異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇

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第266話 迷宮鍛練へ 後編

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イールス達は5層域と到着すると、リシリアが空中を舞うゴースト目掛けて次々と魔法を放ち、周囲から鎧のモンスターが近付いてくる
「あれは… デビルアーマー!!」
クラウザーが魔剣を構えている
「あの程度雑魚です」
イールスが笑顔で言うと、剣抜き歩いていき、クレオとリシアが後ろを着いていく
「雑魚? 何を」
クラウザーが驚いた様にイールスを見ると、イールスが一気に突進してデビルアーマーを凪ぎ払い、デビルアーマーの上半身が地面に倒れて黒い煙をあげている。盾を構えたデビルアーマーがイールス目掛けて集まってくると、イールスは盾ごと次々とデビルアーマーを斬っている。クレオとリシアがまだ動くデビルアーマーにトドメを討っている。クラウザー達が目を見開いている
(何故金属を簡単に斬っている? イールス様の剣はなんだ?)

周囲のデビルアーマーが全て黒い霧になって消えると、イールスが戻ってくる
「みんなでアイテムを拾い集めましょう」
イールスが笑顔で言う
「イールス様、警戒をしますので、クラウザー殿、ライゼーラ殿、カミュー、ディオルバルク殿、アイテムと魔石の拾い集めをお願いします」
バロンが何か言いたげなクラウザー達を見て言う
「イールス、獲物がいないぞ!! 1人で倒したら鍛練にならないぞ」
リゼッタが笑顔でイールスを見ている
「あ! リゼッタ様、ごめんなさい! 次は任せます…」
イールスが頭を下げている
「イールスが後ろに居れば安心して戦えるぞ!!」
リゼッタが笑っている。クラウザーとライゼーラがリゼッタを見て顔が引き攣っている

イールス達は5層域を歩き回りながら、次々とデビルアーマーを倒している
「あれは!!」
バロンが慌てた様に剣を構えると、その先に多くのデビルアーマーと頭が無い馬に乗った鎧を見ている
「首無しのデュラハン…」
ロイドが苦笑いしている
「強そう… 」
イールスが呟く
「イールス様、ここは撤退を!!」
バロンが叫ぶ
「未熟者の半人前が調子に乗りすぎました!! すぐに逃げよう」
イールスが慌てて言うと、デュラハンがイールス達の方に突進してくると、バロンが剣を振り、デュラハンに牽制をしている。デビルアーマーがデュラハンを追うようにイールス達の方に突撃してくる

「リゼッタさん、リシリアを連れて先に逃げて下さい!! 全員を援護しながら撤退します」
イールスが剣を構えて言う
「任せておけ!! リシリアに近付けさせない」
リゼッタが周囲を警戒しながら言うと、リシリアが近付くゴーストを見付けて魔法を放っている

逃げきれない? どうしたら? デュラハン相手に勝てるか? デビルアーマーの数も… 近付くゴーストも厄介だし… どうしたら?

イールスが迷う様に周囲を見ている
「1度牽制をしてから撤退をしてください」
ロイドが周囲を見てから言う
「わかった!! 未熟者の半人前の実力でデュラハンを倒せなくても、逃げる隙ぐらいは作って見せる!! クレオ、リシア援護をして… 無理しないで撤退の隙を作るだけだよ!!」
イールスがデュラハンに近付きながら言うと、クレオとリシアがイールスの背中を守るように着いていく

デュラハンがイールス目掛けて剣を振り、イールスが剣で受け止めようとするがデュラハンの剣とイールスの剣が当たり、デュラハンの剣が斬れてイールスの顔の横を掠める様に飛んでいき、イールスが慌ててデュラハンの馬目掛けて剣を振り抜き、馬とデュラハンの足を切り落として、デュラハンが地面に倒れると、クレオとリシアがデュラハンの上半身目掛けて剣を突き刺している。クレオとリシアがデュラハンから離れると、イールスが縦に剣を振り下ろし、デュラハンは真っ二つに別れて地面に転がり、黒い霧になっていく
「あれ? 弱い個体だったの? 良かった…」
イールスが少し驚いた様に呟く
「デビルアーマーだけなら倒してやる」
バロンがデビルアーマーに向けて剣を振っている

イールスはデビルアーマーを次々と斬り続けて近付くデビルアーマーがいなくなり、イールスが周囲を見ている
「兄様!!」
リシリアがイールスの方に歩いてくる
「リシリア何とか倒せた… 未熟者の半人前が調子に乗った所為で危険なめにあわせて…」
イールスが周囲を見てからリシリアを見ている
「兄様、凄かったです」
リシリアが笑顔でイールスを見ている
「弱い個体で良かった… 強い個体だったら逃げきれたか… もう調子に乗らない様にするね」
イールスが笑顔で言うと、バロンとロイド達が頭を押さえている
(弱い個体と言わないで欲しいが、イールス様の剣が凄いから、金属を簡単に斬れたのでは? もしかしたら次からデュラハン探しを始めない様に…… 絶対に探しそうだが…)

「イールス様、この鞄どうしますか?」
クレオが魔法の鞄を持ってくる
「どうしようか? ロイド、預かっておいてね」
イールスが少し迷う様にしてからロイド達を見て言う
「は? 魔法の鞄を…」
ロイドが苦笑いをしている
「全員持っているからね…ロイドが持っておいてね」
イールスが笑顔で差し出す
「ロイド、断れないのだから、覚悟しろ」
バロンがロイドを見ている
「預かりますが… どうしたら?」
ロイドが苦笑いしている
(誰にも押し付けられない… 護衛に魔法の鞄を譲る人なんていませんが…グランとベルンも目線を反らすなんて… 次はお前達だからな!! ここで断らないと大変な事になることを理解してくれ!!)

ディオルバルクはイールスを見ながら頭を抱えている
(イールス様、魔法の鞄なんてどのぐらいの価値か解ってますか? それに剣を斬る剣なんて有るのですか? もう何が何だかわからない!! 誰かーーーーー説明をしてくれ!! デュラハンを簡単に倒すなんて信じられない事をしておいて、弱い個体なんて理解出来ない事を言うのも止めてくれ!! ロイド、バロン何とかイールス様に価値を教える様にしてくれ… 手遅れでも… ベルオス団長イールス様に注意をして欲しい!! もうベルオス団長しかイールス様に注意出来る人がいないぞ!!!)
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