異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇

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第214話 クレストファーとディオルバルク 後編

日が暮れる前に、ディオルバルクを騎士団本部に送り届け、イールスはクレストファーの屋敷に向かう
「イールス様、御来訪感謝します。 クレストファー様とレイストレアお嬢様が待っております」
イールスが馬車から降りると、執事が頭を下げながら言い、侍女と執事が一斉に頭を下げている
「本日はお招き感謝します。 お出迎え本当に感謝申し上げます」
イールスが丁寧に頭を下げながら挨拶をしている
「セルメリア侯爵家の婚約パーティーの日にレイストリア様を屋敷に送り届けて頂いた事感謝しています」
執事が頭を下げたまま言うと、侍女がイールスを案内して屋敷に入っていく

イールスが侍女の案内で部屋に向かう
「イールス様、忙しい中来訪、本当に光栄に思います」
レイストレアが笑顔で頭を下げている
「レイストリア様、本日もお美しいお姿を拝見できて本当に嬉しく思います」
イールスが丁寧に挨拶をしている。クレストファーが微笑みながらレイストリアとイールスを見ている
「イールス様を食事会にお招き出来るなんて、本当に嬉しいです。 自慢できます」
「下賤な身の未熟者の半人前ですから、何の価値も有りません。こちらこそ御招待感謝しています」
イールスが頭を下げたまま言う
「イールス様、座ってくれ…ささやかだが食事も用意してある」
クレストファーが笑顔でイールスを見ていると、イールスとレイストリアが席に座っている

イールスはレイストリアと話しながら食事を食べている。クレストファーがレイストリアの嬉しそうな顔を見て微笑んでいる
「イールス様、妹の前だが、伝えておきたい事がある」
クレストファーがレイストリアとイールスの話が区切りの良いところでイールスを見て言う
「クレストファー様、レイストリア様とばかり話してしまい申し訳ありません」
イールスが軽く頭を下げながら言う
「出征に家臣も少し連れて行く事になっているが…実は…周辺の家々から合流したいと言われて、結構厄介になっている…全部断ったが出征直前に兵士を集めるのは良くないとは思っている…」
「セーレン様から烏合の衆にならない様に、沢山集めない様にと言われています」
イールスが笑顔で説明している
「的確な助言だな…出征中に近付く貴族は面倒になるから気を付けるように」
クレストファーが説明しながらイールスを見ている

「貴族の相手は、クーセスさんとリゼッタさんに任せます」
イールスが笑顔で答えると、クレストファーが想像して笑い始める
「リゼッタに話しは通じないから良いだろう…クーセス様も副将となったのだから貴族との話し合いは任せれば良いだろう」
クレストファーが笑いながらイールスを見ている
「問題は、隣国に入ってからの義勇兵の集め方です」
イールスが考えてから言う
「隣国の義勇兵か…必要だが…」
「ユリアリース様に苦労して貰わないと…」
イールスが笑顔でクレストファーを見ている
「そう言う事か!! 王女殿下の軍を作るのか! それなら護衛もしやすいだろう」
クレストファーが少し安心したようにイールスと相談をしている

クレストファーとイールスの相談が終わり、イールスが馬車に乗り屋敷に向かっている。 突然馬車が止まり人が馬車に近付くのをイールスが確認すると、イールスは金属の棒を持ち馬車を降りる
「貴様がイールスだな!! 貴様の所為で!! ここで仇を討たせて貰うぞ!!」
男がイールスを見て怒鳴る
「え! 狙われる理由が思い浮かばないのですが…」
イールスが少し驚きながら男達を見ている
「は? 貴様!! 殺れ!!」
男が怒り怒鳴り、男達が剣を抜き、イールスに接近してくる。イールスば闘気をまとい、近付く男達を一人づつ金属の棒で弾き飛ばしている

