異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇

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第264話 迷宮鍛練へ 前編

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イールス達は迷宮に向かう準備をすると、同行する人達が集まってくる
「イールス、楽しみにしていたぞ」
リゼッタが満面の笑顔でイールスを見ている
「リゼッタ様、今回はリシリアの護衛を任せます」
「任せておけ!! ついでに今度こそディオルバルクを叩き潰す」
リゼッタが笑いながらイールスを見ている
「その前に弟達の鍛練をつけてくださいね」
「昨夜もボコボコにしておいたぞ!! 闘気も部分的にまとっていたが、楽勝だ!! 気合いが足りない!!」
リゼッタが笑いながら言うと、リシリアと従者達がイールスの元に集まってくる
「ベルオス様、留守中の馬車周りの警戒の指揮を任せてしまい申し訳ありません」
イールスがベルオスを見て頭を下げている
「そのぐらいはするが、ゆっくりさせて貰う… 本当に全員連れていくのか? 」
ベルオスが従者達を見てからイールスを見ている
「ゴブリンとの戦いに油断は出来ませんから、迷宮でなれて貰います」
イールスが笑顔で言う
「普通ならば、2層で十分なのだが…イールスだから仕方ない… その人数でボス部屋に入るのは良くないが… 無駄な事だが」
ベルオスが思い浮かべながら顔が引き攣っている
(無駄だな… イールス相手に常識的な事を言っても半人前の未熟者と返されるだけだからな… ボスを全部瞬殺しているなんて誰も信じないだろう…)
「良くないのですか? 別々に入ると時間が掛かります」
イールスが疑問そうにベルオスを見ている。ロイド達が諦めたような目付きでイールスを見ている
(イールス様に説明しても、それがボスと言うだけです。 それに強いボスが現れると知ったら毎回全員を連れていきます… ワザワザ強いモンスターに会いたいから何日も迷宮で待つのはイールス様だけです… もう誰も教える気は無いですが…)

イールス達が迷宮に入り、順調に進み、2層域ボスを倒してから3層域に到着して人が集まっている方に歩いていく
「イールス様、お待ちしていました」
バロンが微笑みながら頭を下げている。その後ろでクラウザーとライゼーラとディオルバルク達がイールスを見ている
「バロン、休憩したら、4層を殲滅に向かうよ」
「人選はどうなさいますか?」
「バロンとクラウザー様とライゼーラ様とディオルバルクさんとリゼッタさんにロイド達かな? ここはキャリーアルノさんとレメルノリアさんに任せるけど、大丈夫かな?」
イールスが笑顔で説明していると、遠くからオークが集まり、イールス達の方に向かって進んでくる。気が付いた兵士が武器を構えている

「話し合い中に… 」
イールスがオークを睨んでいる
「早く片付けて来ますか? 指揮官が必要でしょう」
バロンが振り返りオークを見ている
「グラン、ベルン、ちょっと殲滅してきてね… 邪魔だから早くね」
イールスが護衛を見て言う
「畏まりました」
グランとベルンが兵士と共に走っていき、クラウザーとライゼーラが苦笑いする
「兄様、魔法の練習させてきます」
リシリアが笑顔で言う
「無理させないようにね… 従者全員で援護するように」
イールスがリシリアを見て言うと、リシリアが従者を連れて歩いていく
「イールス、護衛した方が良いか?」
リゼッタがリシリアを見て言う
「ファリスさん、ローレナさん、リシリアの護衛を任せます」
イールスがファリスとローレナを見て言うと、リゼッタが笑みを浮かべてファリス達を見ている
「イールス様、了解しました!! リシリア様の盾と剣になります!!」
ファリスとローレナが笑顔で頭を下げてから、リシリアを追いかけていく
(イールス様からの初めての命令!! 必ずや成功させます!!)

「まずは、アローを放って下さい」
リシリアが笑顔で言うと、6人の従者が杖を構えて魔力を集めている
「魔力の源よ、炎の矢となりて、我が敵を穿て!ファイヤーアロー」
6人が魔法を放ち、オークに次々と当たっている

従者達が何回か魔法を放っている
「次はファイヤーボール放ちましょうね… 詠唱は覚えていますか? 覚えてなければ、詠唱無しで放っても良いです」
リシリアが笑顔で言う
「はい! リシリア先生!! 」
従者達が鞄の中から魔導書を出してページを捲り、詠唱を始めている
「魔力の源よ、爆炎となりて、我が敵を吹き飛ばせ!ファイヤーボール」
従者達が魔法を放ち、次々とオークに当たり、炎の玉が爆発してオークを吹き飛ばして、黒い霧になって消えていく

「威力が上がるように、魔力をしっかり制御して下さい、他の魔法も放てるだけ放って下さいね」
リシリアが少し嬉しそうに従者達を見て言う
「はい! リシリア先生!!」
従者達が笑顔で言うと、次の魔法を放つ準備をしている

兵士達が放たれる魔法を見て苦笑いしている
「イールス様、従者達もかなり魔法を使えるようになりましたか?」
バロンがオークの方を見て呟く
「リシリアが一生懸命魔導書の説明をしていたからかな? やっと見習いぐらいの魔法使いになったかな? シルビアさんよりもまだまだ魔法の威力が足りないかな? 帰ったら良い家に仕官出来るように推薦した方が良いかな?」
イールスが笑顔で従者達を見ている
「仕官? イールス様… セーレン師も頭を抱えるだろうな…」
バロンが想像している
(あれは見習いでは無いと思いますが… 帰ったら宮廷魔術師試験を受けさせれば、実力が明確になるのか? ホーク様が報告した時点で合格になりそうな… レズムード伯爵家の家臣にした方が早いか? それよりもイールス様の家臣になった方が良いと思うが… 当人達に考えて貰うか… 今後のゴブリンとの戦いを考えると魔法使いが1人でも多くいてくれた方が良いが… リシリア様が魔法を放てば、魔法使いの数は必要なくなるか? )
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