華と光と恋心

かじゅ

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第7話 深まる溝とすれ違い

最悪のタイミング

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 玄関先で桃也と怒鳴り合いの喧嘩をしてから1週間、夏休みも中盤に入っていた。
あの翌日には桃也が謝ってきたため、多少のわだかまりがあったものの、桔梗も怒り任せに怒鳴った後ろめたさがあったため、自分も謝り終わりにした。
それからは桃也と桔梗はいつも通り、特に何も変わらなかった。
「明日はたくさんジュース持ってく?」
桃也は明日ロケなのだが明日も猛暑になるため、特製ジュースを作っていた桔梗は桃也に聞いた。
「いや、いつも通りでいい、サーモボトルに入れないと暑さで駄目になりそうだしな。」
正直言うとたくさん作ってほしいんだけどな…。
「明日のロケの場所は?」
桔梗に聞かれ答えるとう~ん、と何かを考え出す。
「どうした?」
「いや、そこなら差し入れ可能かなとさ…。」
「差し入れがどうかしたぁ?」
「あ、かぁ君サッパリお風呂上がりじゃん、ジュース飲まれる?」
「じゃあ飲まれるぅ。」
冷蔵庫に作り置きしているキンキンに冷えたジュースをコップに注いでいると、
「でぇ、差し入れってなぁに?」
「あぁ、明日のロケ先に桔梗が差し入れするって言ってくれてんだけど…。」
「マズい?」
「いや、ありがたいけど流石にわりぃだろ。」
「あ~、ならボクが車出すよぉ、ついでに兄貴の勇姿見ちゃおうかなぁ。」
「あ、ならスタッフさんの分も合わせてお重で持って行こうかな。」
「お重でっ?」
「マズい?」
「いやだからそれはわりぃだろっ。」
差し入れだけなら海斗が車出すんならまだしも、スタッフの分まてとなると大量だぞ!
「いや別に…あ、増員しよう。」
「なぬっ?」
たかだか差し入れの話がデカくなってねぇかっ?
スマホを取り出し何処かへ連絡する桔梗を見て、流石に止めようとしていると、海斗が肩に手をポンと置いてくる。
「何だよっ?」
「兄貴さぁ、プールのときにも言ったじゃん、止めても無駄だよぉ、それとも桔梗の差し入れ嫌なの?」
「いや逆だよ、ありがたいよ、けどなぁ。」
「じゃあいいじゃない、桔梗はああなったらもう止められないよぉ、見てご覧なさいなあの顔。」
海斗に言われ見てみると、生き生きした顔で電話していた。
「桔梗本人がやりたいって言ってるんだし、何より楽しそうじゃな~い、ここは笑顔でありがとうって言えばいいんじゃなぁい?」
「よし、光希確保。」
これで百人力だ、そして光希が手伝うとなると、きっと毅流も手伝ってくれるハズ…。
フフフ…と桔梗には珍しく企み笑いを浮かべていると、不意に桃也に呼ばれる。
「どしたの?」
「ありがとな、明日の差し入れ楽しみにしてる。」
「合点承知!震えて待て!」
「何だそりゃ。」
と笑い合う2人を見て海斗は思う。
結局何の進展もしてない2人の関係、いいのかね?
リョウが虎視眈々と狙ってるかもしれないのに…。
我が兄ながらもぅ…恋愛に関してはポンコツで困る。










