異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇

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第301話 復興とアリーオ達の帰還 前編

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数日後、ユリアリース女王即位式と大規模なパーティーが終わり、ユリアリースの要請で領土の復興を手伝う事にして、それぞれ割り当てられた場所に向かう。イールス達はクラーゼメルトリア地方に向かい、町の跡地まで到着すると、ケビンとカシム達と打ち合わせをして、義勇兵達に畑や村の建物を建造を始めて貰い、イールス達も別れて開墾を手伝っている

2ヶ月が過ぎ、アリーオがイールスに会いにやってくる
「アリーオ様、本日はお姿を拝見できて本当に嬉しく思っております」
イールスが笑顔で丁寧な挨拶をしている
「イールス… 国王陛下より、帰還命令が下ったが… イールスだけは1年を期限に残る様に指示が出ている…」
アリーオが手紙を見せながら説明している
「え! 何故ですか!!」
イールスが驚いて叫ぶ
「ユリアリース女王体制が確立できるまで、協力を要請されたらしいが… 」
「それでもこれ以上は内政干渉になります」
「イールス……… イールスが言うのか? 2ヶ月でこんなに畑を作り… 鉱山採掘を再開させて… 義勇兵と言う配下を集めて… 一大勢力を作って何言っている!! 子爵達もここに来るのを拒む位の事をしておいて何言っている!! 自重はどこに行った!!」
アリーオがキレた様に怒鳴る
「普通に開墾して、金属も必要だったから作っているだけです。 移民の受け入れもかなり進んで良かったです」
イールスが笑顔で言う
「どこに何年も掛かる復興を2ヶ月でやる人がいる!! イールス隊の兵士達も自重させろ!! 1日でどのぐらい開墾しているんだ!! イールス自重の意味を取り違えるな!! 大体副将達は何しているんだ!!」
「バロンは今、国境方向の開墾しています。 クーセス様は、大渓谷側の道の整備と村の建築をしています… クラウザーさん達は駐屯地近くの開墾しています… ライゼーラさん達は大渓谷の先の開墾しています」
イールスが笑顔で説明している
「誰か… イールスの監視をしてくれ… イールス1人で全て出来ているのだから… 帰ったら怖い… それに… 多くのポーションを売り出して…手に追えない…」
「ポーションは薬草が沢山集まったので、従者達が作ってます。義勇兵の中に魔力持ちも見付けて、リシリアが基礎を教えていますから、みんなポーション作りが好きです」
イールスが笑顔で説明している。アリーオが頭を抱えている
(イールスに何を言っても無駄だけど… イールスやりたい放題してないか? そもそも義勇兵の魔法使いも100人も育てているなんて… イールス自覚無いのか? 帰ったらどこに仕官させるのか? そもそも連れて帰る気が無いなら魔法は教えない方が良いと思うが… あー無理だ何を言ってもイールスだけは手に追えない… 誰かイールスの監視をして欲しい… 監視役が一緒になって好き放題してないか? もう関わりたくない…)

アリーオが旧ベルケイルベルト子爵軍の兵士達を集めて、帰還の準備をするように命令を下して、主だった者達がイールスの元に集まる
「イールス様のお陰でここまで生き残れ帰還が出来ます」
ラントリウスが頭を下げて言うと、隊長達が後ろで頭を下げている
「ラントリウス様がまとめてくれてくれたからです。 この報告書を国王陛下に渡して下さい。 シルビアが作ったラントリウス様達の戦功が記されています」
イールスが笑顔で言うと、シルビアが報告書をラントリウスに手渡している

ラントリウスが少し読み苦笑いしている
「改竄だらけですが… 」
ラントリウスが苦笑いしてシルビアを見ている
「正式な報告書です。 真実を全部書いた物は帰ったら提出します… 理解不能になりますから… それにイールス様の性格はもう解っています。 自分の戦功は軍全体の戦功になってます」
シルビアが笑顔で説明していると、ラントリウスと隊長達が苦笑いしている
(無駄か… 仕方無いが… 陞爵されるかも知れないが… 褒美を受け取って良いのか? 正直に国王陛下に伝えよう… イールス将軍様の実力も… 信じないかも知れないが…)

「ラントリウス様、隊長の皆様、大変なゴブリン討伐を手伝って貰い感謝しています。 下賤な身の未熟者の半人前の所為で沢山苦労させて大変申し訳ありません… ゴブリン討伐に成功したのも全員の協力があったからです。 本当に感謝申し上げます。 少し残りますが帰ったらまた会いましょう」
イールスが頭を下げて言う
「1つだけ言いますが、イールス様だけでゴブリン討伐出来たと思います。 イールス様の配下になれた事を永代に渡り語り継ぎます」
ラントリウスが頭を下げて言うと、隊長達も口々に言っている
「永代なんて大変申し訳ないと思います」
イールスが頭を下げて言うと、シルビアが呆れたように見ている

イールス達はアリーオ達を見送り、クリストファー達に集まってもらう
「残っている戦力は義勇兵を除くと、元の兵力とクリストファー隊長の元に子爵家に預けられていた騎士達200名となります」
バロンが説明している
「帰りは少ない方が動きやすいから良い」
イールスが笑顔で言う
「義勇兵達も付いてくると思いますが」
クリストファーが苦笑いしながら言う
「国を捨てないでしょう… ホーネット達も商会を作り、情報を集めながら商売をしてくれているし…」
イールスが笑顔で言う
「クラウザーさんとライゼーラさん達は付いてきそうです。それにカシム様も」
バロンがイールスを見て言う
「カシムさんには、ここの領主してもらうし… ライゼーラさんも領主になるから、付いてこれないよ… クラウザーさんも戦功著しいから、叙勲されて貴族になるし…」
イールスが笑顔で説明している
「イールスに何を言っても無駄だから、それぞれ準備をすれば良い!!」
ベルオスが諦めたように言うと、全員顔を見合わせて頷いている
(何も言いませんが、残っている兵力は数百と義勇兵2000名… イールス様が精鋭に育てたのですから、連れ帰るしか無いです。 そもそも誰が責任を取って仕官口を見付けるのか… この義勇兵達の実力なら王国騎士団も勝てないのだから… イールス様がその気なら、国を滅ぼせるのだから… 冒険者になるなんて言ったら… 冒険者として旅に出て、怒ったら国を滅ぼして進みそうな…)

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