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ケネスの異常さを垣間見てから数日後。
孤児院の院長に呼ばれた俺は恐怖による寝不足でふらふらになりながら院長室へと向かった。
「喜びなさいイオ。お前は魔王討伐の贄に選ばれましたよ」
「贄…?」
普段は怒鳴りつけるか鞭打ちしかしないクソじじいの院長がやけににこやかにそう言った。
「近年の魔王研究により、魔王を打ち破るには成熟していない魂を媒介した魔法が必要なようです。つまり未成年の子供の魂一つで世界が救われる。幸運にもお前がそれに選ばれたのです」
「それって俺はどうなるんですか?まさか死ぬとか言わないですよね?」
院長の話に寝不足なんてどこかに吹っ飛んでしまった。
心臓がバクバクするなかで恐るおそる尋ねると、院長が満面の笑みで頷く。
「そのまさかです。死にます。しかしながらよく考えなさい。我が孤児院から世界の為に贄を捧げられるのは、この上ない名誉なことです。それも領主さま直々にあなたをご指名されたのですよ。謹んでお受けしなさい」
「……」
馬鹿じゃなかろうか。
受けるわけがないだろうが。
そんな言葉が出てしまいそうになったが、そんなことを言えばこいつなら縛り上げてでも俺を領主に差し出すだろう。
領主もなぜよりにもよって俺を指名したんだと恨んだが、トチ狂ったあのケネスが関係しているのではないかとふと思い至った。
もし父親にもあの勢いで俺のことを喋ったとなると…俺を邪魔に思うのは当たり前だ。
可愛い息子が狂った原因だと思われて排除にかかったのかもしれない。
幸い孤児なんてこうして簡単に始末出来るので、むしろ領主は相手が俺で良かったと思ったかもな。
だがやなこった。
誰が素直に殺されてやるもんか。
隙を見てこんなところ逃げ出してやると決心を固めた。
「今すぐに勇者ジェドと共に魔王の元へ向かいなさい」
院長の命令に一瞬思考が止まる。
「勇者ジェド…ジェドさん?」
「ええ。魔王と対峙した勇者ジェドが、あなたを贄に発動する術により魔王を討ち滅ぼすのです。それまでは勇者ジェドのお供として一緒に旅してもらいます」
勇者になって旅をするのは俺の夢だ。
でも勇者ジェドのお供ってのもその夢にすごく近い気がする。
しかも旅を満喫出来て最後にはジェドさんの役に立てるかもしれない。
院長の提示したあまりに無茶苦茶な要求が、ジェドさんの名前で一気に悪くない提案に思えてきた。
だって命が惜しくて逃げ出しても、金もコネも能力もない俺はきっと浮浪者になる他ない。
オマケにもうすぐ冬が来る。
この国の冬は寒く生き伸びられる確証もなければ、もし冬を越せたとしても明るい将来なんてあるとは思えない。
だったら夢を叶えて最期にジェドさんの功績の為に散っていくのも悪くないかも…なんて思った。
うん、これは素晴らしいオファーだ。
決意を固めると、恐るおそる院長に頷いて見せた。
そこから先はあっという間だった。
簡単な携帯食料とわずかな路銀を持たされ長年育った孤児院をポイッと追い出された。
「おう、来たな」
外で待ってくれていたジェドさんが軽く手を上げる。
「ジェドさん!」
嬉しくて小走りで駆け寄ると、俺の髪を乱暴にわしゃわしゃと撫でてくれた。
「じゃ、さっそく行くか」
こうして俺は幸福な死地への旅路を踏み出した。
ジェドさんならきっと魔王にだって勝てるはずだ。
その手伝いが出来るのであれば俺は幸せだ。
「おーい、何やってんだ。置いてくぞイオ」
「あれ?」
覚悟を決めて一歩踏み出した俺だったが、気づくとジェドさんは反対を歩いていた。
「ジェドさん、魔王の国はあっちじゃ…?」
「太っ腹な領主さまに旅の準備金たんまり貰ったからよ。しばらく観光でもしながらのんびり行こうぜ」
「…!うん!」
