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長内編
第十八話 椿と港の関係
次の日、雪道さんの苦手なものを探る――雪道さんは割と何でも出来てしまうから面白くない。
ただ一つだけ弱点を見つけた――女子高生。雪道さんと二人でデートに出かけたとき、女子高生のファンが声をかけてきて気まずそうだったのだ。
「若い女の子は宇宙人みたいに感じるんだよ、私はおじさんだからね」
気恥ずかしそうに言っていた雪道さん。ある日雪道さんの仕事スケジュールに受諾しようか本人が悩んでいるものを見つけて僕は雪道さんに求めるものを決めた。この人は物品じゃ駄目だ、行動が欲しい。真剣な行動が。
「雪道さん。女子高生モデルから取材体験っていう仕事あるんですね」
「ああ、うん。一ヶ月のやつね……断ろうかと悩んでいて」
「その取材受けてください。……そうでないと、僕は敬語を取らないし、名前呼び捨てもしないです」
「……へぇ、挑戦的だね。それは閨でもかな?」
「ベッドの上でなら、何か一つだけお願い事叶えますよ」
「そうこなくちゃね、分かった。気は進まないが、君からの可愛いおねだりだ、引き受けよう我が姫」
雪道さんにもかぐや姫が元ネタだとばれていたので思わず笑ってしまった。
その日から椿も雪道さんも苛ついたり、ぐったりする日が増えた。
椿はオークションを見るなり、フリマサイトをチェックするなりしていたが、それでも例のソフトは見つからず。ポン太郎ォオオオオオ! と憎しみで毎日叫んでいた。
一回だけ入手できそうで狂喜乱舞していたのに掴まされたのは、海賊版でぶち切れながら通報していた。
対する雪道さんは、女子高生モデルからの取材が一日だけではないと知ると青ざめて、一ヶ月密着取材という状況に辟易としていた。
女子高生の子はいいこで可愛いのだけれど、やはり今時の子というのが強く前面に押し出ている雪道さんがもっとも苦手とするタイプの子だった。
そんな中、僕は二人の密接な過去を見つけてしまった。二人の荷物。アルバムを整理していたら、二人が小さい頃にそれぞれ、同じ大人が写っているのを知った。
最初は偶然かもしれないと思ったのだが、写真から漂う親密度で何かが違和感を唱えていた。
オークションでまた負けた椿に、僕は声をかけてみた。
「ポン太郎、マジ、マジこの野郎、ポン、ポン太郎ォオオオオオ! ぶち殺すぞ!」
椿はパソコン越しに雄叫びをあげていた。
「椿、今大丈夫?」
「あ? 何だよ、今機嫌悪いンだけど!」
「その、雪道さんと椿って……昔何かあったの?」
「へ? ああ、アルバム整理するっつってたな。ああ、あれだよあれあれ。ただの異母兄弟」
「うん、と?」
「要するに親父の不倫相手がうちのお袋でさあ、オレができたから親父があいつの家庭よかうちのお袋選んだんだよ。うちの親父は運命のオメガが二人いる、オレ達と逆パターンだったんだ。皮肉だよな、血を濃くついでる、違う形に」
「ああ、だから仲が悪いけど、他人っぽい空気ではなかったんだね」
「何、そんな風に見えるのか。それよりポン太郎だよ、ポン太郎! 何だよあいつ、いろんなコラボしてる時期あるからか似たソフト名あるうえに、偽物多いわ、ばっか高いわ!」
「ふふ、諦める?」
「オレは諦めが悪い。つか、ここまでくると逆に滾るね!」
椿は僕に手を伸ばし、膝の上に乗せると身体にセクハラはするものの、抱こうとはしなかった。
それがじれったく、僕は条件を出しておきながら、椿に抱かれたい気持ちでいっぱいだったのだ。
「密、前にオレ、兄貴が嫌いだったって話したよな? 異母兄が雪道だよ。……あいつ、さ。昔からいい人面被るの得意でさ。親父あんなんだけどオレ達は仲良くしようだなんて善人面して、オレから恋人を奪ったことがあるんだ。別に対して好きじゃなかったけど、面白くはなかったな!」
「椿……だから僕が奪われそうだと思った?」
「それもあるが、オレは単純にアンタが気に入ってるよ。このオレに、ここまで執着させるとはな! っは、有難く思え」
