異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇

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第287話 クライベルトン子爵家に寄り道 前編

イールス達は、途中一部の義勇兵の解散をさせて、村の復興をさせる様に伝えながら進み、男爵家を抜けてクライベルトン子爵家の町に向かっている。前方から馬に乗った男がやって来る
「至急イールス様に報告があります」
ホーネットが慌てた様に言うと、イールスの馬車に近付いている
「ホーネットどうしたの?」
イールスが馬車を止めて降りると、兵士達が周囲を警戒している
「報告は2点あります。 1つ目は王都にて、セメトリア王国国王陛下が崩御致しました! カシュー団長をはじめ、王都の重鎮達は、ユリアリース王太子殿下に女王即位をさせようとしていますが、公爵家が異論を唱えるのも時間の問題です」
ホーネットがイールスに説明をしている
「公爵家は余力は有るのかな?」
「無いと思われますが、油断は禁物です。 国王陛下は毒殺の疑いも… 毒殺です! 王都から逃げようとした者を捕らえて公爵が指示していたのも確認して、カシュー団長に付き出しておきました」
「ホーネット、阻止は出来なかったの?」
「不可能です。 王宮内に入れません… 古くから居る執事が犯人では…」
ホーネットが説明している

ユリアリース王女様も大変な事になりそうな… ゴブリンとの戦いの最中に跡目争いを始めたら国が崩壊するな…

「ロイド、伯爵にユリアリース様の女王即位の事を伝える様に使者を出しておいてね」
イールスがロイドを見て言う
「すぐに伝令を出しますが、単独で向かわせますか?」
ロイドが考えながら言う
「もうじき王国騎士も到着します。 一緒に向かわせた方が良いと思います」
ホーネットがイールスを見て言う
「任せた」
イールスが即答する

「次はアリーオ様の軍が押されて後退をはじめています… ゴブリンの大攻勢です… 前戦の維持は難しいと思われます」
ホーネットが険しい顔で説明をしている
「子爵家によってから騎馬隊だけで急進するしか無いか… バロン達は間に合うかな?」
イールスが考えながら言う
「子爵家に寄るのですか?」
ホーネットが驚いた様にイールスを見ている
「子爵家は没落していたと聞いてますが、今回の件でかなり持ち直します。 ここで先にユリアリース女王即位の支持を表明してもらえば、判断が出来る子爵として今後良い方向になると思います。 人柄は良いですから」
イールスが笑顔で説明している
「イールス様の仰せのままに… やはり1つ上を見ていたか…」
ホーネットが呟きながら頭を下げている

クライベルトン子爵家の町に到着すると、ノーリスの案内で領主の館に向かう
「イールス将軍様、寄って頂き嬉しく思います」
子爵が笑顔で出迎えてくれる
「クライベルトン子爵様、本日は凛々しい姿を拝見できて本当に嬉しく思います」
イールスが丁寧に挨拶をしている
「ささやかですが、歓迎の宴を開催したいと思います」
子爵が笑顔で言う
「大変申し訳ないのですが、すぐに向かわないと大変な事になりますので、今回は辞退させてもらいたいと思います」
イールスが頭を下げて言う
「すぐに向かわないと… 何か有りましたか?」
子爵の顔が急に深刻そうに変わる
「内密に相談をしたいと思います」
イールスが周囲を気にして言うと、子爵も周囲を見てから、館の中に案内して、分厚い扉を開けて部屋に入り、イールスとクリストファーとライゼーラが部屋に入る

「ここなら誰にも聞かれないだろう」
子爵がイールスを見て言う
「実は、セメトリア王国国王陛下が崩御しました。 ユリアリース様を女王に即位するようですが、公爵家が…… それに今回の件は暗殺です」
イールスが険しい顔で説明していると、ライゼーラとクリストファーの顔が強張っている
「暗殺… それを抜きにしても一大事か… 歓迎の宴をする訳にいかないか… 何故こんな早く情報が?」
子爵が頭を抱えて聞く
「多くの密偵が集めた情報ですが、問題は、アリーオ大将軍の軍が押されているため、王都への道が塞がる危険もあります。 すぐに援軍に向かいたいと思います… ゴブリンの大攻勢です」
イールスが説明していると、子爵は頭を抱えたまま聞いている
「こちらでも情報を集めるが… ユリアリース様の即位には賛同すると宣言をしよう… 公爵家のやり方は国を腐敗させている」
子爵が考えをまとめてイールスを見て言う
「カシュー団長様より使者が到着しますので、それを聞いてからでも構いません」
イールスが子爵を見て言う
「イールス将軍がユリアリース様の即位を支持するなら、多くの国民が支持をするだろう… 何もせずに領地に残っていたと思うか? 出来る限りの情報は集めてある… 未熟者の半人前と言うイールス将軍を英雄として称えている人が多くいるのも知っている… 今回の戦いも伝令で義勇兵に村の再建を優先にさせる判断には感謝しか思い浮かばない… ノートンも成長出来たと思っている」
子爵がイールスを見て言う
「持ち上げても、下賎な身の未熟者の半人前ですから、幼稚な事しか考えられません」
イールスが笑顔で言うと、子爵が笑っている
「歓迎の宴は中止でも、ささやかな食事会ぐらいと、寝床ぐらいは提供させてもらう」
子爵が笑顔で言うと、部屋を出ていき、クリストファーとライゼーラが見送っている
「没落した子爵家と聞いていたが… 予想以上の人物か… 隣接する領地の所為か… 侯爵様に教えた方が良いか?」
ライゼーラが呟く
「イールス様が気になる人は、大物が多いか…」
クリストファーが呟く
「そうですか?」
イールスがクリストファーを見ている
「妹の憧れる御兄様だからな」
クリストファーが笑いはじめる
「畏れ多い事です」
イールスが笑顔で言うと、ライゼーラも笑いはじめる
(クリストファー殿もかわし方が上手いな… 冗談で言われていた通り、ユリアリース女王様の王配としてイールス様を迎え入れる事が出来そうな… 国民は誰も反対をしないだろう…何せ英雄様だから… 帰れない様に説得も必要だろうが… 一番大変か…)
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