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バイト先、突撃
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めぐみ達は大家さんにお礼を言ってから菊池の家を後にし、めぐみのバイト先であるハンバーガー屋に来ていた。
外から店内を覗いてみると、菊池が所有していた写真の男が働いているのが見えた。
「まさかあの人が置き去り殺人事件の犯人候補とは、ほんと怖い世の中ね。」
めぐみはしみじみと呟く。
「いや、あの人って店長だろ?そんなことあるのかよ。あんな穏やかそうな顔の人が連続殺人犯って、しかも警官殺しまで・・・。ちょっと信じられないよ。」
「わたしもまさか店長が人殺しとは思わなかったわ。でももしそうなら、菊池さんは店長の様子を探るために週に何日もここに来てたってことね。じゃなきゃ近くに警察署がある訳でもないのに、あんなに頻繁にハンバーガーばっかり買いに来ないわよ。」
めぐみ自身は働いていることもあり、割引きで全てのバーガーを食べれるのだが、月に一度食べるかどうかという程度だった。故に週に何度も買いに来るお客が理解できなかった。もちろん菊池だけでなく、そんなお客はたくさんいる。
そういえばあの高校生もよく休憩時間にハンバーガーとポテトを食べている。よく食べているだけあって、働きだした当初に比べて明らかに大きくなってきているのが分かる。しかし彼女は、「最近胸が大きくなっちゃって、肩凝るんですよね~。」と胸以外の成長には気づいていないようだった。実に羨ましい性格である。そして実際、胸がどんどんでかくなっていることも、めぐみとしては羨ましい限りだった。(1カップでいいから分けてくれないかしら。)
「で、どうするんだ?」
めぐみの束の間の現実逃避は、優馬の問いかけにより終了した。
「ん~そうね、いきなり突撃してあなたは人殺しですかって聞いても正直に答えるわけないし、逆上して殺されたら困るものね。とりあえず、彼が本当に殺人犯なのか確かめなければいけないわね。」
「殺されたら困るどころじゃないけどな・・・。」
しばらく宙を見上げて考えてから、めぐみが口を開いた。
「休憩室に店長の鞄があるはずだから、まずは鞄の中から調べてみましょうか。手帳でもあれば何か分かるかもしれないし。それとシフト表も確認してみるわ。今までの事件があった日、店に出ていたか調べてみる。」
「おお、そうか。じゃあ俺は外で待ってても大丈夫か?」
「いいえ、あなたにも協力してもらうわ。店長は今店に出てるけど、いつも誰か一人は休憩室で休んでるの。今の時間だと、高校生の女の子が居ると思うわ。優馬にはその子の気を引いてて欲しいの。部屋の奧に、周りから見えなくなってるパソコンが置いてあるスペースがあるから、私がその隙にそこでシフトの確認と店長の鞄の中を探ってみる。」
「え、でも従業員でもない俺が休憩室に入っていったらおかしいだろ。」
「そうね、優馬はバイト希望ってことにしましょう。私の紹介ってことで連れてくわ。どんな仕事内容か教えてほしいとかって言って、適当に話してて頂戴。」
「まじか、俺高校生とそんなに話せるかな。キモイとかウザいって言われたらどうしよう。話続ける自信ないよ・・。」
「大丈夫。優馬は見た目爽やかでかっこいいし、きっと彼女も喜んで話してくれると思うわ。」
「そ、そう?ま、必要な役割だしな。いっちょ高校生の気を引きますか!」
めぐみの生温かい視線にはまったく気づかず、優馬は大股で裏口にある従業員入口に向かって行った。めぐみも視線はそのままに、優馬の後を追った。
外から店内を覗いてみると、菊池が所有していた写真の男が働いているのが見えた。
「まさかあの人が置き去り殺人事件の犯人候補とは、ほんと怖い世の中ね。」
めぐみはしみじみと呟く。
「いや、あの人って店長だろ?そんなことあるのかよ。あんな穏やかそうな顔の人が連続殺人犯って、しかも警官殺しまで・・・。ちょっと信じられないよ。」
「わたしもまさか店長が人殺しとは思わなかったわ。でももしそうなら、菊池さんは店長の様子を探るために週に何日もここに来てたってことね。じゃなきゃ近くに警察署がある訳でもないのに、あんなに頻繁にハンバーガーばっかり買いに来ないわよ。」
めぐみ自身は働いていることもあり、割引きで全てのバーガーを食べれるのだが、月に一度食べるかどうかという程度だった。故に週に何度も買いに来るお客が理解できなかった。もちろん菊池だけでなく、そんなお客はたくさんいる。
そういえばあの高校生もよく休憩時間にハンバーガーとポテトを食べている。よく食べているだけあって、働きだした当初に比べて明らかに大きくなってきているのが分かる。しかし彼女は、「最近胸が大きくなっちゃって、肩凝るんですよね~。」と胸以外の成長には気づいていないようだった。実に羨ましい性格である。そして実際、胸がどんどんでかくなっていることも、めぐみとしては羨ましい限りだった。(1カップでいいから分けてくれないかしら。)
「で、どうするんだ?」
めぐみの束の間の現実逃避は、優馬の問いかけにより終了した。
「ん~そうね、いきなり突撃してあなたは人殺しですかって聞いても正直に答えるわけないし、逆上して殺されたら困るものね。とりあえず、彼が本当に殺人犯なのか確かめなければいけないわね。」
「殺されたら困るどころじゃないけどな・・・。」
しばらく宙を見上げて考えてから、めぐみが口を開いた。
「休憩室に店長の鞄があるはずだから、まずは鞄の中から調べてみましょうか。手帳でもあれば何か分かるかもしれないし。それとシフト表も確認してみるわ。今までの事件があった日、店に出ていたか調べてみる。」
「おお、そうか。じゃあ俺は外で待ってても大丈夫か?」
「いいえ、あなたにも協力してもらうわ。店長は今店に出てるけど、いつも誰か一人は休憩室で休んでるの。今の時間だと、高校生の女の子が居ると思うわ。優馬にはその子の気を引いてて欲しいの。部屋の奧に、周りから見えなくなってるパソコンが置いてあるスペースがあるから、私がその隙にそこでシフトの確認と店長の鞄の中を探ってみる。」
「え、でも従業員でもない俺が休憩室に入っていったらおかしいだろ。」
「そうね、優馬はバイト希望ってことにしましょう。私の紹介ってことで連れてくわ。どんな仕事内容か教えてほしいとかって言って、適当に話してて頂戴。」
「まじか、俺高校生とそんなに話せるかな。キモイとかウザいって言われたらどうしよう。話続ける自信ないよ・・。」
「大丈夫。優馬は見た目爽やかでかっこいいし、きっと彼女も喜んで話してくれると思うわ。」
「そ、そう?ま、必要な役割だしな。いっちょ高校生の気を引きますか!」
めぐみの生温かい視線にはまったく気づかず、優馬は大股で裏口にある従業員入口に向かって行った。めぐみも視線はそのままに、優馬の後を追った。
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