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第一部――第一章 ただ星空がいつでも見たいだけ
第八話 醜く画策し夜は更ける
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「蟹座、この方は聡いのだからお前が動けば、何に繋がるか私が説明して星座が出来ることを言わなければならなくなるじゃないか」
「流石に黄道十二宮が出来るのはまずい。他にも理由はあるが。黄道十二宮の大抵はきっとこいつの願いならば愛属性になる。それでもし乙女座だったら、嫌だろう? それに……オレは嫌がらせが好きなんでね。そのにこにことした顔の中には、オレと同じもんが隠されているのをオレは知っている。支配欲だ。それをさらけ出すチャンスをくれてやったんだ。水瓶、お前にもだ」
蟹座は制されて少し不機嫌そうに、それでも隅で背中を壁に預けて欠伸を。それから鴉座へ視線をやり、水瓶座へも視線をやる。
水瓶座はその視線にふんと鼻を鳴らして睨み付けて、水瓶を抱き込む。
水瓶は綺麗な色をしていて、高級そうな文様が刻み込まれている。その文様はきっとプラネタリウムを作った者の国にある古代の文化だろう。
水瓶を抱き込むと、中にあるいつも満杯の水がちゃぷんと音を立てた。
「僕を性格の悪い君たちと一緒にされると、汚れて水が真っ黒になって陽炎様を癒せなくなって、この方は死んで、僕は天国までお供をしなくてはならなくなるよ」
「水瓶、お前はその癒しの水に依存成分と微妙に惚れ薬の成分があるのを知ってて、あんなに水をかけているんだろう。天に愛された美の酒童は、何と醜いことか。何もしなくてもその水は、薄汚れている」
鴉座が揶揄するように笑うと、尤もだと言わんばかりに蟹座は噴きだし、哄笑して馬鹿にするのを我慢したが、その噴きだしたことだけで十分馬鹿にしている行為だと気づかない。
水瓶座は水のことは気にしなくても、美と言われた瞬間眼をむき出しにするように二人を睨み付けて、美しい顔は歪んだ。
美しい顔が歪めば、それは迫力を持ち、二人は少しその迫力に負けないよう睨み付ける。
「不細工の気持ちなんて、二人には判らないんだ! 特に美形の蟹座にはっ!」
「星座一の美形に美形と言われると腹が立つ。鴉、そういうお前はどうなんだ? 赤蜘蛛が此方を見ていたことはお前も知っていたのに黙っていた。奪われても構わないからじゃないからか? 自分はもう、作られたからな? その男はもうどうでもいいか? 世話を焼くのも、口説くのも飽きたか?」
水瓶座の睨みにもびくつかず蟹座は睨み付けたまま加虐的な笑みを浮かべるだけで、そのまま鋭敏な眼で鴉座を見やる。鴉座は、肩を竦めて、冗談じゃないとため息をついた。
「飽きたなんて、とんでもない。名前を与えてくれたご友人とお楽しみの所、ご友人から折角親切心で情報を貰ったのに、それをむげにすることは出来ないでしょう? それに新しい星座が出来ようと出来まいと痛み虫で、あの方はまた人から遠ざけられる対象に近くなるでしょう? 人が近寄らなくなれば、側にいてあの方が一番に頼る存在は、一番最初から居た私でしょう」
誰よりも一番に自分を最優先して頼って貰う為に、自分は主人が望む姿で居るのだ。
主人が安堵するために色々と態度や、役目を考えて行動しているのだ。
その結果、他の星座以上の信頼は得ている――つもりだ。
(冠座さえ、現れなければな――。相談役を奪われるなんて。忠実で無関心だからこそ、一番相談しやすいのだろうけれど)
鴉座は歪んだ嫉妬心を、恋敵二人にわざわざ見せる必要がないので、隠したまま、にこりと微笑んでこの二人よりは信頼されている優越感を見せつける。
「私は主人を選ぶんです、これから先、他に主人が出来ても、あの方だけが私を捕らえて放さないでしょう。プラネタリウムの仕組みなんかに負けません」
「君が捕らえて放さないの間違いじゃないの? 随分と鴉は嫉妬深いから、どんな手段も厭わないで、僕らの行動も見通した上で行動するときもあるからねぇ?」
水瓶座が仕返しとばかりに鴉座を貶すと、蟹座は愉快そうに笑う。
先ほど思った嫉妬心が見抜かれたようで、鴉座はため息をついて反論しようとしたが、そこで陽炎がうるせぇと小声で呟いたので、一同は少し静かにして主人が再び完璧に眠りにはいるのを確認する。
「……寝たな」
「……寝ましたね。とにかく私たちはお互い仲が悪いですし、むかつくし、顔も見たくない。だけど、この方への願いが同じなのは判っているでしょう?」
「……――痛み虫を集めさせて、誰もが人と認めない程の強靱にして人々に疎外させて、僕らだけに依存させる」
「そのために奪われない、奪わせられないように、こいつを守る――」
水瓶座と蟹座の言葉を聞いて、鴉座は頷いて、そういうことと微笑むと陽炎の寝顔を見やりながら、苦笑を浮かべた。
陽炎の寝顔は良い夢でも見ているのか、気の緩んだ間抜けな顔になっていて、穏やかな寝息を立てている。
「私たちは醜い。ただ一人の思い人の為に、こんな酷い手段を使う。……ここまでさせたのはきっと、貴方が最初で最後ですよ、純粋なる主君――」
愛しそうに鴉座が陽炎が撫でようとしたら水瓶座が制する。それに不機嫌そうに見やってから、二人はプラネタリウムの中へ戻る。