このまわり道は人生最後に神様がくれたご褒美なのかもしれない。
大好きなジェドさんと色々な物を見て回れるなんて楽しすぎる。
「ところでお前さ、暖かいのと涼しいのどっちが好き?」
「断然暖かいのです。寒いの苦手ですから」
「よし、じゃあ南の国で決まりだな」
「観光地のこと? 流石に魔王のところから離れすぎじゃ?」
魔王が住んでいると言われているのは、氷に覆われた北の極寒地で南の国とは正反対だ。
「いいんだよ。馬鹿真面目に奴らの命令聞いてやる必要ねぇ」
「……?」
楽しそうなジェドさんの言葉の意味が分からず首を捻るが、教えてくれる気はなさそうで、すたすたと歩き始めてしまった。
その後ろを慌てて追いかける。
「早く来いよ」
「はーい」
振り返って俺を待つジェドさんの笑顔が眩しかった。
この時の俺は思ってもみなかった。
観光を散々楽しんだ後、俺が一番気に入った土地に家を買って二人で住み始めるなんて。
ジェドさんは最初から俺を犠牲にする魔王討伐なんて行く気がなく、俺たちは準備金だけ貰ってトンズラしたのであった。
それから数年後
俺とジェドさんは仲良く暮らしている。
最近の悩みはジェドさんにいつ綺麗な彼女を紹介されるかということで、俺は密かにそんな日が来なければいいと思ってしまっている。
これが家族としてのモヤモヤなのか、好意に対するモヤモヤなのかまだ分かっていない。
この気持ちがなんなのかこれからゆっくりと見極めていきたいと思っている。
今日は新聞に懐かしい名前が載っていることに気づいた。
魔王を討伐した勇者ケネス。
正真正銘、俺の知っているケネスだった。
久々にその存在を思い出して懐かしい気持ちになる。
当時はケネスが恐ろしくて疎ましくて嫌な気分になっていたが、こうして時間が経てばなんてことはない。
貴族の間で同性の妾を作ることが、大人の高尚な遊びとして広まっているらしいと言う情報を知った。
当時12歳、大人に憧れたケネスが手頃な孤児を使って真似てみようとしただけだと今なら分かる。
そう結論付けてからはケネスを落ち着いて思い出すことが出来た。
新聞の一面を飾る魔王討伐の記事を興味深く読み進める。
ケネスが勇者になったきっかけは婚約者だと書かれている。
ケネスに婚約者が居たことに驚いたが、あいつは貴族だしよく考えれば当たり前のことだ。
「魔王によって仲を引き裂かれた生き別れの婚約者を捜す勇者ケネスの悲恋」
記事はそんな内容を重点的に、まるで美しく悲しい物語のような切り口で綴られている。
それを最後までじっくり読んだ俺は、居なくなった婚約者が早く見つかればいいと素直に昔馴染みの幸せを祈ることが出来た。
そう思えたことがなんだか嬉しい。
きっとジェドさんのおかげだ。
ジェドさんとの生活がこんなにも幸せだから、過去の嫌な出来事を受け止め流すことが出来たのだと思う。
早くジェドさんに会いたいなんてのんきに考えていた俺は、ケネスが勇者になった真相をまったく知らなかった。
俺が孤児院を出て贄になったことを知ったケネスが発狂し、死に物狂いで俺を捜し始めたのがきっかけだった。
まさか俺を捜しに捜してとうとう魔王までたどり着き、俺の痕跡がないことに激怒したケネスが贄なんて関係なしに魔王を倒してしまったのだ。
———コンコン
玄関からノックの音が響く。
あれ?ジェドさん今日早く帰る日だったかなと一瞬疑問に思ったが、そういえば俺の髪が伸びてきたので近いうちにカットしてくれると約束していたことを思い出す。
きっと冒険者ギルドの依頼を早く切り上げて帰ってきてくれたのだろう。
思わぬ早い帰宅にウキウキで玄関に向かう。
玄関のドアノブに手をかけ勢いよく引いた。
俺だけの勇者の帰宅を迎える為に。
「おかえりなさい!」
END
孤児院の院長に呼ばれた俺は恐怖による寝不足でふらふらになりながら院長室へと向かった。
