異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇

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第257話 王都へ進軍 後編

城壁の上で戦う兵士達は、ゴブリンと必死に戦い続けている。城壁を登ってくるゴブリンが少なくなると、1人の兵士がゴブリンと戦う一団を見付ける
「あの一団は… 何が…」
兵士がゴブリンの大群の中に進みながらゴブリンを容赦なく斬っているのを見て呆然としている
「何をしている!! 死にたいのか!!」
「夢なのか? あれを」
兵士が指差すと、兵士が指差された先を見ている
「自殺願望か? あんな少人数でゴブリンを引き付ける何て… は? 何故ゴブリンが次々と斬られている?」
兵士が目を疑うようにしながら呟くと、周囲の兵士達がゴブリンと戦っている一団を見ている

光輝く剣を持つゴブリンが斬られて倒れると、周囲のゴブリンが一斉に一団の方に押し寄せている
「早く逃げろーーーー もう良い!! 早く逃げろ!!」
兵士が大声をあげるが、一団は近付くゴブリンを次々と斬っている。周囲の兵士達が悔しそうな顔付きで涙目で戦う一団の様子を見詰めている
「あれを!!」
兵士が森側から出てくる兵団を見て叫ぶ
「援軍? 援軍だ!!」
兵士が叫び、周囲の兵士達の顔が笑顔に変わり、馬に乗った騎士達が一斉にゴブリンに向かって突撃を開始して、その後ろから歩兵がゴブリンを囲むように両側に広がりながら進み始めている

騎士がゴブリンを一撃ずつ与え、進行方向を変えて、城壁付近まで来ると、左右に別れて歩兵の後ろに回り込み、歩兵が一斉にゴブリンに襲い掛かっている。ゴブリンは歩兵に反撃をしようとするが、奇声が聞こえると、振り返りまともに戦えず、次々と断末魔をあげて地面に倒れていく

ゴブリンゼネラルが奇声を聞こえる方に進むのをやめて、歩兵の方を見ると、中心で戦う方に進路を変えて突撃していく
「デカブツ!! 」
男が叫び、剣を振り抜き、ゴブリンゼネラルの武器を両断し、そのままゴブリンゼネラルの胴体を両断している。ゴブリンゼネラルの断末魔をあげているが、直ぐに歩兵達が剣を突き立ててトドメを討っている
「何故だ? ゴブリンが戦いに集中してない? チャンスだ!! そのまま一気に殲滅しろ!! 周囲と連携して確実にトドメを討て!!」
男が大声をあげる

イールスの元にカシューと数人の騎士がやってくると、騎士達は奇声をあげているゴブリンを睨んでいる
「イールス様、何故トドメを討ってないのですか?」
カシューがゴブリンを見てからイールスを見ている
「もうそろそろトドメを討ちますけど、ゴブリン全滅させれたかな?」
イールスが周囲を見ている
「イールス様、倒れているゴブリンしかいません… 歩兵達も生き残りがいないか掃討に移ってます」
ロイドがイールスを見ながら言う
「うるさいから、そろそろ黙らせるかな? カシュー団長様どうかしましたか?」
イールスがゴブリンを睨んでいるカシューを気にしている
「あの剣は、セメトリアの名を冠する宝剣です… そのゴブリンはゴブリンソードマスターです…」
カシューがゴブリンを睨みながら言う
「え? このゴブリンが? 怪我でもしていたのかな? 未熟者の半人前で倒せました」
イールスが笑顔で言う
「は? 未熟者の半人前!! 何を言っている!!」
カシューが振り向きイールスを見て叫ぶ
「イールス様、そろそろトドメを」
ロイドがカシューが続きをしゃべらない様に遮る
「ゴブリンが助けを求めて叫んでいるのかも知れないし… そろそろ状況を知って貰おうかな? カシュー団長様、こいつの首根っこを掴んで周囲を見せてあげてね」
イールスが笑顔で言うと、カシューが意味解らずイールスを見ている。ロイドがカシューに近付きカシューと話してから、カシューがゴブリンの首を掴み、ゴブリンに周囲を見せるようにしていると、急にゴブリンが震えだして奇声をあげなくなり、涙目をなっている

カシューはゴブリンが黙ると、剣を抜き闘気をまとい、ゴブリンを離すと剣を振り抜きゴブリンを斬り、ゴブリンは地面に転がる
「カシュー団長様、敵討ち終わりましたか?」
イールスが笑顔でカシューを見ている
「イールス様、感謝申し上げます」
カシューが深々と頭を下げている
「カシュー団長様、ここの後始末よろしくお願いします。 ライゼーラさんに門番と話し合いと王城向かう旨を伝えるように、ラントリウス様達に馬車の通る道のゴブリンの排除を頼んで下さい」
イールスが笑顔でカシューを見て言う
「畏まりました……」
カシューが頭を下げたまま言う
「後は頼みました!!」
イールスが笑顔で言うと、歩いていき、クレオとリシアが後を追っている。ロイド達がカシューを苦笑いしながら見ている
(簡単に引き受けるなんて… 意味理解してないのか? 仇討ちの所為で何も考えてないのか? 後で騒ぐのは無しにしてほしい)

騎士がカシューの元に来てカシューを見ている
「団長、どうするのですか?」
「何だ?」
「後始末受けて良かったのですか?」
「後始末? ………はーーーーー!!」
カシューが思い出したように叫び、騎士が苦笑いしている
「笑顔で大変な事を押し付けられた!!無理だと伝えないと!!」
カシューが焦っている。騎士達が呆れている
(無意識に了解するなんて… 団長どうするのですか? )

ラントリウス達が馬車の通れる道を作り、ライゼーラが城壁の兵士と交渉している。馬車が列を作り城門の方に向かっている。イールスが馬車に近付くと、馬車が止まり、ユリアリースが降りてくる
「え! ぐぇーーーーー」
ユリアリースが馬車から降りると、周囲の匂いとゴブリンの死体を見て真っ青になって吐いている、ミネルバも死体の匂いに涙目になって吐き気を我慢している
「ユリアリース王女様、大丈夫ですか!!」
イールスが慌てて近付く
「イールスさま… こちらに来ないで下さい…ユリアリースさま…馬車に戻り下さい」
ミネルバがイールスを視認すると、慌ててユリアリースを馬車に戻している。リゼッタが苦笑いして見ている
「イールスを見て飛び降りるからこうなるんだ! 」
リゼッタが苦笑いしながら言う

ユリアリース様が吐いた… この匂いでは仕方ないかな……
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