全員弾き飛ばし、怒鳴っていた男に近付く
「誰の指示? 逆恨みですか?」
イールスが男を見下ろし聞く
「貴様ーーーー 」
男が腰のナイフを抜きイールス目掛けて投げようとするが、イールスがナイフを持つ腕を金属の棒で殴り、骨が砕ける音と共にナイフは飛んでいき、別の男の腕に刺さっている
「ぎゃーーーーー」
ナイフが刺さった男が悲鳴をあげている
「あ……ごめんなさい、弾いたら刺さってしまいました」
イールスが頭を下げながら言う
「はぁ?」
怒鳴っていた男がイールスの態度に唖然としている
「何故襲ったのですか? 誰の差し金ですか?」
イールスが微笑みながら男を見下ろしている
「こうなれば!!」
男がイールスを見て叫び、しばらくすると急に苦しみ出す。イールスは苦しみ出した男を見て、慌てて魔法の鞄からポーションを取り出して、男に飲ませてから他の男達にも飲ませている

「何故? 自害出来ない…何故助ける!!」
男が慌ててイールスを睨んでいる
「誰の差し金? 何回自害しても助けます」
「はぁ……」
男がイールスを見開き見ている
(死なせない…どうしたら? この男何を考えている? 普通は高価なポーション使うはずは…逃げられるのか? 自害出来ないとどうしたら良いか? ……)

騎士が集まってくる
「これは…お前が襲ったのか?」
転がる男達を騎士達が見てからイールスを見ている
「逆恨みだと思うのですが…襲われました」
イールスが説明していると、騎士が賊達を拘束を始めている

「詰所まで同行を…それと名前を聞きたい」
騎士がイールスを見てから、馬車を見ている
「イールスと申します。 養って貰っている家は、下賤な身の未熟者の半人前ですから申し上げるのを御遠慮したく思っております」
イールスが頭を下げながら言う
「はぁ? ……イールス? イールス何処かで聞いたような…」
騎士が考え込んでいる
「イールス将軍!! 」
別の騎士がイールスの顔を見て慌てて敬礼している
「え? イールス将軍……はーーーーあのイールス将軍閣下!! 大変失礼しました!」
騎士が考えながら急に大声を上げて姿勢を正している
「下賤な身の未熟者の半人前ですから、将軍と言われても困ります」
イールスが頭を下げていると、騎士達がどうしたら良いか解らず失笑している

隊長がやってくる
「猛獣の調教した男!! 襲う方が悪い」
隊長がイールスを見て叫ぶ
「猛獣の調教?」
イールスが隊長を見て呟く
「猛獣を出征させてくれて感謝している!! この賊は徹底的に調べて、公爵様に報告するようにします!! 猛獣を倒せる男を襲う愚か者が現れない様にして欲しい!!」
隊長が大声で言うと、騎士達が顔を見合わせている
(猛獣? リゼッタの事か? リゼッタに勝った青年は…この男か? なら…全力で調べるか? 猛獣の相手をしたくないからな…猛獣より強い男を襲う方が頭がおかしいだろ… もう少し調べてから襲えば良いのに…)

イールスが屋敷に戻り、部屋に向かう
「アーセリオドール様、メサリア様、帰りが遅くなり申し訳ありません」
イールスが丁寧に挨拶をしている
「出征間近なのだから、ゆっくり休みなさい」
メサリアが微笑みながらイールスを見ている
「実は帰りに賊に襲われました」
「は? 賊に!! 面倒になるのか? 仕返しに行かないよな?」
アーセリオドールが頭を押さえている
「騎士様が連行していきました…前に会った事が有りましたので、詰所に向かわず帰って来ました…将軍閣下と呼ばれて焦りました」
イールスが頭を下げて言う
「将軍は将軍だが…後始末してくれれば良いが… イールス相手が誰か解っているのか?」
「全く身に覚え有りません…逆恨みを買った事も有りませんから」
「イールス…この1年でどのぐらいの事をしたか覚えてないのか? いくつの家が潰れたか…イールス自覚してくれ…」
アーセリオドールが頭を抱え始める
「自覚? 返り討ちにしただけですが…恨まれる事はしてません」
イールスが頭を下げながら言う
「イールスですのーーーー 明日仕返しを考えますのーーー 1日できっと潰して帰ってきますのーーーーー」
メサリアが笑顔で叫んでいる
「メサリア!! 少しは真面目に考えてくれーーーーー イールス、騒ぎを起こすと後が大変だぞ!!解っているのか!! 出征を遅れさせられないぞ!! 本当に解っているのか!!!」
アーセリオドールが叫んでいる
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