「喜びなさいイオ。お前は魔王討伐の贄に選ばれましたよ」
「贄…?」
普段は怒鳴りつけるか鞭打ちしかしないクソじじいの院長がやけににこやかにそう言った。
「近年の魔王研究により、魔王を打ち破るには成熟していない魂を媒介した魔法が必要なようです。つまり未成年の子供の魂一つで世界が救われる。幸運にもお前がそれに選ばれたのです」
「それって俺はどうなるんですか?まさか死ぬとか言わないですよね?」
院長の話に寝不足なんてどこかに吹っ飛んでしまった。
心臓がバクバクするなかで恐るおそる尋ねると、院長が満面の笑みで頷く。
「そのまさかです。死にます。しかしながらよく考えなさい。我が孤児院から世界の為に贄を捧げられるのは、この上ない名誉なことです。それも領主さま直々にあなたをご指名されたのですよ。謹んでお受けしなさい」
「……」
馬鹿じゃなかろうか。
受けるわけがないだろうが。
そんな言葉が出てしまいそうになったが、そんなことを言えばこいつなら縛り上げてでも俺を領主に差し出すだろう。
領主もなぜよりにもよって俺を指名したんだと恨んだが、トチ狂ったあのケネスが関係しているのではないかとふと思い至った。
もし父親にもあの勢いで俺のことを喋ったとなると…俺を邪魔に思うのは当たり前だ。
可愛い息子が狂った原因だと思われて排除にかかったのかもしれない。
幸い孤児なんてこうして簡単に始末出来るので、むしろ領主は相手が俺で良かったと思ったかもな。
だがやなこった。
誰が素直に殺されてやるもんか。
隙を見てこんなところ逃げ出してやると決心を固めた。
「今すぐに勇者ジェドと共に魔王の元へ向かいなさい」
院長の命令に一瞬思考が止まる。
「勇者ジェド…ジェドさん?」
「ええ。魔王と対峙した勇者ジェドが、あなたを贄に発動する術により魔王を討ち滅ぼすのです。それまでは勇者ジェドのお供として一緒に旅してもらいます」
勇者になって旅をするのは俺の夢だ。
でも勇者ジェドのお供ってのもその夢にすごく近い気がする。
しかも旅を満喫出来て最後にはジェドさんの役に立てるかもしれない。
院長の提示したあまりに無茶苦茶な要求が、ジェドさんの名前で一気に悪くない提案に思えてきた。
だって命が惜しくて逃げ出しても、金もコネも能力もない俺はきっと浮浪者になる他ない。
オマケにもうすぐ冬が来る。
この国の冬は寒く生き伸びられる確証もなければ、もし冬を越せたとしても明るい将来なんてあるとは思えない。
だったら夢を叶えて最期にジェドさんの功績の為に散っていくのも悪くないかも…なんて思った。
うん、これは素晴らしいオファーだ。
決意を固めると、恐るおそる院長に頷いて見せた。
そこから先はあっという間だった。
簡単な携帯食料とわずかな路銀を持たされ長年育った孤児院をポイッと追い出された。
「おう、来たな」
外で待ってくれていたジェドさんが軽く手を上げる。
「ジェドさん!」
嬉しくて小走りで駆け寄ると、俺の髪を乱暴にわしゃわしゃと撫でてくれた。
「じゃ、さっそく行くか」
こうして俺は幸福な死地への旅路を踏み出した。
ジェドさんならきっと魔王にだって勝てるはずだ。
その手伝いが出来るのであれば俺は幸せだ。
「おーい、何やってんだ。置いてくぞイオ」
「あれ?」
覚悟を決めて一歩踏み出した俺だったが、気づくとジェドさんは反対を歩いていた。
「ジェドさん、魔王の国はあっちじゃ…?」
「太っ腹な領主さまに旅の準備金たんまり貰ったからよ。しばらく観光でもしながらのんびり行こうぜ」
「…!うん!」
このまわり道は人生最後に神様がくれたご褒美なのかもしれない。
大好きなジェドさんと色々な物を見て回れるなんて楽しすぎる。
「ところでお前さ、暖かいのと涼しいのどっちが好き?」
「断然暖かいのです。寒いの苦手ですから」
「よし、じゃあ南の国で決まりだな」
