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第2部 バララセ東部 ~密林の巨鳥と水竜の島
第107話 白装束の魔導師との戦い1
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イーアは急いで周囲の様子を確認した。
上空から見た時、村の中には、大きな泥人形みたいな怪物がたくさんいて、カンラビの戦士達が戦っていた。だけど、ここには怪物はいない。
崩れかけた小屋の中にお年寄りと負傷者がいるけれど、とりあえず大丈夫だろう。
コサは腕にかなりひどい傷を負っている。でも、たぶん命にはかかわらない傷だ。
「どこ行ってたんだよ。イーア! つーか、なんだよ、このばかでけぇ鳥! でかすぎだろ! 強すぎだろ!」
オッペンは元気よく叫んでいて、ケガもなさそうだ。強そうな<白光>の協力者と戦っていたのに。
「オーロガロンだよ。わたしはロロロに聞いて、人質交換のために秘宝をとってきたんだけど……ランは? 白装束は?」
オッペンは悔しそうに言った。
「ランは白装束につれさられちまった。やつら、家の外に出てすぐに消えちまったぜ」
「転移魔法かな。ランを助けなきゃ。近くにいるといいけど……。オーロガロンにたのんでもう一度探してみる!」
「おれも行くぜ! おれのダウジングで方角ならわかる!」
そうオッペンが言ったので、イーアはオーロガロンに『オッペンものせて』と、頼んだ。でも、『のせて』と頼んだのに、オーロガロンはチラリとオッペンを見ると、片方の足でオッペンの胴体をつかんだ。
「うわぁあ! おい! なんだよ、この運び方!」
わめくオッペンをつかんだまま、オーロガロンは空中に飛びたった。
『オーロガロン、白装束の魔導士を探して』とイーアが頼むと、イーア達をのせたオーロガロンは空に鳴き声を響かせ、一度空高く上昇した。
オーロガロンの下でオッペンがぶつぶつしゃべっていた。
「お、この方が両手がつかえるな。えーっと、白装束の奴らとラン……」
イーアからは見えないけど、たぶん、オッペンはダウジングロッドを両手に持って探しているのだろう。
ちょっとして、オッペンの大声が聞こえた。
「もっとずっと右だ!」
オッペンの指示をイーアがオーロガロンに伝えると、オーロガロンは方向転換し、そして、すぐに何かを見つけたように密林の上空を一直線に飛び始めた。
オーロガロンが向かう先には小さな草原があった。
はじめはイーアの目ではよく見えなかったけれど、近づいていくにつれ、草原を移動していく白いローブ姿の男二人、そしてランの姿が見えた。
『いた……』
イーアは『友契の書』を手に取った。
敵が迎撃の準備をとる前に、一気に決めるつもりだった。
だけど、敵は接近するオーロガロンに気が付いていた。
草原の上空に達した時、突然、白装束の魔導士の手から、巨大な炎の鎖のようなものがこっちへむかって延びてきた。
炎の鎖がオーロガロンにからみついた。
失速して落下していくオーロガロンの背の上でイーアは呼んだ。
『ティロモサ! 女の子を傷つけずに、白装束の男達だけを倒して!』
間髪入れず、草原の上空に大量の海水と共に、巨大なワニのようなサメのような姿の古水竜ティロモサが出現した。
白装束の魔導士は自分たちの前に魔法の障壁をはり、その障壁がティロモサとともに出現した海水の激流をさえぎった。
直後、白装束の魔導士めがけ、鋭い牙が並んだ大きな口を開いてティロモサが魔法障壁に突っこんでいった。
障壁はティロモサの突撃で砕かれ、ティロモサの巨大な口が銀仮面の<白光>の魔導士を飲み込んだ……かのように見えた。
「よっしゃ! くっちまったぜ!」とオッペンも叫んだ。
なのに、次の瞬間、ティロモサの口の中に消えたはずの<白光>の魔導士が、ランの傍、さっきまで白装束の大男がいた場所に出現していた。