 お風呂上がり、部屋でドライヤーをかけ終わりヘアオイルを付けていると、電話が鳴った。
「ぬ?」
画面を見ると川瀬遼平と表示。
「おぉぉぉぉぉっ。」
な、慣れない…!
遼平から電話とか…!
とりあえず頬をつねったら痛いので、夢じゃないと確認してから電話に出た。
「は、はい…。」
<あ!桔梗ちゃんヤッホー元気してるかなぁ?>
「ぬ?」
この声は遼平ではなく…。
「もしかしてケントさん…?」
<ピンポンピンポンピンポ~ン!大正解です!正解した桔梗ちゃんには賞品としてほっぺにちゅうしま~す!リョウちゃんが!>
「いやあの、遼平のちゅうをそんな軽々しく扱っちゃ駄目です。」
<嫌だ桔梗ちゃん独特なリアクションだねぇ、面白い!あ、それより本題なんだけど、桔梗ちゃん今週末暇かい?>
「今週末ですか?特に予定ないですけど…。」
何だろうか?
<じゃあさ、じゃあさ、俺とデートしよっ。>
「はい?」
<あっ、ちょっ、リョウちゃん待って今いいトコだからっ。>
慌てるケントの裏から
うるせぇ返せ!
というリョウの声が聞こえてガサガサッ、という音がしたかと思うと、
<ごめん桔梗、ケントが悪ふざけしたろ?大丈夫?>
「あ、う、うん、大丈夫、ケントさんのテンションが凄かった。」
何か…普段メッセでのやり取りばかりだから、こうして声を聞くと凄くドキドキするけど…それと同じくらい安心する。
<今週末なんだけど、家の近くで花火大会があるんだけど来ない?毎年この日はオフにしてもらって、runaのメンバー全員で集まって見るんだ、今年は桔梗や光希ちゃんや毅流君や-bule-のメンバーを呼ぼうかなと思って…どうかな?>
「い、いいの?」
みんなも一緒なら心強い。
<勿論、-bule-のメンバーからはOKもらったし、シュウから光希ちゃんと毅流君にも連絡してもらってOKもらったんだ。>
そう言えばあの打ち上げの日、光希と毅流はシュウと連絡先交換してたんだったな。
あんだけ緊張しておったのに、やるな光希、流石だ!
<桔梗?>
「あっ!う、うん大丈夫、みんなと一緒に行くよ。」
<良かった、楽しみにしてる。>
「うん、あたしも楽しみ。」
花火どれくらい上がるんかのぅ。
楽しみ。
<それは花火が楽しみ?俺と会えるのが楽しみ?>
「ひょっ!」
<クスクス、花火が楽しみなのは分かるけど、俺と会えることも少しでいいから楽しみにしててね。>
「う、うん…。」
また緊張するかもしれないけど、それでもやっぱり、会えるのは嬉しい。
電話が終わりスマホをテーブルに置くとふぅっ、と息を吐き出し背もたれにもたれかかる。
「…。」
何か…runaのリョウに会いに行くって言うより、遼平に会いに行く感じ…。
これって、遼平、喜ぶかな?
…て、何浮かれとるんだあたしは。
浮かれた自分を戒めていると、ノックの音。
「はい?」
返事をすると海斗が入って来た。
「桔梗今大丈夫~?」
「大丈夫、どうぞどうぞ。」
座り直し、並んでソファに座る。
「どしたの?明日のこと?」
「違うよ~、お誘いの電話、あった?」
「あ、うん、今ケントさんと遼平から。」
「…。」
普通に遼平って呼んでるなぁ。
「かぁ君?」
「あぁごめん、ボクのトコにもついさっきねぇ、カズ経由で来たよ、カズはシュウとよく連絡取り合ってるみたいだから。」
「じゃあみんなで行ける?」
「うん、今週末は特に何もないしねぇ。」
ライブも月末までないし。
でもこのタイミングで会うのか…。
「花火楽しみだね、あ…何かみんなで食べる物作って持って行こうかな。」
「いいんじゃなぁい?ボクも作るの手伝うよぉ。」
「ありがとう。」
遼平、喜んでくれるといいな…。
「桔梗、今何考えてた?」
そう言った海斗に顔を覗き込まれる。
「え、あ…みんな喜んでくれるといいなって。」
「桔梗の手料理ならみんな喜んでくれるよぉ。」
桔梗は嘘が下手だね。
みんな、じゃなくてリョウに喜んでもらいたいんでしょ?
これはもう…兄貴がどうにかしないと…。
だけど…。
兄貴の幸せも大事だけど、桔梗の幸せも願ってるし…。
俺的には兄貴に桔梗を幸せにしてもらいたいんだけど…。