それを眺めてから、蟹座はにやにやと笑って消えていく。
「主人が望まないのに、神に近い存在へ育てようとは、何と自分勝手な奴らだ――プラネタリウムの効果とは恐ろしいものよ」
「流石に黄道十二宮が出来るのはまずい。他にも理由はあるが。黄道十二宮の大抵はきっとこいつの願いならば愛属性になる。それでもし乙女座だったら、嫌だろう? それに……オレは嫌がらせが好きなんでね。そのにこにことした顔の中には、オレと同じもんが隠されているのをオレは知っている。支配欲だ。それをさらけ出すチャンスをくれてやったんだ。水瓶、お前にもだ」
蟹座は制されて少し不機嫌そうに、それでも隅で背中を壁に預けて欠伸を。それから鴉座へ視線をやり、水瓶座へも視線をやる。
水瓶座はその視線にふんと鼻を鳴らして睨み付けて、水瓶を抱き込む。
水瓶は綺麗な色をしていて、高級そうな文様が刻み込まれている。その文様はきっとプラネタリウムを作った者の国にある古代の文化だろう。
水瓶を抱き込むと、中にあるいつも満杯の水がちゃぷんと音を立てた。
「僕を性格の悪い君たちと一緒にされると、汚れて水が真っ黒になって陽炎様を癒せなくなって、この方は死んで、僕は天国までお供をしなくてはならなくなるよ」
「水瓶、お前はその癒しの水に依存成分と微妙に惚れ薬の成分があるのを知ってて、あんなに水をかけているんだろう。天に愛された美の酒童は、何と醜いことか。何もしなくてもその水は、薄汚れている」
鴉座が揶揄するように笑うと、尤もだと言わんばかりに蟹座は噴きだし、哄笑して馬鹿にするのを我慢したが、その噴きだしたことだけで十分馬鹿にしている行為だと気づかない。
水瓶座は水のことは気にしなくても、美と言われた瞬間眼をむき出しにするように二人を睨み付けて、美しい顔は歪んだ。
美しい顔が歪めば、それは迫力を持ち、二人は少しその迫力に負けないよう睨み付ける。
「不細工の気持ちなんて、二人には判らないんだ! 特に美形の蟹座にはっ!」
「星座一の美形に美形と言われると腹が立つ。鴉、そういうお前はどうなんだ? 赤蜘蛛が此方を見ていたことはお前も知っていたのに黙っていた。奪われても構わないからじゃないからか? 自分はもう、作られたからな? その男はもうどうでもいいか? 世話を焼くのも、口説くのも飽きたか?」
水瓶座の睨みにもびくつかず蟹座は睨み付けたまま加虐的な笑みを浮かべるだけで、そのまま鋭敏な眼で鴉座を見やる。鴉座は、肩を竦めて、冗談じゃないとため息をついた。
「飽きたなんて、とんでもない。名前を与えてくれたご友人とお楽しみの所、ご友人から折角親切心で情報を貰ったのに、それをむげにすることは出来ないでしょう? それに新しい星座が出来ようと出来まいと痛み虫で、あの方はまた人から遠ざけられる対象に近くなるでしょう? 人が近寄らなくなれば、側にいてあの方が一番に頼る存在は、一番最初から居た私でしょう」
誰よりも一番に自分を最優先して頼って貰う為に、自分は主人が望む姿で居るのだ。
主人が安堵するために色々と態度や、役目を考えて行動しているのだ。
その結果、他の星座以上の信頼は得ている――つもりだ。
(冠座さえ、現れなければな――。相談役を奪われるなんて。忠実で無関心だからこそ、一番相談しやすいのだろうけれど)
鴉座は歪んだ嫉妬心を、恋敵二人にわざわざ見せる必要がないので、隠したまま、にこりと微笑んでこの二人よりは信頼されている優越感を見せつける。
「私は主人を選ぶんです、これから先、他に主人が出来ても、あの方だけが私を捕らえて放さないでしょう。プラネタリウムの仕組みなんかに負けません」
「君が捕らえて放さないの間違いじゃないの? 随分と鴉は嫉妬深いから、どんな手段も厭わないで、僕らの行動も見通した上で行動するときもあるからねぇ?」
水瓶座が仕返しとばかりに鴉座を貶すと、蟹座は愉快そうに笑う。
先ほど思った嫉妬心が見抜かれたようで、鴉座はため息をついて反論しようとしたが、そこで陽炎がうるせぇと小声で呟いたので、一同は少し静かにして主人が再び完璧に眠りにはいるのを確認する。
「……寝たな」
「……寝ましたね。とにかく私たちはお互い仲が悪いですし、むかつくし、顔も見たくない。だけど、この方への願いが同じなのは判っているでしょう?」
「……――痛み虫を集めさせて、誰もが人と認めない程の強靱にして人々に疎外させて、僕らだけに依存させる」
「そのために奪われない、奪わせられないように、こいつを守る――」
水瓶座と蟹座の言葉を聞いて、鴉座は頷いて、そういうことと微笑むと陽炎の寝顔を見やりながら、苦笑を浮かべた。
陽炎の寝顔は良い夢でも見ているのか、気の緩んだ間抜けな顔になっていて、穏やかな寝息を立てている。
「私たちは醜い。ただ一人の思い人の為に、こんな酷い手段を使う。……ここまでさせたのはきっと、貴方が最初で最後ですよ、純粋なる主君――」
愛しそうに鴉座が陽炎が撫でようとしたら水瓶座が制する。それに不機嫌そうに見やってから、二人はプラネタリウムの中へ戻る。
それを眺めてから、蟹座はにやにやと笑って消えていく。
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