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第二部 視線
第十九話 ある程度の媚びを
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乳首というモノは触れて欲しいと願えば願う程に、柚にとっては焦れてから触れて貰えば気持ちよくなるものであった。
焦れるタイミングが長ければ長いほど、より一層焦れったさの解消も重なる。
触りかたも、ただ触れるのではなく、柚の身体は捏ねられるのが大好きだった。
どんなにオーナーが自分を堕とすのを願い口説いても、いつか人は飽きるモノだ。
それならば、ある程度まで媚び可能性があるとみせ、ある程度引き追いかけたいと思わせる技術が必要だと柚は今の遣り取りで確信した。
(この人はある程度飴がないとすぐに飽きる人だ――金を上乗せさせるには、もっとお前が堕ちてこい。俺自身は渡さないけど、囓るぐらいはさせてやる)
誰だってそうだ、靡く素振りが一切無い人にいつまでもときめいていられるわけがない。
性欲だけの関係だとしても、それでも気乗りしないままであれば、この目の前にいる軽薄な男は飽きて他の者に手を出す、それだけだ。
今はできるだけ大きく纏まった金が欲しい、それであれば少しの媚びくらいはしなければならない。
柚は、声色を甘く、少しだけ気怠さを声に残す。
「触って、早く……ッ」
囁きながら背筋に「おねがい」と指文字を描けば、簡単にオーナーは興奮してくれた。
柚の熟れたように真っ赤な胸の尖りを、オーナーはローターのスイッチを止め外してやり、顔を寄せ吸い甘噛みしながら、片方は捏ねてやる。
柚の身体がぴりぴりとした快楽に溺れかける、吐息が荒々しくなり、場は一気に扇情的になる。
オーナーの愛撫を受けながら、巨大スクリーンに映る枯葉の愛撫に興奮する柚。
あの愛撫する手は自分の物だ、あの相手を攻める声も自分の物。
(枯葉、もっとお前の声、聞かせて……それが俺を煽る)
オーナーは柚の視線に気付くなり、胸の尖りをぎゅっと強く強く抓む。ぴりっと快感が電流のように走る。
「や、ぁあ!」
「集中しない子きーらい。オレを見ない子はもっと嫌い、こっちは金払ってるンだぞ」
子供じみた言葉の中には、「今の時間を買ったのは自分だ」という主張が交じっている。
柚は慌てる素振りもなく、ただただ堂々と荒い吐息のままオーナーの顔を両手で挟み、キスまでぎりぎりの距離まで迫る。
「オーナー、痛いよ、痛い、その手緩めて、ほしい」
「痛いだけじゃねーだろ」
「……うん、少し、イイ」
「色っぽいの自覚していてえっちなこと大好きな馬鹿は、オレ好み」
オーナーは柚の声に悦んで、乱暴に引き寄せ、仰向けにさせ愛咬した。
焦れるタイミングが長ければ長いほど、より一層焦れったさの解消も重なる。
触りかたも、ただ触れるのではなく、柚の身体は捏ねられるのが大好きだった。
どんなにオーナーが自分を堕とすのを願い口説いても、いつか人は飽きるモノだ。
それならば、ある程度まで媚び可能性があるとみせ、ある程度引き追いかけたいと思わせる技術が必要だと柚は今の遣り取りで確信した。
(この人はある程度飴がないとすぐに飽きる人だ――金を上乗せさせるには、もっとお前が堕ちてこい。俺自身は渡さないけど、囓るぐらいはさせてやる)
誰だってそうだ、靡く素振りが一切無い人にいつまでもときめいていられるわけがない。
性欲だけの関係だとしても、それでも気乗りしないままであれば、この目の前にいる軽薄な男は飽きて他の者に手を出す、それだけだ。
今はできるだけ大きく纏まった金が欲しい、それであれば少しの媚びくらいはしなければならない。
柚は、声色を甘く、少しだけ気怠さを声に残す。
「触って、早く……ッ」
囁きながら背筋に「おねがい」と指文字を描けば、簡単にオーナーは興奮してくれた。
柚の熟れたように真っ赤な胸の尖りを、オーナーはローターのスイッチを止め外してやり、顔を寄せ吸い甘噛みしながら、片方は捏ねてやる。
柚の身体がぴりぴりとした快楽に溺れかける、吐息が荒々しくなり、場は一気に扇情的になる。
オーナーの愛撫を受けながら、巨大スクリーンに映る枯葉の愛撫に興奮する柚。
あの愛撫する手は自分の物だ、あの相手を攻める声も自分の物。
(枯葉、もっとお前の声、聞かせて……それが俺を煽る)
オーナーは柚の視線に気付くなり、胸の尖りをぎゅっと強く強く抓む。ぴりっと快感が電流のように走る。
「や、ぁあ!」
「集中しない子きーらい。オレを見ない子はもっと嫌い、こっちは金払ってるンだぞ」
子供じみた言葉の中には、「今の時間を買ったのは自分だ」という主張が交じっている。
柚は慌てる素振りもなく、ただただ堂々と荒い吐息のままオーナーの顔を両手で挟み、キスまでぎりぎりの距離まで迫る。
「オーナー、痛いよ、痛い、その手緩めて、ほしい」
「痛いだけじゃねーだろ」
「……うん、少し、イイ」
「色っぽいの自覚していてえっちなこと大好きな馬鹿は、オレ好み」
オーナーは柚の声に悦んで、乱暴に引き寄せ、仰向けにさせ愛咬した。
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