 結局エンジンのかかった桔梗は止められず、マネージャーからスタッフの皆様にも伝達してもらい、たった今昼休憩に入ったところ。
とは言えあらかじめロケ弁はあるので、桔梗にも量は少なめで頼む、と伝えてあった。
ロケバス近くの大きな木の日陰に巨大なブルーシートを敷き、桔梗に持たせてもらった特製ジュースを飲みながらスマホをチェック。
まだ着いてないのか?
と思っていると、
「桃也、知り合いって人が訪ねて来てるんだが…。」
マネージャーが声を掛けてきた。
「桔梗だろ?あらかじめ伝えたし写真も見せたじゃんか。」
言いながら立ち上がっていると、
「いやそれが…写真の子と違うんだ。」
「は?」
誰だ…?
怪訝な顔をしながらマネージャーと共に行くと
「久し振りね桃也。」
「やっほ~、ちゃんと俳優やってるのね。」
「花蓮っ、崎島っ、何でここに!」
「久々に帰国したからついでに桃也に会おうと思ったんだけど、桃也連絡先変えたでしょ?だから静音さんに聞いたの、そしたらここでロケしてるって言うから真雪と来ちゃった。」
日傘をクルクル回しながらニコッと笑う。
「だからって今日に限って…。」
お袋の奴…また勝手に社長に電話して聞きやがったな…!
何でよりにもよって桔梗が来る日に花蓮まで…!
「ねぇねぇ、静音さんから聞いたんだけど桔梗ちゃん、ここに来るんでしょ?会ってみたい!」
「何でお前が…お袋か…!」
「うん、桃也とは連絡取ってないけど静音さんとは取ってたから桔梗ちゃんの話も聞いてるの。」
「そんなに連絡してんなら、お袋に俺の連絡先聞きゃあ良かったろうが…っ。」
「あ!言われてみればそうだよねぇ。」
何て言ってあははと笑う。
「それより桔梗ちゃんまだ来ないの?早く会いたい~。」
「残念ながら桔梗はここまで来ないで帰ったっす。」
声の方に目をやると、そこにはお重を持った光希、クーラーボックスを持った毅流が立っていた。
光希はメンチを切りながら桃也の目の前に立つと、
「元カノと会う約束あんなら差し入れ何か頼むなよ…!」
言いながら強引に桃也にお重を渡す。
「桔梗は…っ?」
「海斗兄が連れてった。」
毅流が答えながらマネージャーに会釈して、クーラーボックスを手渡す。
「あのごめんなさい、誤解してるみたいだから言わせて、別にあたしと桃也は約束してたわけじゃなくて、あたしがサプライズで来ちゃっただけで…。」
花蓮の言葉の途中で光希は花蓮をチラッ、と見てから再び桃也を睨む。
「別にどうでもいい。」
「ねぇちょっと、花蓮の話ちゃんと聞きなさいよ。」
真雪が光希に詰め寄ろうとしていたが
「行くぞ毅流。」
光希は真雪を完全に無視して、踵を返して歩き出す。
「じゃあモモ兄、それよろしくね。」
毅流もそれだけ言って光希の隣に付いた。
「ちょっと待ってくれ!」
桃也の声を背中で受けた光希がピタッと止まる。
「わりぃけど待てねぇな…、誤解とかそんなんはどうでもいい、あたしにとって1番重要なのは桔梗が傷付けられたことだ…!」
「それは…!」
「もう行く、これ以上ここにいたら自分で自分を抑えられねぇ…!」
「光希行こう、桔梗が待ってる。」
ホントにこれ以上ここにいたらヤバいと思った毅流は、光希の手を引いて足早に去って行った。
「クソ…っ。」
「ごめんなさい桃也、あたし今から追い掛けて…!」
「止めてくれ、もう…ほっといてくれ。」
そう言って休憩場所に戻ろうとしている桃也に、歩み寄ろうとした花蓮の前に立ったのはマネージャー。
「すみません、桃也はこの後も仕事がありますので、申し訳ありませんが今日は帰って頂けますか。」
と言うと深々と頭を下げ、桃也と共に戻って行った。
「花蓮…、あの子たち追い掛けて誤解を説いた方が…。」
真雪の言葉に花蓮は首を振る。
「帰ろう、あたしたちはここに来ちゃいけなかったのよ。」










