簡単に運命と言わないで――二人のアルファに囲まれて――

かぎのえみずる

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長内編

第七話 椿とのじゃれ合い

「番が二人だなんて関係ねぇ、アンタはオレの物になりゃいいんだよ」
「だから、そういう強引なところがだめなんだよ!」
「だめなもんか、強引なほうがときめくだろ。流されやすいアンタには」
「うるさい、象将軍」
「褒めていただきありがとうございまーすぅ、その象さんであんあんいってたくせに」
「そうだよ、気持ちよかったんだよ馬鹿!! 言うなよ! こんなの初めてなんだよ!」
「だよなぁ、もっとシたいよなぁ、あーあ可愛かったのに。抑制剤なんて飲ませやがって」
「椿と港先生ってどういう関係なの」
「あ、嫉妬? 妬いてくれる? 可愛いなぁ!」
「違うよ、もう色ぼけいい加減やめろよ馬鹿! 顔から手はーなーせ!」
「その口でまた、えっちしてって言うまでは……いって! 何するんだ、くそ野郎!」
「この子が困ってるだろ」

 港先生が椿の頭をはたいてから僕にミルクスープをまた渡してくれた。
 椿はぷーくすくすと馬鹿にするような笑みを浮かべ、にたらにたらとしていた。

「この子だって。まだ名前知らねぇのに、番がどうとか説教垂れて口説いてたんだ? さみしいやつー」
「長内密です」
「あ、てめぇ! 何だって名前教えるんだよ、こら!」
「名前知らないと不便だからだろ! ガキくさいこというなよ!」

 大人な港先生に比べたら、若くてもそれでも僕より年上のはずの椿のなんと子供くさいことか!
 港先生は椿をスルーして、少し目を眇めてから、椿とは反対側にベッドの縁に腰掛け僕を抱き寄せた。

「……頭では理解できるが、やはり自分だけの恋人候補を共有しなければいけないのは、苛立つな」
「み、なと先生」
「雪道でいいよ、密くん。そいつは、呼び捨てなんだろう?」
「え、あの……雪道、さん?」

 椿の場合尊敬にそろそろ値しない範囲の行動に出てるからなんだけど、それでも雪道さんは妬いてしまうようだった。

「身体食ったのもオレが先だしな」
「私はそれなら、心を先に頂こう……お前のことなど目に入らないよう、ゆっくりゆっくりと密くんを私に夢中にしてあげよう」
 指先にキスをされ、ぼっと一気に顔が赤くなる。
 それを見た椿が、苛ついた様子で「好きにしろ!」とまた洗面所に行き、髪を乾かしにいった様子だった。

「密くん、もし時間があれば、デートなんてどうかな」
「腰が、その、ずっとしてたので……」
「密くん、返事は応としか認めないよ。椿にこれだけ、痕を許したのなら、私からのデートの誘いなんて可愛い物だろう? 腰が痛いなら、抱えてあげるよ」

 あ、だめだ。
 さすが椿の知り合い、この人も若干俺様っぽい人だった……!

 運命が二人だなんて、
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