簡単に運命と言わないで――二人のアルファに囲まれて――

かぎのえみずる

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長内編

第四話 甘くない初夜


 キスをしながら僕の意識は取り戻すことができた。
 最初はふわふわした気持ちで分からなかったが、今ならこの椿の家らしき場所だと分かる、フェロモンの残り香がすさまじい。
 この場にいるだけで、体に毒な気がして、僕にキスをし続けて舌を絡ませている椿にけりをいれる力すらも今はなかった。身体がむずむずとし、熱くなっていく。熱を発散させたい。その欲を煽るように、椿は熱い口づけをしてくる。

「やだ、やめ、て。あん、やぁっ……」
「嫌がってる声じゃないよな、つーかむしろ期待してるじゃん。期待しなかったらここ濡れるわけねぇんだよ」
 下着のぬめりを強調され、僕は泣きそうになると、椿はうっとりと愛しげに見つめてきた。

「運命、か。ははは、運命、か。そうやってオレだけに感じてろよ」
 罵る声にどきりとし、興奮が止まらず、またしても僕は勃起してしまう。
「やだ、また……! うう、何でこんな……他人に勃起したことないのに」
「何でって? 相手がオレだから」

 言い切る自信がすごいな!!
 でも強気な言葉を耳元で囁かれれば、それだけでちんこや後孔がひくつく。
 やだもう、言うこときかないんだ、この体!
 体はもっともっと、と椿をほしがり、椿の大きな肉棒を望んでいる。

 丁寧に乳首を舌で転がしている椿を見て、はっとした僕と椿は今裸でベッドで抱き合っている状態なんだと。
 最後の良心なのか、首にあるチョーカーは取られずに済んでいる、そこにまでいく余裕がなかったのかは分からないが今は項は無事だと分かった。

 間接照明で、椿の余裕ない顔にくらりとし、張り詰めて僕を追い立てる言葉責めにはちんこが痛くなるくらい感じてしまう。

 これが運命?
 僕の運命だって?

「乳首も勃起させといてオレを拒絶とか、あり得ないから」
 唇を離し、椿は体勢を起き上がらせ、僕の胸で自身を擦り、はぁはぁと興奮していく。
 ――だめ、だ、この強烈な雄の香りに逆らえない。
 擦っている肉棒に顔を近づけると、察した椿が僕の頭をひっつかみ、僕に咥えさせた!
 椿は高笑いしながら夢中で腰をふり、僕の口に白濁を流しても、まだ堅いままだった。

「飲めよ、ほら、せっかくの番なんだから愛し合おうぜ?」
「ん、っく……」

 こんな強引な番があってたまるか! といいたかったが、僕はなぜか理性が働かなくて飲んでしまい、それを美味しいと感じてしまいそのまままた舐め続けてしまった。
 椿は気持ちよさそうに「いいこだ」ととびきり甘い声で頭をなでてくれた。

「おい、し。も、っと」
「ああ、それいいな、興奮する。アンタ本当に処女か? ……もっと口をすぼめろ、そう、その調子だ、いいこ、だ、密」
「はぁ、ン、ン、もう、わけわかんない……。すごく、抱かれたい……それで頭いっぱいで、怖い」
「随分と素直になってくれて、よかった。あまり拒絶されすぎると、ナイーブだから萎えるんだ」

 嘘つけ、愉しそうな顔しやがって。
 亀頭に舌をぐりぐりとし早く挿入してほしいと腰をなでる行為により伝えると、まだだ、と切なげな声を漏らしたまま口から屹立した自身を抜くなり体を下へずらし僕の秘所へ顔を埋めて舐めた。
 舌の先を尖らせ、差し入れすることにより、僕の体が波打ち腰がくねる。

「ああん! はぁ、はぁ、だめぇ、それ、待ってえ……!」
「待つわけないだろ、美味しそうに愛液垂らしてるぞ」

 枕元にあったローションを取り出すなり乱雑にかけ、更に滑りをよくするもんだから、更に快楽が体を満たす。

 何これ、世の中の人たちは、恋人たちはこんな甘美な快楽を得続けているのか?!
 こんな甘さ知らない、こんな気持ちよさ、知らない!!
 知りたくなかった、知ってしまったら抜け出せなくなるから……。

「かわいいかわいい処女だからな、美味しいな。もっと痛がるかと思ってた、やっぱり相性いいんだな、オレとアンタ」
「んんん、もっと、もっとおねがあい」

 舌っ足らずになってしまうのは閨だからと信じたい、椿は薄く笑い、枕元からゴムを取ると封を切りくるくると嵌めていく。
 はめおわると、すっかり解れた僕の中へ――ゆっくりと埋め込んでいく。

「ああああ!!」
「ああ、っ、この、きつさ、確かに処女だ……もっと呼吸しろ、力抜けよ」
「できな、できない」
「オレができるっていうんだから、できるんだよ。やるんだよ。やれよ」

 頬にキスをされると少し力んでいた体は柔らかくなった、体のあちこちにキスされるたびに力んでいくのが静まる――となると、当然……。

「ッああああ……!!」

 きっちりはまるわけだ。しかも、何この、堅さ。椿の堅くて、気持ちよくて、涙が出る。
 とっさに腹の中に入ってるのかな、と腹をなでると、その姿に椿は興奮し僕の両手をベッドに押しつけ律動しだした。
 腰を最初こそゆっくりとピストンしていたが、徐々にスピードが変わっていき、激しくなっていく。肉の叩きあう音が響き、それがやたら淫靡であった。

「あ、あ、きもちい、気持ちいいよ、つばきぃ!」
「ひそか、オレも……ああ、やっと見つけた、運命だ」

 汗水を静かに流しながら、僕は椿の手の中により射精し、椿は椿で達したようだった。
 ぜいぜいと息をついても、まだこの狂宴が終わる気配がなかった。

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