 海斗は桔梗を助手席に乗せてからエンジンをかけて、
「少し外で電話してくるね。」
と、敢えて桔梗を1人にした。
車内で1人になった桔梗はさっき見た光景、桃也が花蓮と会っているところを思い出し、膝を抱えて丸くなる。
「大丈夫大丈夫、あの頃みたいに小さい子供じゃない…。」
呪文のように呟く。
大丈夫、大丈夫、大丈夫、絶対壊れない頑丈な箱に全部入れて、しっかり蓋を閉めて、絶対切れない鎖で箱が見えなくなるくらいグルグル巻きにして、鍵を失くした南京錠を掛けよう。
そしたらその箱は絶対開かない。
その箱に全部詰め込んで、心の奥底に沈めてしまえばいいんだ。
そうすれば大丈夫、大丈夫、あたしは大丈夫。
「大丈夫、大丈夫、あたしは大丈夫、大丈夫、大丈夫、あたしは大丈夫…。」
桔梗が何度も何度も繰り返して唱えている頃、外の海斗は…。
「あ、母さん?」
静音に電話をしていた。
「あぁそうやっぱり、母さんが花蓮さんに兄貴の場所教えたわけね。」
おかしいと思った。
兄貴は1度電話番号から何から、全部変更してるし。
桃也がにわかに忙しくなってきた頃、何処からか桃也の連絡先が流出してしまった事件があり、咲樹の勧めで電話番号から何まで全部変更しているのだ。
「今日ね、桔梗が兄貴に差し入れする日だったんだよね、母さん的にはサプライズとか軽く考えてたのかもしれないけど、母さんの可愛い可愛い桔梗に大ダメージを与えるには充分だったよ、よって俺も毅流も桔梗も、しばらく家には帰りません、いやぁ、良かったよ、母さんたちが取材で明日まで家空けてて、ゆっくり荷造り出来る、ちなみに母さんからの連絡は一切受けないから。」
とまで言うと、何か早口で捲し立てている静音をお構いなしに、さっさと電話を切ってしまった。
「たく…ふざけんな…!」
凶悪な顔でタバコを取り出しくわえると、火を点けてスパスパ吸う。
大体浮かれ過ぎなんだよ、馬鹿じゃねぇの?!
温厚な海斗も流石にキレてしまい、イライラしながらタバコを吸っていると、
「海斗兄!」
毅流と光希が駆け寄って来た。
「桔梗はっ?」
「大丈夫、車内にいるよ、それより相談があるんだけどいい?」
「あ、う、うん…。」
こんなに怒ってる海斗兄、初めて見たかも…。
海斗は静音との電話の内容を話した。
「俺はカズとヒロんトコにでも泊めてもらう、それで光希、悪いんだけど…。」
「分かってる、毅流と桔梗は家で預かる、まぁそのつもりだったし。」
「ありがとう、じゃあ帰りの車内でそう仕向けるように話そう。」
「分かった。」
海斗さんも相当キレてるみてぇだけど、冷静さは欠けてないから助かった。
お陰でこっちも冷静になれたな。
話がまとまったところで3人は車に乗り込み、
「さぁて帰ろうかぁ、シートベルトしてくれるかなぁ?」
海斗が明るい声で言った。
「へーき、もうしてる。」
「流石桔梗、偉いねぇ。」
頭をナデナデしてやる。
「それでは出発しますよ~。」
ゆっくりと車を発進させ、駐車場から出ようとしている中、桔梗は後ろに座る光希の方を向く。
「どした?」
「今日からしばらく光希の家に泊まっていい?」
「へっ!あ!あぁいいけど、どうした?」
「久々に稽古受けたい、いい?」
「勿論っ、あたし自らみっちりしごいてやる。」
「お手柔らかにしてくだせぇよ。」
笑う桔梗を見ながら光希は思った。
桔梗から言ってくれたのはありがてぇけど、つまりはそれ程のことだったってことだ…。
クソッ…覚えとけよ、いくら桃也さんでも許さねぇ…!
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