16 / 35
第一部 自覚と狂宴
第十六話 洗浄代わりの挿入
しおりを挟む
オーナーは一回三人で抱くと今はまだ堕ちる気配のない柚に笑いかけ「淫乱」と囁く。 愛でも囁く甘ったるい声で囁かれた言葉は到底褒め言葉ではない。
柚はただ、ただの一回オーナーを睨み付けた――ぶわりと感じる気迫。凄み。
怒りを感じ取れば益々堕とすのが楽しみだと、オーナーは満足し、二人を背にしてドアを開けて出て行った。
――勿論カメラは残っている。
「兄さん……僕を許して。安易に、こんな、とこへ」
「いいよ、俺に付き合ってくれたんだろう……? 俺は、オーナーから、搾り取れるだけ搾る……枯葉、お願いだ。キスは、キスだけは俺だけに……」
「兄さん!!」
枯葉は柚にキスをし、深く深く舌で抉るように絡ませ、柚もまた応える。
あまりの気持ちよさにもう出ないのに、感じてしまい、悦を逃がそうと思わず離れてしまう。
「兄さん、触らせて」
「うん、……おいで」
兄の笑顔に枯葉は咄嗟に飛びつくように抱きしめ、自身の主張する雄を起立した兄の雄へと擦りつける。
擦りつけられた柚は小さく笑いかけ、枯葉の頭を撫でた。
「なぁ、枯葉……その、言いづらい、が」
「何ですか?」
「抱いて、欲しい。悪夢を、忘れさせてくれ……甘い夢を、頂戴」
*
枯葉は柚を支えると、一歩一歩を踏み確かめるように、風呂場へ連れ込みキスを優しくした。
それだけでも激しいセックスのあとの刺激だからか、柚の身体は敏感だ。
えっちなことを、枯葉としたい想いに駆られていた。
幾度も求め合うようなキスをしてから、枯葉と柚は呼吸を整える。
「兄さん、つらくないですか、大丈夫?」
「うん……お願い、突いて」
最後に貫かれたのがオーナーであった事実が、柚にとっては今はいやだった。
これから先にまたオーナーに抱かれるとしても、枯葉が最後には見捨てさえしなければそれでいい――柚は内心決意する。
尻を突き出す形で、壁に手をついた格好の柚は、枯葉の手を自分の腰に置かせる。
枯葉は柚の腰を引き寄せ、耳元へキスしたり、項を舐めたり噛んだりしながら、ゆっくりと宛がう。
萎えることのない肉棒に、枯葉は自分自身で嗤いそうになったが、柚の漏れる洗い息づかいに興奮し、抽送し始め、自身の雁で枯葉以外の欲液を掻き出そうとした。
ゆっくり、時間を味わうようなピストンで、じわりじわりと柚を追い詰めていく。
がくがくと柚の足が震えていると、枯葉は柚を抱え、支え包み込むような姿勢で抱く。
「兄さん、えろくて可愛い」
「ア……!! 言うな、よ」
可愛いだなんて普段は気にも留めない。男だから可愛いだなんて言われても何とも思わない、だがそれでもこの場で囁かれる愛情籠もった言葉に感じ入り、柚は声を震わせる。
柚には判らなかった、今日までどうして枯葉の盗撮でなければ達せなかったのか判らなかったのだ。
あの日彼女を寝取られ、獰猛な瞳が自分を捕らえた瞬間こそが――恋の始まりであったと気付く。
何とも最悪な瞬間に恋をしている、道理で友人から回ってきたAVでは駄目だったわけだ。
情事で扱いたのではなく、枯葉で扱いていたのだと気付くには遅すぎた――。
「枯葉、好きだ、好き……」
「兄さん……! 僕も、僕もです!」
柚の項に吸い付き舐めてから枯葉は囓った。大きな興奮が二人を包み込む。
「かれはぁ、奥に、欲しい」
甘いおねだりに、枯葉は柚の耳元へキスし、それでもまだゆっくりとした腰の動きだ。
緩やかな動きの方が、枯葉をしっかりと味わい刻まれてる感覚で、柚にはぞくぞくとする。
細やかな息づかいが耳に掛かるたびに、腰がくねる。
「かれは、もう――」
「兄さん、駄目ですよ。もっと貴方を味わいたい、誰も見ていない此処で」
「おねが、い。オレ、もう、もう駄目……」
「兄さん、僕だけの兄さん――……」
奥へごりごりと押し当てると、柚はがくがくと震えながら達してしまい、その締め付けにより枯葉も達する。
「ああ、――洗うつもりだったのに、僕ので染みてしまった」
言葉には清々しささえ感じる明るさで、枯葉は笑い項に噛みついた。
(枯葉が抱いてきた相手に、なりたかったのか……俺)
(枯葉、しばらくはえっちな俺でも我慢して……信じて。最後に、お前の元に戻るから)
柚はただ、ただの一回オーナーを睨み付けた――ぶわりと感じる気迫。凄み。
怒りを感じ取れば益々堕とすのが楽しみだと、オーナーは満足し、二人を背にしてドアを開けて出て行った。
――勿論カメラは残っている。
