異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇

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第314話 イールスの決断 後編

兵士達が笑っているのを見て、リシリアが歩き始める
「兄様、どうしますか? そろそろ配りますか?」
リシリアがイールスの横にくると、イールスと話している
「クリストファーさん、ディオルバルクさん、ホルキンさん、クラウザーさん、ベルオスさん、リゼッタさん達には、これを着てください、後外套と剣も」
イールスが魔法の鞄から箱や剣を取り出して並べている。鎧を見たクラウザー達が青ざめている
(あれは… 魔力を帯びているのか? ロイド達と同じ鎧か? これを受け取って良いのか? 国宝級の鎧では?)
「早く着て下さいね、護衛の皆さんは、こちらを着て下さい、怪我はしないで下さいね… ポーションも出しておくので持って行って下さいね」
リシリアが笑顔で言うと、鎧の箱を出して並べている。ロイド達が頭を押さえている
(40人分の鎧も準備していたのか… 着ないと収まらないが、良いのだろうか? この装備を渡されて死んだら… 何を言われるか… )

「イールス、何を… これは付与魔法された鎧か?」
ベルオスが震えながらイールスを見ている。クリストファーとディオルバルク達が青ざめて鎧を見てから、イールスに視線が集まる
「怪我しないようにしてください… 外套は合わせて500枚有りますので、バロン誰が使うか決めてね」
イールスが笑顔で言うと、兵士達が苦笑いしてバロンを見ている
「魔剣も200本用意してますから、使いたい人が使って下さい」
リシリアが笑顔で魔剣を出して並べている
「はぁーーーーーーーーーーー!! まっまっまっ魔剣!!」
兵士達が一斉に叫んで、リシリアが並べている魔剣をみて血の気が引いていく

「メリーサリア様とシルビア様用の杖も渡します」
イールスが笑顔で魔法の鞄から杖を出して手渡そうとしている
「え? 魔導具…………」
メリーサリアが固まって杖を見ている
「うそ…… こんな杖有るのですか?」
シルビアも固まって杖を見ている
「早く受け取って下さい、従者にも杖を渡したいから… 報酬代わりに渡すつもりで作ってました」
イールスが笑顔で言う
「イールス様、杖の魔導具は国宝級や家宝物ですが… 家にも1本伝えられています…」
メリーサリアが震えながらイールスを見る
「下賤な身の未熟者の半人前が作ったので価値なんて無いです」
イールスが笑顔で言う
「え! もしかして、私が手伝ったから使いたくないのですか? ごめんなさい!! 私なんかが手伝わなければ良かったです!!」
リシリアが頭を下げている
「え! 何を… 」
メリーサリアがリシリアを見て絶句している
(魔導具の杖ですよ!! 受け取らないのではなく、こんな凄い物を使って良いのですか? 家に伝わる杖よりも凄い魔力を感じますが… 誰か… 誰でも良いですから、リシリアの自信なさげに言うのを止めて下さーーーーい! シルビアも何か抵抗する事を言いなさい!!)
「何を言っても無駄です。 すぐに受け取り装備するように… イールス様ですから何でもありです… 断っても無駄です」
バロンが苦笑いしながら周囲を見て言う

「あれ? こっちにも魔剣が…」
イールスが魔法の鞄から追加の魔剣を出している
「兄様、200本だけ貸すつもりで無かったですか?」
リシリアがイールスの出している魔剣を見ながら言う
「500本作ったからか… 危機だし、使って貰おう… バロン、追加で300本の魔剣を使う人を選んでね」
イールスが笑顔でバロンを見て言う
「は? 300本… 世界に現存する魔剣の数を越えてないですか?」
バロンが苦笑いしながら言う
「そうなの? 作っちゃったし、使うようにしてね」
イールスが笑顔で興味なさそうに言うと、兵士達の視線がイールスに集まる
(魔剣300本!! どれだけ持っているのですか!! 魔剣を使いこなす人が300人もいないのでは!! バロン様、御願いですから断って下さい!!)

バロンとクラウザー達が相談して闘気をまとえる人を中心に魔剣と外套を配り、兵士達が血の気の引いた顔で受け取っている。ベルオス達も着替えて戻ってくる
「イールス!! 軽いな!! 動きに影響が無いぞ」
リゼッタが満面の笑顔でイールスを見ている
「リゼッタ様、気に入って貰えて嬉しいです」
「訓練するぞ!!」
「すぐに出発しないと…」
「イールスがそれを言うか? ギリギリでこれだけの装備を配って! 元々どうするつもりだったのか?」
「報酬代わりに渡すつもりでしたが、何か問題でも?」
イールスが笑顔で言う
「えーーーーーーーーー!!」
メリーサリア達がイールスの方を見て叫んでいる
「この報酬なら、イールスに身も心も捧げ、モンスターを殲滅してくるぞ!!」
リゼッタが笑いながら言う
「イールス、金銭感覚有るのか? この鎧の価値は解っているか? イールス、何を考えている!! 国宝よりも価値が有るのが解らないのか!! この鎧にどんな付与魔法がされている!!」
ベルオスがイールスを睨んでいる
「軽量化構造強化と衝撃吸収と魔法耐性ですけど」
イールスが笑顔で答えている
「3つ? 4つか? 国宝級か… どんな価値か…」
ベルオスが頭を抱えている
「何を考えても無駄です。 後は戦いの後まで何も考えない様にしましょう」
バロンがベルオス達を見て言う
(イールス様に何を言っても無駄です。 後でヘルクドール様に報告して、どうするか決めて貰えば良いのだろうか? 国王陛下か? これ以上の褒美有るのか? 丸投げすれば良いだろう… この装備を褒美で渡すなら、王家が買い取ってから下げ渡すのか… 価値は…不可能だな!!金貨数万枚になるのだから誰も支払えない)

「イールス様、本当にこの杖をお借りして宜しいのですか?」
メリーサリアが血の気が引いた顔でイールスの元にくる
「何か不具合が有りましたか? あ!! 魔法兵用の杖100本も出しますから、全員に配って下さい」
イールスが思い出したように杖を魔法の鞄から出している
「え? ……………」
メリーサリアが杖を落として立ち尽くしている。シルビアも尻餅をついて座り込んでいる
「兄様、従者用の外套どこにしまいましたか?」
リシリアが魔法の鞄の中を探しながら来る
「クレオに預けたよ」
「え! クレオに聞いてきます」
リシリアが笑顔でクレオの方に歩いていき、クレオが預かっている杖や剣や外套を出して、リシリアが満面の笑顔で従者達に手渡ししている。ロイドが不憫そうに見ている
(イールス様の従者ですから覚悟しているのですか? イールス様、このタイミングでこの数の武器防具出してくるなんて… 良いのだろうか? そもそも数が多すぎるような… もう諦めよう! ヘルクドール様と国王陛下に任せて、もう考えない様にすれば良いだけだ!!)
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