異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇

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第263話 ユリアリースの変貌

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リシリアとシルビアは従者達に2層域の魔石に魔法陣の書き込み方を教えている。イールスは王宮に向かい、侍女の案内で部屋に入り、本の積まれているテーブルでユリアリースが書類を読んでいる
「イールス様!!」
ユリアリースが入口から入ったイールスを見て立ち上がり叫ぶ
「ユリアリース王女様、本日も美しいお姿を拝見できて本当に光栄に思います」
イールスが丁寧に挨拶をしている。ミネルバが少し疲れた様な顔でイールスを見ている
「イールス様、こちらの法の件で相談を…」
ユリアリースが笑顔で言い説明している。イールスは少し考えて色々詳しく説明をして、ユリアリースが更に質問をしている

「ユリアリース様、全部イールス様の言う通りにしなくても…」
ミネルバが疲れたように言う
「イールス様の考えが正しいからです。 国民の為に早く立て直さないと…」
「イールス様も少し休まれていますか? 兵士の鍛練に迷宮で鍛えていると聞いていますが…」
「ミネルバ様、未熟者の半人前ですから、鍛練する時間に研究や勉強する施設をお借りできて本当に嬉しいです」
イールスが満面の笑顔で言う
「イールス様に喜んで貰えて本当に嬉しいです」
ユリアリースが満面の笑顔でイールスを見ている
「まさか、イールス様がユリアリース様を教育し直して、1月でここまで変えてしまうなんて… 騎士団や兵士も集まり、王都の警備も整いましたが… イールス様前線に戻られるのですか?」
ミネルバが微笑みながらイールスを見ている
「はい、伯爵家側のゴブリンの状況が掴めていませんので、状況確認に向かいたいと思っています。 ゴブリンに対しての戦いの前線を引き上げる必要も有ります」
イールスが笑顔で話している
「イールス様、御一緒したいのですが… 今の状況で王都を離れられません… 悔しいので公爵家に嫌がらせだけはしておきます… 開拓村の方は大丈夫ですか?」
ユリアリースがイールスを見詰めている
「開拓村の方は順調と聞いています。 公爵家から帰ってきた兵士の家族も居たみたいで、兵士や騎士も時々巡回をして貰えて安心感が広がり、孤児達も手伝いの畑仕事をしてくれています」
イールスが笑顔で説明している
「いつかイールス様と視察に行きたいと思います… ジークに王位を譲ったら…」
ユリアリースが呟くと、ミネルバが睨んでいる
「早く国の政策を安定させましょう」
イールスが微笑みながらユリアリースを見ている
「はい! イールス様」
ユリアリースが満面の笑顔で言うと、ミネルバが少し不安そうな顔をしている
(イールス様が操り、政策を決めているなんて、知られたら大変な事になりますが… 確実に国力回復させているから、問題にならないのですか? それ以前に迷宮を占領して鍛練なんて考えが怖いような… 後世に影の宰相と言われそうな気もしますが… その前に王都を救った英雄と国民から言われているのを知ってますか?)

ユリアリースの部屋を出ると、騎士の案内で別の部屋に案内される
「イールス殿、ユリアリース王女様の相談は終わりましたか?」
カシューが微笑みながらイールスを見ている
「カシュー団長様、本日もお元気なお姿を拝見できて光栄に思います」
イールスが丁寧に挨拶をしている
「イールス殿、挨拶はそのぐらいで… 同行させる騎士隊の選抜は終わっているが、明日からイールス将軍の軍に合流させる… 迷宮で少し鍛えてから向かうのか?」
カシューが苦笑いしている
「はい! 戦いになれさせます。 義勇兵も1月で結構戦える様になってます。次は従者達も3層で待機させて鍛練を続ける様にします」
イールスが笑顔で説明している
「やはり、噂通りか… 3層まで行っていたか…」
カシューが苦笑いしている
「オーク相手ですので、ゴブリンとの戦いの練習に良いです。 4層域のモンスターでは、昆虫系ですので魔法の練習にしかなりませんから、5層域のアンデットで鍛練しないと騎士様に追い付けません」
「イールス殿は… 何を言っても無駄だったな… イールス殿、ユリアリース王女様を変えて貰い感謝しているぞ」
「国民の事も知らないから、事実を伝えて何をするべきか教えただけです。 民が困っているのを見逃せなかっただけです。 ユリアリース様も色々考えながら相談してくれる様になってくれて良かったです」
イールスが笑顔でカシューを見ている
「イールス殿、ゴブリンを退けた後、この国に残りユリアリース王女様と共に国を復興させてくれるか?」
カシューが微笑みながら言う
「え! ゴブリン殲滅したら、帰ります。早く帰って冒険者になります」
イールスが笑顔で言うと、カシューが頭を押さえている
「変わらないか… イールス殿は騎士達が何を噂しているか知っているか? 王配としてイールス殿を王にするべきと言っている者達が多くなっている。 貴族達はかなり警戒をしているが…」
「国を乱したいのですか? 下賤な身の未熟者の半人前を国を動かせる訳がありません! 御冗談を言われるのは止めて欲しいと思います」
イールスが笑顔で言う
「自覚ぐらいして欲しいが… イールス殿、無茶はしないで必ず生き残ってくれ… 逆か…本気を見せ過ぎないで欲しい… 1人でゴブリンを殲滅しないで少しは兵士達に手柄を立てさせて欲しい」
「未熟者の半人前ですから、無理なんてしません」
イールスが笑顔で言い、カシューが頭を押さえながら失笑している
(イールス様に何を言っても無駄だが… 1人で国を救っている自覚だけはもって欲しい… 剣だけならまだ良かったが、策略に政治能力… 民の掌握する力… ちまたで既に英雄として称えられているのを伝えたら… 未熟者の半人前と言うのだろうが… 誰かイールス殿に教育を出来ないのか? あのユリアリース様の様に変わってくれないか? イールス様がイールス様を教育は出来ないが…)
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