兄さん覗き見好きなんだね?

かぎのえみずる

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第一部 自覚と狂宴

第十五話 三人でシよう

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 それは謂わば枯葉にとっては人質だ、柚を他の人間に売り渡さない代わりに、稼ぎ続けろという。
 事実枯葉の売り上げはかなり高く、人気もある。
 故に軽い気持ちでオーナーは提案してみた、拒まれても拒まれなくても面白い結果になるし、客どもには今なら枯葉を買うチャンスだというアピール。柚を買えるタイミングの希有さもアピールできる。

 枯葉は泣くのをやめて、柚が何かを応える代わりに返事する。

「条件が一つ」
「何だ? 言える立場かどうかは置いといて聞いてやるよ」
「兄さんが本気で嫌がるプレイはしないこと」
「ふぅん? まぁいいよ、それで? 早くしてくれねーかな、まだオレ性欲収まらないんだよね、お前さん前使っていいよ」

 柚の下半身を譲る気配のない悔しさを押し殺しながら、枯葉はオーナーを睨み付け、四つん這いになった柚の枕元に膝を載せてベッドに上がる。そして、そのまま少し移動すると、柚の口元へと陰茎を差し出した。
 少ししょぼくれた枯葉の分身を先ほどと違い、柚は美味しそうに頬張る。――先ほどの口淫を見ていない枯葉は、慣れたように感じて苛立ってしまった。
 苛立ちと興奮に追い詰められもっと柚を虐めたくなる――口淫をさせながら枯葉はぷっくりと膨れた胸の双丘の尖りに触れる。
 それだけで柚は目を潤ませ、枯葉を見上げる――何だか今までと色気が違う気がする。
 それは一言で言ってしまえば、蝶の羽化。色気が一気に開花されている気がした――。
 開花したのは柚が、枯葉への想いに自覚したからだと気付かず、枯葉は腰を推し進め、暖かさに生唾を飲み目を閉じ、吐息を漏らす。
 柚が口淫してる合間に、オーナーは柚の腰を固定し、貫くと流石に口淫は止まり柚は身体を仰け反らせそうになる。
 オーナーに支配される柚が憎くて愛しくて、枯葉は乱暴に喉奥まで咥えさせようと柚の頭を引き寄せた。
 オーナーはその間にも腰を振るのに夢中で、にやにやと笑っている。


「イケナイ子だねェ、柚ちゃん」
 苦しげながら懸命に枯葉のモノを柚はむしゃぶりつく、美味しげに頬張りながら後ろからくる刺激により、快楽の波が押し寄せてくる感覚が分かる。
 オーナーに対しては早く達して欲しくて柚は腰を緩やかに締め付ける素振りをすれば、枯葉は悔しげに髪を引っ張って自分だけを見ろと言いたげだ。
 枯葉は普段であれば調整できるのに、柚相手となると一気に高まってしまう。
 そんな悲惨な二人の「状況」にオーナーは、興奮し、徐々に腰の速度を速める。

「兄さんもっと、咥えて。そう、丁寧に……もう、出ま、す、イく……ッ」
「ァ……オレもイくわ、これ……!!」

 擦れる身体に走る柚の悦にあわせたタイミングで、三人は果てた。
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