少しおくれて、ティロモサの口内で何かが爆発し、大ダメージを受けたティロモサは姿を消した。
そのころには、ティロモサとともに出現した大量の水でオーロガロンを襲った炎の鎖は消滅し、オーロガロンは翼をひろげて地表に不時着していた。
オーロガロンにお礼を言って帰らせながら、イーアは敵の状態を確認した。
敵は1人だけになっていた。さっきまでランをとらえていたはずの大男の姿がみえない。
一方、ティロモサの攻撃を受けたはずなのに平然としている魔導士は、ザヒやギルフレイ卿と同じように奇妙な十字模様のついた白いローブを着ていた。
つまり、本物の<白光>の魔導士、ザヒやギルフレイ卿並みの力を持つ魔導士ということだ。
その<白光>の魔導士がしゃがれた声でつぶやいた。
「よもやここでゴモルの命を使うことになるとは。我が障壁魔法をやぶる威力……貴様、何者だ? その顔は蛮族、だが、劣等人種ごときにあれほどの魔術が使えるわけが……いや、さっきのあれは召喚術。……まさか、ギアラドの逆王の子が裏で手を引いているのか!? フン! そっちがその気なら、ギアラドの囚人どもを皆殺しにしてくれる!」
なんのことだかわからないけれど、ギアラドの人達とガリに迷惑がかかりそうな気配を感じてイーアは『友契の書』を隠しながらとっさに叫んだ。
「わたしはカンラビの精霊使い! カンラビの巫女を放せ!」
「フン! 蛮族ごときが生意気な。巫女を助けたければ、秘宝を持ってこい」
イーアは石板の欠片をとりだし、白装束の魔導士に見せつけるように高く掲げた。
「石板の欠片は持ってきた! これをあげるから、巫女をかえして!」
とたんに、<白光>の魔導士が狂ったような笑い声をあげた。
「ひゃはははは! まさか、本当に蛮族が石板の欠片をもっていたとは。これでわしの出世も間違いなし。すぐに成り上がり者のアンドルなんぞ追い落としてしてやる。さぁ、石をよこせ」
骨ばった手をのばす<白光>の魔導士に、イーアは言った。
「巫女を先にはなして!」
「……よかろう」
<白光>の魔導士は縄から手をはなし、ランを解放した。
上空から見た時、村の中には、大きな泥人形みたいな怪物がたくさんいて、カンラビの戦士達が戦っていた。だけど、ここには怪物はいない。
崩れかけた小屋の中にお年寄りと負傷者がいるけれど、とりあえず大丈夫だろう。
コサは腕にかなりひどい傷を負っている。でも、たぶん命にはかかわらない傷だ。
「どこ行ってたんだよ。イーア! つーか、なんだよ、このばかでけぇ鳥! でかすぎだろ! 強すぎだろ!」
オッペンは元気よく叫んでいて、ケガもなさそうだ。強そうな<白光>の協力者と戦っていたのに。
「オーロガロンだよ。わたしはロロロに聞いて、人質交換のために秘宝をとってきたんだけど……ランは? 白装束は?」
オッペンは悔しそうに言った。
「ランは白装束につれさられちまった。やつら、家の外に出てすぐに消えちまったぜ」
「転移魔法かな。ランを助けなきゃ。近くにいるといいけど……。オーロガロンにたのんでもう一度探してみる!」
「おれも行くぜ! おれのダウジングで方角ならわかる!」
そうオッペンが言ったので、イーアはオーロガロンに『オッペンものせて』と、頼んだ。でも、『のせて』と頼んだのに、オーロガロンはチラリとオッペンを見ると、片方の足でオッペンの胴体をつかんだ。
「うわぁあ! おい! なんだよ、この運び方!」
わめくオッペンをつかんだまま、オーロガロンは空中に飛びたった。
『オーロガロン、白装束の魔導士を探して』とイーアが頼むと、イーア達をのせたオーロガロンは空に鳴き声を響かせ、一度空高く上昇した。
オーロガロンの下でオッペンがぶつぶつしゃべっていた。
「お、この方が両手がつかえるな。えーっと、白装束の奴らとラン……」
イーアからは見えないけど、たぶん、オッペンはダウジングロッドを両手に持って探しているのだろう。
ちょっとして、オッペンの大声が聞こえた。
「もっとずっと右だ!」
オッペンの指示をイーアがオーロガロンに伝えると、オーロガロンは方向転換し、そして、すぐに何かを見つけたように密林の上空を一直線に飛び始めた。
オーロガロンが向かう先には小さな草原があった。
はじめはイーアの目ではよく見えなかったけれど、近づいていくにつれ、草原を移動していく白いローブ姿の男二人、そしてランの姿が見えた。
『いた……』
イーアは『友契の書』を手に取った。
敵が迎撃の準備をとる前に、一気に決めるつもりだった。
だけど、敵は接近するオーロガロンに気が付いていた。
草原の上空に達した時、突然、白装束の魔導士の手から、巨大な炎の鎖のようなものがこっちへむかって延びてきた。
炎の鎖がオーロガロンにからみついた。
失速して落下していくオーロガロンの背の上でイーアは呼んだ。
『ティロモサ! 女の子を傷つけずに、白装束の男達だけを倒して!』
間髪入れず、草原の上空に大量の海水と共に、巨大なワニのようなサメのような姿の古水竜ティロモサが出現した。
白装束の魔導士は自分たちの前に魔法の障壁をはり、その障壁がティロモサとともに出現した海水の激流をさえぎった。
直後、白装束の魔導士めがけ、鋭い牙が並んだ大きな口を開いてティロモサが魔法障壁に突っこんでいった。
障壁はティロモサの突撃で砕かれ、ティロモサの巨大な口が銀仮面の<白光>の魔導士を飲み込んだ……かのように見えた。
「よっしゃ! くっちまったぜ!」とオッペンも叫んだ。
なのに、次の瞬間、ティロモサの口の中に消えたはずの<白光>の魔導士が、ランの傍、さっきまで白装束の大男がいた場所に出現していた。
少しおくれて、ティロモサの口内で何かが爆発し、大ダメージを受けたティロモサは姿を消した。
そのころには、ティロモサとともに出現した大量の水でオーロガロンを襲った炎の鎖は消滅し、オーロガロンは翼をひろげて地表に不時着していた。
オーロガロンにお礼を言って帰らせながら、イーアは敵の状態を確認した。
敵は1人だけになっていた。さっきまでランをとらえていたはずの大男の姿がみえない。
一方、ティロモサの攻撃を受けたはずなのに平然としている魔導士は、ザヒやギルフレイ卿と同じように奇妙な十字模様のついた白いローブを着ていた。
つまり、本物の<白光>の魔導士、ザヒやギルフレイ卿並みの力を持つ魔導士ということだ。
その<白光>の魔導士がしゃがれた声でつぶやいた。
「よもやここでゴモルの命を使うことになるとは。我が障壁魔法をやぶる威力……貴様、何者だ? その顔は蛮族、だが、劣等人種ごときにあれほどの魔術が使えるわけが……いや、さっきのあれは召喚術。……まさか、ギアラドの逆王の子が裏で手を引いているのか!? フン! そっちがその気なら、ギアラドの囚人どもを皆殺しにしてくれる!」
なんのことだかわからないけれど、ギアラドの人達とガリに迷惑がかかりそうな気配を感じてイーアは『友契の書』を隠しながらとっさに叫んだ。
「わたしはカンラビの精霊使い! カンラビの巫女を放せ!」
「フン! 蛮族ごときが生意気な。巫女を助けたければ、秘宝を持ってこい」
イーアは石板の欠片をとりだし、白装束の魔導士に見せつけるように高く掲げた。
「石板の欠片は持ってきた! これをあげるから、巫女をかえして!」
とたんに、<白光>の魔導士が狂ったような笑い声をあげた。
「ひゃはははは! まさか、本当に蛮族が石板の欠片をもっていたとは。これでわしの出世も間違いなし。すぐに成り上がり者のアンドルなんぞ追い落としてしてやる。さぁ、石をよこせ」
骨ばった手をのばす<白光>の魔導士に、イーアは言った。
「巫女を先にはなして!」
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