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絶対支配領主『バハムート』人類衰退度A+
第18話 いざ竜退治へ
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タイガは一人、荒野の岩陰に身を潜めていた。少しでも闇が晴れるのを待っているのだ。
彼もある程度夜目が利くとはいえ、通常時よりも精度に欠けるのは間違いない。しかし竜種は鼻が利く。大雑把な範囲攻撃を主とする相手に、闇夜は有利に働く。
悠長にしていられる時間はないものの、間もなく明るさを取り戻してくるだろう。それを待ってからでも遅くはない、という判断だ。ただでさえ劣勢なのだから、せめて環境くらいはフラットを保ちたい。
土地勘のない場所だが、特に迷うことはなかった。目印の火山が常に見えていることと――――カンユ村から目的地まで、一直線に巨大な何かが通った痕が刻まれていたからだ。あたかも大蛇が大地を横切ったような。
それがバハムートによる一撃なのだと、タイガは薄々勘付いていた。バハムートは根城からカンユ村まで、動くことなくブレスを放ったのだ。
竜の索敵範囲外に、ポッと小さな灯火が浮かぶ。タイガがジッポライターに火を点け、煙草に火を灯したのだ。
ふう、と匂いを楽しむ。異世界によっては煙草が存在しない世界もあるため、常にストックしてあるが、前もこの世界にも煙草は見当たらなかった。これが最後の一箱だ。
「…………、」
彼は決戦の前には、いつもこうやって煙草を楽しむ。言わばゲン担ぎのようなもの。元々は、これが最期になるかもしれない、というネガティブ思考から始まったことだった。そして今もそういう思いが煙とともに胸の中に渦巻いている。
(今回ばかりは厳しいかもしれんな……。数では大きく離されている上に、ドラゴンは決して雑魚じゃない。それが徒党を組むとなれば、俺も本気を出さざるを得ないだろう。加えて、これまでに何人かの転生者を殺してきたバハムートが控えている。実力が拮抗しているかもしれない……)
不安要素を挙げればキリがない。しかしそれを前もって把握しておくことで、火事場であっても慌てずに行動することができる。少なくとも彼はそうしてきた。
じっくりと煙草を味わっていると、急に空気がざわついてきた。何体かのドラゴンが接近してきているのだろう。煙にでも釣られて来たか、思いのほか嫌煙家だったらしい。
ちょうど煙草も短くなってきたので、タイガは諦めて岩陰から離れた。頭上には五体のドラゴンがバラバラに旋回を繰り返している。
「さてと……」
タイガは片手剣を作り、戦闘態勢を整えた。かつて触ったことのある竜殺しの剣を模した武器を、【調和】の力によって作り出したのだ。
名残惜しさとともに、煙草を後方へと放り投げた。
「――――悪いが道、開けてもらえるか? その先で女性と待ち合わせをしているんだ」
見上げて告げるも、ドラゴンらは拒むように吼えた。ピリピリと大気が震える。
分厚い黒雲の向こうで太陽が昇ったのか、周囲が一気に明るさを取り戻す。タイガは迎え来る敵の姿をしっかりと見据え、予備動作なしに飛びかかった。
「行くぞ――――いざ竜退治だっ!!」
彼もある程度夜目が利くとはいえ、通常時よりも精度に欠けるのは間違いない。しかし竜種は鼻が利く。大雑把な範囲攻撃を主とする相手に、闇夜は有利に働く。
悠長にしていられる時間はないものの、間もなく明るさを取り戻してくるだろう。それを待ってからでも遅くはない、という判断だ。ただでさえ劣勢なのだから、せめて環境くらいはフラットを保ちたい。
土地勘のない場所だが、特に迷うことはなかった。目印の火山が常に見えていることと――――カンユ村から目的地まで、一直線に巨大な何かが通った痕が刻まれていたからだ。あたかも大蛇が大地を横切ったような。
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竜の索敵範囲外に、ポッと小さな灯火が浮かぶ。タイガがジッポライターに火を点け、煙草に火を灯したのだ。
ふう、と匂いを楽しむ。異世界によっては煙草が存在しない世界もあるため、常にストックしてあるが、前もこの世界にも煙草は見当たらなかった。これが最後の一箱だ。
「…………、」
彼は決戦の前には、いつもこうやって煙草を楽しむ。言わばゲン担ぎのようなもの。元々は、これが最期になるかもしれない、というネガティブ思考から始まったことだった。そして今もそういう思いが煙とともに胸の中に渦巻いている。
(今回ばかりは厳しいかもしれんな……。数では大きく離されている上に、ドラゴンは決して雑魚じゃない。それが徒党を組むとなれば、俺も本気を出さざるを得ないだろう。加えて、これまでに何人かの転生者を殺してきたバハムートが控えている。実力が拮抗しているかもしれない……)
不安要素を挙げればキリがない。しかしそれを前もって把握しておくことで、火事場であっても慌てずに行動することができる。少なくとも彼はそうしてきた。
じっくりと煙草を味わっていると、急に空気がざわついてきた。何体かのドラゴンが接近してきているのだろう。煙にでも釣られて来たか、思いのほか嫌煙家だったらしい。
ちょうど煙草も短くなってきたので、タイガは諦めて岩陰から離れた。頭上には五体のドラゴンがバラバラに旋回を繰り返している。
「さてと……」
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名残惜しさとともに、煙草を後方へと放り投げた。
「――――悪いが道、開けてもらえるか? その先で女性と待ち合わせをしているんだ」
見上げて告げるも、ドラゴンらは拒むように吼えた。ピリピリと大気が震える。
分厚い黒雲の向こうで太陽が昇ったのか、周囲が一気に明るさを取り戻す。タイガは迎え来る敵の姿をしっかりと見据え、予備動作なしに飛びかかった。
「行くぞ――――いざ竜退治だっ!!」
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