「観光地のこと? 流石に魔王のところから離れすぎじゃ?」
魔王が住んでいると言われているのは、氷に覆われた北の極寒地で南の国とは正反対だ。
「いいんだよ。馬鹿真面目に奴らの命令聞いてやる必要ねぇ」
「……?」
楽しそうなジェドさんの言葉の意味が分からず首を捻るが、教えてくれる気はなさそうで、すたすたと歩き始めてしまった。
その後ろを慌てて追いかける。
「早く来いよ」
「はーい」
振り返って俺を待つジェドさんの笑顔が眩しかった。
この時の俺は思ってもみなかった。
観光を散々楽しんだ後、俺が一番気に入った土地に家を買って二人で住み始めるなんて。
ジェドさんは最初から俺を犠牲にする魔王討伐なんて行く気がなく、俺たちは準備金だけ貰ってトンズラしたのであった。
それから数年後
俺とジェドさんは仲良く暮らしている。
最近の悩みはジェドさんにいつ綺麗な彼女を紹介されるかということで、俺は密かにそんな日が来なければいいと思ってしまっている。
これが家族としてのモヤモヤなのか、好意に対するモヤモヤなのかまだ分かっていない。
この気持ちがなんなのかこれからゆっくりと見極めていきたいと思っている。
今日は新聞に懐かしい名前が載っていることに気づいた。
魔王を討伐した勇者ケネス。
正真正銘、俺の知っているケネスだった。
久々にその存在を思い出して懐かしい気持ちになる。
当時はケネスが恐ろしくて疎ましくて嫌な気分になっていたが、こうして時間が経てばなんてことはない。
貴族の間で同性の妾を作ることが、大人の高尚な遊びとして広まっているらしいと言う情報を知った。
当時12歳、大人に憧れたケネスが手頃な孤児を使って真似てみようとしただけだと今なら分かる。
そう結論付けてからはケネスを落ち着いて思い出すことが出来た。
新聞の一面を飾る魔王討伐の記事を興味深く読み進める。
ケネスが勇者になったきっかけは婚約者だと書かれている。
ケネスに婚約者が居たことに驚いたが、あいつは貴族だしよく考えれば当たり前のことだ。
「魔王によって仲を引き裂かれた生き別れの婚約者を捜す勇者ケネスの悲恋」
記事はそんな内容を重点的に、まるで美しく悲しい物語のような切り口で綴られている。
それを最後までじっくり読んだ俺は、居なくなった婚約者が早く見つかればいいと素直に昔馴染みの幸せを祈ることが出来た。
そう思えたことがなんだか嬉しい。
きっとジェドさんのおかげだ。
ジェドさんとの生活がこんなにも幸せだから、過去の嫌な出来事を受け止め流すことが出来たのだと思う。
早くジェドさんに会いたいなんてのんきに考えていた俺は、ケネスが勇者になった真相をまったく知らなかった。
俺が孤児院を出て贄になったことを知ったケネスが発狂し、死に物狂いで俺を捜し始めたのがきっかけだった。
まさか俺を捜しに捜してとうとう魔王までたどり着き、俺の痕跡がないことに激怒したケネスが贄なんて関係なしに魔王を倒してしまったのだ。
———コンコン
玄関からノックの音が響く。
あれ?ジェドさん今日早く帰る日だったかなと一瞬疑問に思ったが、そういえば俺の髪が伸びてきたので近いうちにカットしてくれると約束していたことを思い出す。
きっと冒険者ギルドの依頼を早く切り上げて帰ってきてくれたのだろう。
思わぬ早い帰宅にウキウキで玄関に向かう。
玄関のドアノブに手をかけ勢いよく引いた。
俺だけの勇者の帰宅を迎える為に。
「おかえりなさい!」
END
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さっとドア閉めて、カギをきっちりかけそうww
最後のオチがホラー展開になりそうで好きすぎる。
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