椿からの偉そうな物言いに、悪い気がしない僕は毒されたんだなぁと笑いたくなった。
ただ一つだけ弱点を見つけた――女子高生。雪道さんと二人でデートに出かけたとき、女子高生のファンが声をかけてきて気まずそうだったのだ。
「若い女の子は宇宙人みたいに感じるんだよ、私はおじさんだからね」
気恥ずかしそうに言っていた雪道さん。ある日雪道さんの仕事スケジュールに受諾しようか本人が悩んでいるものを見つけて僕は雪道さんに求めるものを決めた。この人は物品じゃ駄目だ、行動が欲しい。真剣な行動が。
「雪道さん。女子高生モデルから取材体験っていう仕事あるんですね」
「ああ、うん。一ヶ月のやつね……断ろうかと悩んでいて」
「その取材受けてください。……そうでないと、僕は敬語を取らないし、名前呼び捨てもしないです」
「……へぇ、挑戦的だね。それは閨でもかな?」
「ベッドの上でなら、何か一つだけお願い事叶えますよ」
「そうこなくちゃね、分かった。気は進まないが、君からの可愛いおねだりだ、引き受けよう我が姫」
雪道さんにもかぐや姫が元ネタだとばれていたので思わず笑ってしまった。
その日から椿も雪道さんも苛ついたり、ぐったりする日が増えた。
椿はオークションを見るなり、フリマサイトをチェックするなりしていたが、それでも例のソフトは見つからず。ポン太郎ォオオオオオ! と憎しみで毎日叫んでいた。
一回だけ入手できそうで狂喜乱舞していたのに掴まされたのは、海賊版でぶち切れながら通報していた。
対する雪道さんは、女子高生モデルからの取材が一日だけではないと知ると青ざめて、一ヶ月密着取材という状況に辟易としていた。
女子高生の子はいいこで可愛いのだけれど、やはり今時の子というのが強く前面に押し出ている雪道さんがもっとも苦手とするタイプの子だった。
そんな中、僕は二人の密接な過去を見つけてしまった。二人の荷物。アルバムを整理していたら、二人が小さい頃にそれぞれ、同じ大人が写っているのを知った。
最初は偶然かもしれないと思ったのだが、写真から漂う親密度で何かが違和感を唱えていた。
オークションでまた負けた椿に、僕は声をかけてみた。
「ポン太郎、マジ、マジこの野郎、ポン、ポン太郎ォオオオオオ! ぶち殺すぞ!」
椿はパソコン越しに雄叫びをあげていた。
「椿、今大丈夫?」
「あ? 何だよ、今機嫌悪いンだけど!」
「その、雪道さんと椿って……昔何かあったの?」
「へ? ああ、アルバム整理するっつってたな。ああ、あれだよあれあれ。ただの異母兄弟」
「うん、と?」
「要するに親父の不倫相手がうちのお袋でさあ、オレができたから親父があいつの家庭よかうちのお袋選んだんだよ。うちの親父は運命のオメガが二人いる、オレ達と逆パターンだったんだ。皮肉だよな、血を濃くついでる、違う形に」
「ああ、だから仲が悪いけど、他人っぽい空気ではなかったんだね」
「何、そんな風に見えるのか。それよりポン太郎だよ、ポン太郎! 何だよあいつ、いろんなコラボしてる時期あるからか似たソフト名あるうえに、偽物多いわ、ばっか高いわ!」
「ふふ、諦める?」
「オレは諦めが悪い。つか、ここまでくると逆に滾るね!」
椿は僕に手を伸ばし、膝の上に乗せると身体にセクハラはするものの、抱こうとはしなかった。
それがじれったく、僕は条件を出しておきながら、椿に抱かれたい気持ちでいっぱいだったのだ。
「密、前にオレ、兄貴が嫌いだったって話したよな? 異母兄が雪道だよ。……あいつ、さ。昔からいい人面被るの得意でさ。親父あんなんだけどオレ達は仲良くしようだなんて善人面して、オレから恋人を奪ったことがあるんだ。別に対して好きじゃなかったけど、面白くはなかったな!」
「椿……だから僕が奪われそうだと思った?」
「それもあるが、オレは単純にアンタが気に入ってるよ。このオレに、ここまで執着させるとはな! っは、有難く思え」
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