言うと、バロンが呆れている
(上級ポーションと万能薬で合わせて金貨何枚だろう? 価値が解ってないから仕方無いが…可哀想な…姉が全部引き受け、妹だけでも助けるつもりか? イールス様にその手が通用はしないだろうが…)

「あ! 申し遅れました…レメルノリアと申します。 妹はキャリーアルノです」
女性が思い出したように頭を下げながら言う
「カルスともうします。お見知り置きをお願いしますが…色々トラブルに巻き込ませているので、人に名前を教えない様にお願いします」
イールスが頭を下げながら言う
「カルス様、対価なのですが…すぐに持ち合わせが無いので…私が人質として何でも致します…父親が亡くなり、家は無くなりましたが…元はウルソニアバウム騎士爵家の分家になります。必ず支払いますので、妹だけは…」
女性が頭を下げながら言う
「カルス様、ここは私が話します」
バロンが言うと、女性と相談をしている

「カルス様、話がまとまりました。 これから共に迷宮で鍛練をすることにします。対価は徐々に取り分から返済となります…カルス様が来られる時は、別行動となりますが」
バロンが淡々と説明をしてレメルノリアとキャリーアルノが約束をしている
「対価なんてどうでも良いけど…」
イールスが不満そうに言う
「不利益が無いと思います。 それに双方の利益の方が高いと思いますが…」
「バロンが言うなら、良いけど…どうして無茶して2層に?」
イールスがレメルノリアとキャリーアルノを見ている
「もうじき、出兵が有ります。志願兵となるために鍛練をしています。家再興か良い嫁ぎ先を見つけるためには…どうしても良い家の軍に志願したいと思っています」
女性が説明をしている
「解りましたが…無理はしないようにしてください」
イールスが考えながら言うと、休憩を終わらせて、歩いていき、レメルノリアとキャリーアルノがイールス達の後ろから着いてくる

騎士達が数人を取り押さえ、拘束をしているのが見えてくる。イールス達が近付いていくと、騎士達が警戒したように見ている
「何か用か?」
騎士がイールス達を見て言う
「帰りだが…何か有ったのか?」
バロンが不思議そうに見ている
「あれか? モンスターから逃げ回り、モンスターを我らに押し付けて、逃げようとしたから拘束している」
騎士が振り返り説明してくれる
「あ! あの男達」
レメルノリアが男達を見て叫び、男達の方に歩いていき、男達がレメルノリアを見て慌てている

「よくも置いてきぼりに…」
レメルノリアが男を見下して言う
「生きていたのか? 仲間だろ? 助けてくれ」
男がレメルノリアを見て叫ぶ
「は? 何をしたのか忘れたの? 許さないですから」
「弱いから逃げ遅れたのだろ!! パーティーに入れてやったのにその言いぐさ許されないぞ」
「は? 頭がおかしいのですか? モンスターに向かって突き飛ばして…許されるのですか?」
レメルノリアが睨みながら言うと、騎士達が気が付いた様に男達を睨んでいる

騎士達が問い詰め始めて、男達が認める
「この件は冒険者ギルドに伝え、それ相応の処分を下す様にします」
騎士がレメルノリアを見て言う
「解りました」
レメルノリアが騎士を見て言うと、騎士と相談をしてから、騎士達と迷宮出口に向かい、レメルノリア達はイールス達と別れ冒険者ギルドに向かう
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