「兄さん……僕を許して。安易に、こんな、とこへ」
「いいよ、俺に付き合ってくれたんだろう……? 俺は、オーナーから、搾り取れるだけ搾る……枯葉、お願いだ。キスは、キスだけは俺だけに……」
「兄さん!!」
枯葉は柚にキスをし、深く深く舌で抉るように絡ませ、柚もまた応える。
あまりの気持ちよさにもう出ないのに、感じてしまい、悦を逃がそうと思わず離れてしまう。
「兄さん、触らせて」
「うん、……おいで」
兄の笑顔に枯葉は咄嗟に飛びつくように抱きしめ、自身の主張する雄を起立した兄の雄へと擦りつける。
擦りつけられた柚は小さく笑いかけ、枯葉の頭を撫でた。
「なぁ、枯葉……その、言いづらい、が」
「何ですか?」
「抱いて、欲しい。悪夢を、忘れさせてくれ……甘い夢を、頂戴」
*
枯葉は柚を支えると、一歩一歩を踏み確かめるように、風呂場へ連れ込みキスを優しくした。
それだけでも激しいセックスのあとの刺激だからか、柚の身体は敏感だ。
えっちなことを、枯葉としたい想いに駆られていた。
幾度も求め合うようなキスをしてから、枯葉と柚は呼吸を整える。
「兄さん、つらくないですか、大丈夫?」
「うん……お願い、突いて」
最後に貫かれたのがオーナーであった事実が、柚にとっては今はいやだった。
これから先にまたオーナーに抱かれるとしても、枯葉が最後には見捨てさえしなければそれでいい――柚は内心決意する。
尻を突き出す形で、壁に手をついた格好の柚は、枯葉の手を自分の腰に置かせる。
枯葉は柚の腰を引き寄せ、耳元へキスしたり、項を舐めたり噛んだりしながら、ゆっくりと宛がう。
萎えることのない肉棒に、枯葉は自分自身で嗤いそうになったが、柚の漏れる洗い息づかいに興奮し、抽送し始め、自身の雁で枯葉以外の欲液を掻き出そうとした。
ゆっくり、時間を味わうようなピストンで、じわりじわりと柚を追い詰めていく。
がくがくと柚の足が震えていると、枯葉は柚を抱え、支え包み込むような姿勢で抱く。
「兄さん、えろくて可愛い」
「ア……!! 言うな、よ」
可愛いだなんて普段は気にも留めない。男だから可愛いだなんて言われても何とも思わない、だがそれでもこの場で囁かれる愛情籠もった言葉に感じ入り、柚は声を震わせる。
柚には判らなかった、今日までどうして枯葉の盗撮でなければ達せなかったのか判らなかったのだ。
あの日彼女を寝取られ、獰猛な瞳が自分を捕らえた瞬間こそが――恋の始まりであったと気付く。
何とも最悪な瞬間に恋をしている、道理で友人から回ってきたAVでは駄目だったわけだ。
情事で扱いたのではなく、枯葉で扱いていたのだと気付くには遅すぎた――。
「枯葉、好きだ、好き……」
「兄さん……! 僕も、僕もです!」
柚の項に吸い付き舐めてから枯葉は囓った。大きな興奮が二人を包み込む。
「かれはぁ、奥に、欲しい」
甘いおねだりに、枯葉は柚の耳元へキスし、それでもまだゆっくりとした腰の動きだ。
緩やかな動きの方が、枯葉をしっかりと味わい刻まれてる感覚で、柚にはぞくぞくとする。
細やかな息づかいが耳に掛かるたびに、腰がくねる。
「かれは、もう――」
「兄さん、駄目ですよ。もっと貴方を味わいたい、誰も見ていない此処で」
「おねが、い。オレ、もう、もう駄目……」
「兄さん、僕だけの兄さん――……」
奥へごりごりと押し当てると、柚はがくがくと震えながら達してしまい、その締め付けにより枯葉も達する。
「ああ、――洗うつもりだったのに、僕ので染みてしまった」
言葉には清々しささえ感じる明るさで、枯葉は笑い項に噛みついた。
(枯葉が抱いてきた相手に、なりたかったのか……俺)
(枯葉、しばらくはえっちな俺でも我慢して……信じて。最後に、お前の元に戻るから)
10
あなたにおすすめの小説
弟がガチ勢すぎて愛が重い~魔王の座をささげられたんだけど、どうしたらいい?~
マツヲ。
BL
久しぶりに会った弟は、現魔王の長兄への謀反を企てた張本人だった。
王家を恨む弟の気持ちを知る主人公は死を覚悟するものの、なぜかその弟は王の座を捧げてきて……。
というヤンデレ弟×良識派の兄の話が読みたくて書いたものです。
この先はきっと弟にめっちゃ執着されて、おいしく食われるにちがいない。
たとえば、俺が幸せになってもいいのなら
夜月るな
BL
全てを1人で抱え込む高校生の少年が、誰かに頼り甘えることを覚えていくまでの物語―――
父を目の前で亡くし、母に突き放され、たった一人寄り添ってくれた兄もいなくなっていまった。
