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第一章:突然の気持ち
第4話 倒れちゃった - その1 -
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「そういえば、倖輔くんは何か部活やってるの?」
早紀は、まるでお隣さん同士のような気安さで、ごく自然に問いかけてきた。
「バレー部……です」
「あら! その身長だと、ネット際とか大変じゃない?」
「あ、いえ。自分、セッターなんで」
「あらあら! 私とお揃いじゃない。私も昔、セッターだったのよ」
そう言うと、彼女はいたずらっぽく微笑み、目の前で「シュッ」とトスの真似をしてみせた。
丸められたしなやかな指先が、見えないボールを柔らかく押し上げる。
その優雅で洗練された手の動きに、倖輔の視線は吸い寄せられた。
白く滑らかな肌と、セッターらしい繊細な指の運び。
なぜだろう、その指先に触れてみたいという、理性を揺さぶるような衝動が胸を突き抜ける。
「たまにママさんバレーのチームと練習試合しますよ。結構、手強いんですよね」
「あら、そうなの? ……ふふ、見てみたいわね。今度、私を誘ってくれる?」
上目遣いの、少しだけ甘えるような声音。
楽しい時間は、光の速さで過ぎていく。
目の前の早紀は、もはや単なる「友達のお母さん」という枠組みを超えていた。
語尾に混じる「あら」という口癖、くるくると変わる愛らしい表情、そして、隣に座っているからこそ漂ってくる、大人の色気を孕んだ魅惑的な香り。 すべてが、中学生の倖輔にとっては「猛毒」に近い刺激だった。
「あら、いけない! もうこんな時間? 美咲ちゃんの体操着、早く渡さないとね……あっ!」
時計を見て慌てて立ち上がろうとした、その時。
不運の神様が、唐突にサイコロを振った。
早紀の肘がテーブルの上の麦茶ポットをかすめ、容器がスローモーションのように傾いていく。
「いけないっ!」
「うわっ!」
バシャッ! という派手な音と共に、大量の冷たい液体が倖輔の太ももを直撃した。
「…………っ!」
心臓が跳ね上がる。
ズボンの生地が瞬時に肌に張り付き、冷たい感触が太ももを伝い落ちる。
あまりの衝撃に、倖輔の思考は完全にホワイトアウトした。
「ごめんなさい! 大丈夫!? すぐ拭くわね!」
早紀はパニック気味に叫ぶと、近くの棚にかけてあったタオルをひったくるようにして掴んだ。
倖輔は呆然と立ち尽くす。
濡れて色が濃くなったズボン。
その「もっとも危うい場所」に向かって、早紀の手が必死にタオルを差し伸べてくる――。
早紀は、まるでお隣さん同士のような気安さで、ごく自然に問いかけてきた。
「バレー部……です」
「あら! その身長だと、ネット際とか大変じゃない?」
「あ、いえ。自分、セッターなんで」
「あらあら! 私とお揃いじゃない。私も昔、セッターだったのよ」
そう言うと、彼女はいたずらっぽく微笑み、目の前で「シュッ」とトスの真似をしてみせた。
丸められたしなやかな指先が、見えないボールを柔らかく押し上げる。
その優雅で洗練された手の動きに、倖輔の視線は吸い寄せられた。
白く滑らかな肌と、セッターらしい繊細な指の運び。
なぜだろう、その指先に触れてみたいという、理性を揺さぶるような衝動が胸を突き抜ける。
「たまにママさんバレーのチームと練習試合しますよ。結構、手強いんですよね」
「あら、そうなの? ……ふふ、見てみたいわね。今度、私を誘ってくれる?」
上目遣いの、少しだけ甘えるような声音。
楽しい時間は、光の速さで過ぎていく。
目の前の早紀は、もはや単なる「友達のお母さん」という枠組みを超えていた。
語尾に混じる「あら」という口癖、くるくると変わる愛らしい表情、そして、隣に座っているからこそ漂ってくる、大人の色気を孕んだ魅惑的な香り。 すべてが、中学生の倖輔にとっては「猛毒」に近い刺激だった。
「あら、いけない! もうこんな時間? 美咲ちゃんの体操着、早く渡さないとね……あっ!」
時計を見て慌てて立ち上がろうとした、その時。
不運の神様が、唐突にサイコロを振った。
早紀の肘がテーブルの上の麦茶ポットをかすめ、容器がスローモーションのように傾いていく。
「いけないっ!」
「うわっ!」
バシャッ! という派手な音と共に、大量の冷たい液体が倖輔の太ももを直撃した。
「…………っ!」
心臓が跳ね上がる。
ズボンの生地が瞬時に肌に張り付き、冷たい感触が太ももを伝い落ちる。
あまりの衝撃に、倖輔の思考は完全にホワイトアウトした。
「ごめんなさい! 大丈夫!? すぐ拭くわね!」
早紀はパニック気味に叫ぶと、近くの棚にかけてあったタオルをひったくるようにして掴んだ。
倖輔は呆然と立ち尽くす。
濡れて色が濃くなったズボン。
その「もっとも危うい場所」に向かって、早紀の手が必死にタオルを差し伸べてくる――。
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