異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇

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第179話 迷宮進撃 後編

「魔力の源よ、爆炎となりて、我が敵を吹き飛ばせ!ファイヤーボール」
リシリアが近付く森に向かって魔法を放ち、火の玉が爆発すると、木が少し燃えて、すぐに消えてしまう
「火では燃えきらないのか? 魔法が通用しないならどうしたら?」
イールスが少し困惑している
「兄様、燃えるまで魔法を放ちますか?」
リシリアがイールスを見ている
「燃えるまでか…木だけなら逃げ切れそうだから…全力で魔法を放てば良いかな…化物倒せるのか?」
イールスが自問自答するように呟き、魔力を集めている

「魔力の源よ、爆炎となりて、我が敵を吹き飛ばせ!ファイヤーボール」
イールスが魔法を詠唱しながら大きな火の玉を作り上げて、森に向かって飛ばすと、火の玉が大爆発して、数体の木が根っこ毎吹き飛ばされて地面に倒れている
「あれは…人面樹!! 森は人面樹か!!」
バロンが叫ぶ
「人面樹に勝てる訳無いです!! こうなったら魔力の限り吹き飛ばして、近付けない様にするしか…」
イールスが慌てて言うと、次々とファイヤーボールを放っている。リシリアもイールスの真似をして大きな炎の玉にして飛ばしている

リシリアが疲れたようにフラフラし始めると、イールスが気が付きリシリアを支える
「兄様…もう…」
リシリアが泣きそうになっている
「これ以上は無理…撤退しよう」
イールスがリシリアを見ながら言うと、バロンが呆れたように見ている
「カルスさん、凄いです!! 倒れた人面樹で人面樹の進行を止めるなんて」
クリオがイールスを見ている
「兎に角、逃げよう…守りきれなかったら…」
イールスがクリオを見ている
「カルス、アイテムを拾ってきます」
護衛が少し呆れたようにイールスを見て言う
「危ないから早く帰る逃げよう」
「カルスさん、あの大量の倒れている人面樹のお陰で近付かないので、早くアイテムを拾って帰りましょう」
リシアが笑顔で言うと護衛達とクリオとリシアがアイテムを拾う為に走っていく
「危ないから…あれ? コボルトは?」
イールスが周囲を見ている
「カルス、人面樹と一緒に吹き飛ばしていましたが…自覚無かったのですか?」
護衛が流石に頭を押さえながら言うと、イールスが周囲を見ている

あれ?コボルトもホーンラビットも一緒に吹き飛ばしていたのか? 人面樹が倒れて森の進行が止まっている? これなら逃げれるかな?

バロンは倒れている人面樹に近付き苦笑いしている
「これなら倒せるのか…固そうだが…黒い煙を出し続けているなら、相当弱っている筈だな」
バロンが呟き、魔剣を振り上げて渾身の力を込めて、振り下ろし、人面樹を両断すると、黒い霧になって消えていき、緑色の葉っぱの形した物や結晶に変わっていき、バロンはアイテムを拾い、他の人面樹も斬っている

バロン達が戻ってくると、イールス達は高台の方に歩いて向かい、入口付近で休憩をする事にする
「カルス様、人面樹のアイテムですが」
バロンがイールスに手渡している
「これは…文献に有った材料です! これならポーション作れます…え! これは霊芝ですか? 万能薬の材料になります…色々作れそうで嬉しいです」
イールスが笑顔で言うと、リシリアも興味津々に見ている
「買取りは難しいアイテムですが…魔法研究院でも無理かも知れません」
バロンが苦笑いしている
「売らなければ良いだけです!! ポーションにしてから買い取って貰います! 魔石も大きくなって、高く買い取ってくれそうです」
イールスが笑顔で言う
「こんなに買い取ってくれますか? どう活用するのですか?」
クリオが考えながら呟くと、リシアも考えている
「魔石は魔導具に魔力を供給に使えます」
イールスが笑顔で説明をしている
「魔導具に? 魔導具有るのですか?」
「え! 王城に有ったけど…余り見たこと無いな…」
イールスが考え込んでいる
「兄様、セーレン先生に聞きますか?」
リシリアが笑顔でイールスを見ている
「帰ったら杖の事と一緒に聞こう」
イールスがリシリアを見て言う

休憩後、殲滅しながら進み、迷宮の出口まで到着する
「やっと外に出れた」
イールスが笑顔で夜空を見上げている
「カルスさん、今日の冒険も楽しかったです」
クリオが笑顔でイールスを見ている
「無茶してごめんね」
イールスが笑顔でクリオを見ている
「やっぱりカルスさんと一緒だと凄く楽しいです!! コボルトも殲滅できる様に頑張ります」
クリオが笑顔で言う
「無茶はしないで、頑張ろう…まだまだ未熟者の半人前だから…一流の冒険者ならあの程度余裕で戦えるのだから…窮地に陥らない様に鍛練し直してくるね」
イールスが笑顔で言うと、バロンが苦笑いしている
(一流なら? 一流だから倒せたのだろうが…常識が吹き飛んでいる…護衛! 頼むから常識を教えてくれ!! 頼む!!)

イールス達が屋敷に帰りつくと、リビングに向かう
「メサリア様、遅くなり申し訳ありません」
イールスがメサリアを見て丁寧に挨拶をしてから頭を下げている
「イールス、怪我は無かったですか?」
メサリアがイールスを見ている
「怪我はしなかったのですが、魔法を使いすぎて少し疲れています」
イールスが頭を下げながら言う
「セーレンが明日用が有るので待っているように伝言が有りました」
メサリアが微笑みながらイールスを見ている
「セーレン様を待つようにします。 丁度色々伺いたい事が有ったので」
「セーレンに何を聞くのですか? 知っている事なら何でも教えますわ」
「実は、魔法使いは杖を持っていると言われたのですが…杖が必要なのか聞きたかったです」
イールスが詳しく説明をしている
「杖ですか? 使ってますが…イールス持ってないのですか?」
「はい、持ってないので相談をしたいと思ってます」
イールスが頭を下げながら言う
「セーレンに聞きなさいですわ…」
メサリアが少し残念そうに言う
「あ! メサリア様、実は兎の手触りの良い毛皮が手に入ったのですが、継いで何か作れますか?」
イールスが思い出したように言うと、リシリアが魔法の鞄から袋を出して、メサリアに中身を見せている
「触り心地良いですね…小さくても繋げれば…良いコートが作れますね…アリシナの誕生日も近かったですの…ふふふ」
メサリアが笑みを浮かべている
「コートですか? もう少し頑張って集めた方が良いかな? 」
イールスが考えながら呟く
「イールスですのーーー 加工の打ち合わせはしておきますわ!! プレゼントにしなさいですわ!! あーーー楽しみですのーーーー 」
メサリアが嬉しそうに言う
(相当喜びますわ! この手触りなら最高級のコートになりますわ!! 喜ぶ顔も見たいですわ! イールス凄いプレゼントになりますわーーーーー 同じコートを着て一緒に出掛けたいですのーーーー)
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