弟を守り、罪悪感も自責の念もたった1人で抱える新谷 律の心が、少しずつほぐれていく。
助けてほしいと言葉にする権利すらないと笑う少年が、救われるまでのお話。
【完結】弟を幸せにする唯一のルートを探すため、兄は何度も『やり直す』
バナナ男さん
BL
優秀な騎士の家系である伯爵家の【クレパス家】に生まれた<グレイ>は、容姿、実力、共に恵まれず、常に平均以上が取れない事から両親に冷たく扱われて育った。 そんなある日、父が気まぐれに手を出した娼婦が生んだ子供、腹違いの弟<ルーカス>が家にやってくる。 その生まれから弟は自分以上に両親にも使用人達にも冷たく扱われ、グレイは初めて『褒められる』という行為を知る。 それに恐怖を感じつつ、グレイはルーカスに接触を試みるも「金に困った事がないお坊ちゃんが!」と手酷く拒絶されてしまい……。 最初ツンツン、のちヤンデレ執着に変化する美形の弟✕平凡な兄です。兄弟、ヤンデレなので、地雷の方はご注意下さいm(__)m
ある日、人気俳優の弟になりました。2
雪 いつき
BL
母の再婚を期に、立花優斗は人気若手俳優、橘直柾の弟になった。穏やかで真面目で王子様のような人……と噂の直柾は「俺の命は、君のものだよ」と蕩けるような笑顔で言い出し、大学の先輩である隆晴も優斗を好きだと言い出して……。
平凡に生きたい(のに無理だった)19歳大学生と、24歳人気若手俳優、21歳文武両道大学生の、更に溺愛生活が始まる――。
魔王の息子を育てることになった俺の話
お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。
「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」
現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません?
魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL
BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。
BL大賞エントリー中です。
俺がこんなにモテるのはおかしいだろ!? 〜魔法と弟を愛でたいだけなのに、なぜそんなに執着してくるんだ!!!〜
小屋瀬
BL
「兄さんは僕に守られてればいい。ずっと、僕の側にいたらいい。」
魔法高等学校入学式。自覚ありのブラコン、レイ−クレシスは、今日入学してくる大好きな弟との再会に心を踊らせていた。“これからは毎日弟を愛でながら、大好きな魔法制作に明け暮れる日々を過ごせる”そう思っていたレイに待ち受けていたのは、波乱万丈な毎日で―――
義弟からの激しい束縛、王子からの謎の執着、親友からの重い愛⋯俺はただ、普通に過ごしたいだけなのにーーー!!!
転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…
月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた…
転生したと気づいてそう思った。
今世は周りの人も優しく友達もできた。
それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。
前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。
前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。
しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。
俺はこの幸せをなくならせたくない。
そう思っていた…
推しの完璧超人お兄様になっちゃった
紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。
そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。
ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。
そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる