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第4部 帝国の終焉 ~滅亡をもたらすダークエルフ~
第176話 国王とウラジナルの会話
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王の執務室。
疲れ切った表情の国王のそばに、魔導士協会会長にして枢密院最高顧問であるウラジナルが立っていた。
国王の片腕とも頭脳ともいわれるウラジナルは、しかしこの日、淡々と作戦失敗の報告を行っていた。
「ウェルグァンダルの塔は被害なく転移しました。あの塔は史上一度も移動したことがなかったとはいえ、予見できなかったことは我々の落ち度です」
「まさか塔が転移するとは」
気落ちしたようすで白髪の頭を振る国王にウラジナルは報告をつづけた。
「また、発射直後、ゲオともう一名の召喚士に超高威力魔力砲が破壊されました。ボンペールによると、造りなおすのに半年近くかかると」
「なんたることだ。ゲオまで裏切るとは。あの新型魔力砲が破壊されるとは」
「すでに手遅れかとは思いますが、至急、ウェルグァンダルの召喚士及びその親類縁者を緊急逮捕されますよう。彼らは全員敵対勢力とみなすべきです」
ウラジナルの進言には答えず、国王はうろたえたように言った。
「<黒竜の子>にもウェルグァンダルの塔にも傷一つつけることができず、頼みの綱の新型魔力砲を破壊されてしまうとは。ウラジナル。お前の言った通り、ウェルグァンダルへの攻撃は愚策だった。攻撃などしなければよかった」
すがりつくような目で国王はウラジナルを見ていた。ウラジナルは身じろぎもせず微塵も表情を変えずに言った。
「陛下。お気を確かに。幸い、共和国は先日の超高威力魔力砲による損害およびそれに続いて起こった内変により当面軍事作戦を起こす力はありません。また、ボンペールが造った超高威力魔力砲は後悔するほどの損失ではありませぬ。前に申し上げた通り、ボンペールの造る兵器等、くだんの魔力操作装置が完成した時点ですでに我々には不要なのです。我らが持つ古代魔術の力をもってすれば」
「だが、あのメラフィスの遺物はまだ完成しておらず、一度使用するごとに希少な素材で作られた補完部品が壊れてしまうと言っていたではないか。今回の発射でまたしばらくは使用不可能になるのではないか?」
「御心配には及びません。補完部品の予備、そして次なる策の準備ができております。陛下の使用許可さえ下りれば、すぐに我が秘術でもって逆賊を打払いましょう。いくら蟻の群が攻めてこようと、我らが栄光の帝国は盤石です」
「そうか。それは頼もしい。だが、本当に大丈夫なのか? いまや<白光>内部にも敵に通じる者がいると聞くが」
<白光の魔導士団>団長ウラジナルは笑った。
「誰がそのようなことを申したのが存じませぬが。子ネズミが一匹うろついているだけのことです。あの子ネズミはじきに捻り殺します」
疲れ切った表情の国王のそばに、魔導士協会会長にして枢密院最高顧問であるウラジナルが立っていた。
国王の片腕とも頭脳ともいわれるウラジナルは、しかしこの日、淡々と作戦失敗の報告を行っていた。
「ウェルグァンダルの塔は被害なく転移しました。あの塔は史上一度も移動したことがなかったとはいえ、予見できなかったことは我々の落ち度です」
「まさか塔が転移するとは」
気落ちしたようすで白髪の頭を振る国王にウラジナルは報告をつづけた。
「また、発射直後、ゲオともう一名の召喚士に超高威力魔力砲が破壊されました。ボンペールによると、造りなおすのに半年近くかかると」
「なんたることだ。ゲオまで裏切るとは。あの新型魔力砲が破壊されるとは」
「すでに手遅れかとは思いますが、至急、ウェルグァンダルの召喚士及びその親類縁者を緊急逮捕されますよう。彼らは全員敵対勢力とみなすべきです」
ウラジナルの進言には答えず、国王はうろたえたように言った。
「<黒竜の子>にもウェルグァンダルの塔にも傷一つつけることができず、頼みの綱の新型魔力砲を破壊されてしまうとは。ウラジナル。お前の言った通り、ウェルグァンダルへの攻撃は愚策だった。攻撃などしなければよかった」
すがりつくような目で国王はウラジナルを見ていた。ウラジナルは身じろぎもせず微塵も表情を変えずに言った。
「陛下。お気を確かに。幸い、共和国は先日の超高威力魔力砲による損害およびそれに続いて起こった内変により当面軍事作戦を起こす力はありません。また、ボンペールが造った超高威力魔力砲は後悔するほどの損失ではありませぬ。前に申し上げた通り、ボンペールの造る兵器等、くだんの魔力操作装置が完成した時点ですでに我々には不要なのです。我らが持つ古代魔術の力をもってすれば」
「だが、あのメラフィスの遺物はまだ完成しておらず、一度使用するごとに希少な素材で作られた補完部品が壊れてしまうと言っていたではないか。今回の発射でまたしばらくは使用不可能になるのではないか?」
「御心配には及びません。補完部品の予備、そして次なる策の準備ができております。陛下の使用許可さえ下りれば、すぐに我が秘術でもって逆賊を打払いましょう。いくら蟻の群が攻めてこようと、我らが栄光の帝国は盤石です」
「そうか。それは頼もしい。だが、本当に大丈夫なのか? いまや<白光>内部にも敵に通じる者がいると聞くが」
<白光の魔導士団>団長ウラジナルは笑った。
「誰がそのようなことを申したのが存じませぬが。子ネズミが一匹うろついているだけのことです。あの子ネズミはじきに捻り殺します」
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