24 / 59
八.偽りの結納【4】
しおりを挟む
「……阿耀が可愛すぎて、仕事に行きたくなくなった……」
「えっ!?」
そんなことを言われたのは生まれて初めてだ。初めて過ぎて聞き間違いではないかと、もう一度聞き返そうとすると、楚月はあっさり答えてくれた。
「だって今日の阿耀は、普段も可愛いのに、俺のためだけにお洒落していて、うんと可愛いから、このままもう少し堪能させてほしい」
「公子……!」
林檎のごとくポッと頬を赤らめ、少し視線が上にある楚月と見つめ合う。楚月も心なしかほんのり頬を赤らめていた。舞台慣れしている彼が、照れている姿は珍しい。思わず下からじーっと眺めていると、後ろにいた央央が「ゴホンゴホン」とわざとらしく咳払いをした。
「はいはい、謝公子。たんまり稼いできてくださいねー? 姉と結婚するんでしょ?」
「さすが、妹君は容赦ないな」
「お金はいくらあってもいいのよ!」
「阿央!」
妹を窘めつつ、夜公演のために楓流軒を立ち去る楚月の背中を見送った。
このままの格好では、仕事がやりづらいので普段着に戻ろうとしたところ、央央に引き留められ、「今日は私が面紗をつけて手伝うから、先に休んで!」と定位置の柜台前から追い出されてしまった。
楓流軒は、連日の大盛況で客足が絶えないので、さすがに自分だけ休む気にはなれない。厨房に立つ父親の補佐をすることにした。今日は普段とは違い明るい色の服を着たり、化粧をしたり、髪形も違っていたりと着飾っているせいか、食堂で夕餉を提供している最中は、やたらと宿泊客からの視線を感じていた。
終始落ち着かず、央央の生きづらさを少しだけ知れた気がした。
亥の正刻──二十二時という、遅い時間帯にもかかわらず、営業している酒楼があったのでそこを訪れ、料理に舌鼓を打つ。さすがに遅いので、十四歳の央央は留守番だ。楚月と二人で山菜魚や、蒸し鶏、甘辛く味つけされた豚肉など、普段あまり口にしない濃い味付けのものを食べていた。
「口に合うかな?」
「美味しいです」
「それならよかった。ほとんどの店はもう閉店する頃合いだから、店を探すのに連れまわしちゃったね」
帝都にある酒楼など飲食店は、亥の初刻である二十一時に閉まる店舗が多く、今開いている酒楼は珍しい。酔っ払い客ばかりで店内は賑わっている。
「公演の後で疲れているのに、ありがとうございます」
「いいんだ。どうしても今日、話しておきたいことがあったから」
「なんですか?」
「うん。きっかけは、きみが他の誰かと結婚させられると妹君に聞いたからだったけど、俺がきみと結婚したいのは本心だ」
「え?」
唐突に告げられ、春鶯は目をまん丸くさせた。どうしてそこまで想われているのか、心当たりがないからだ。なにも言えずにいると、楚月はぽつりぽつりと好きになったきっかけを打ち明けてくれた。
「気になるようになった端緒は、月影座のちらしだった。ああいう使われ方は珍しくないけど、びっしり書かれている話に興味が沸いて、どんな子が紡いだ物語なのか知りたくなった」
そして央央を送り届けたついでに、たまたま宿泊している楓流軒と関係があることが判明した。
「きみは、俺の羽振りのよさを知っても、公演で素顔を見ても、態度がちっとも変わらなかったし、いつも眩しいくらいの笑顔で迎えてくれた。昔から、利用しようと企む人間ばかりが近づいてくるから、妹君のように、人間不信に陥っていた面があったんだ」
そんな楚月に対し、春鶯はあからさまに態度を変えることなく、真摯に対応してくれたという。けれど、そんなつもりはなかった。決してそうではなかった。
「私は、そんないい子じゃないんです。楚月さんに対して態度が変わらなかったのは、ただ緊張していただけなんです」
自分の本心を吐露するかどうか迷いながらも、こうなった以上、知って欲しかったので春鶯はゆっくり伝えた。
自分に自信がないこと。妹と比べられてきたこと。でも、妹は大好きだということ。央央の想い人が楚月だと勘違いしながらも、本当は密かに気になっていたこと。追加公演で滞在期間が延び、密かに喜んでいたこと。結納を交わしてまで助けてくれて、しかも、央央の想い人は楚月ではなかったと知り、心の底から嬉しかったこと。秘めていた想いを打ち明けた。
でも、楚月に対して態度が変わらなかったのは、妹の存在があったからだ。苦労している妹を間近で見ていたから、楚月もそうではないかと気遣うことができた。央央のおかげで気づけただけで、違う出会い方をしていれば、春鶯も、楚月の外見で態度を変えるような、そんな人間になっていたかも、と打ち明ける。
秘めたる本心を洗いざらい知られてしまうと、がっかりされるかもしれない。幻滅される可能性もある。けれど、本当の自分を知ってほしかった。包み隠さない部分を見てほしかった。
「俺は、劇団に入ってまだ三年目だけど、様々な地域で色んな人を見てきた。普通の人、貧しい人、裕福な人、執着心がすごい人、妬む人、明るいだけの人、色々だ。楽しい思いも、怖い思いも、そして嫌な目にもあってきた。だから、人を見る力だけは自信がある。そうやって目を養えば、素晴らしい演技に繋がると伯父である師匠が教えてくれたんだ」
「楚月さんの目には、私はどう映りましたか?」
「打算なんて知らない、妹思いの優しい子だよ。だから好きになった。阿耀が分け隔てない笑顔を向けてくれたから、そこに惚れたんだ」
楚月の言葉は、春鶯の心に一直線に届き、心をぽかぽかと温めてくれる。それはこの前も、今も変わらない。
「楚月さん……ありがとう」
「こちらこそありがとう。さて、あまり遅くなると怒られそうだから、夜景を眺めてから楓流軒に帰ろうか」
「……はい」
食事を終えると、当然のように楚月が支払った。串焼きという、央央への土産も購入してくれた。半分出そうとしたが、それはまた次に、と言われ財嚢に戻された。
二人で帝都の夜景を堪能してから、楓流軒まで歩いた。心が満たされた、とても幸せな帰路だった。
「えっ!?」
そんなことを言われたのは生まれて初めてだ。初めて過ぎて聞き間違いではないかと、もう一度聞き返そうとすると、楚月はあっさり答えてくれた。
「だって今日の阿耀は、普段も可愛いのに、俺のためだけにお洒落していて、うんと可愛いから、このままもう少し堪能させてほしい」
「公子……!」
林檎のごとくポッと頬を赤らめ、少し視線が上にある楚月と見つめ合う。楚月も心なしかほんのり頬を赤らめていた。舞台慣れしている彼が、照れている姿は珍しい。思わず下からじーっと眺めていると、後ろにいた央央が「ゴホンゴホン」とわざとらしく咳払いをした。
「はいはい、謝公子。たんまり稼いできてくださいねー? 姉と結婚するんでしょ?」
「さすが、妹君は容赦ないな」
「お金はいくらあってもいいのよ!」
「阿央!」
妹を窘めつつ、夜公演のために楓流軒を立ち去る楚月の背中を見送った。
このままの格好では、仕事がやりづらいので普段着に戻ろうとしたところ、央央に引き留められ、「今日は私が面紗をつけて手伝うから、先に休んで!」と定位置の柜台前から追い出されてしまった。
楓流軒は、連日の大盛況で客足が絶えないので、さすがに自分だけ休む気にはなれない。厨房に立つ父親の補佐をすることにした。今日は普段とは違い明るい色の服を着たり、化粧をしたり、髪形も違っていたりと着飾っているせいか、食堂で夕餉を提供している最中は、やたらと宿泊客からの視線を感じていた。
終始落ち着かず、央央の生きづらさを少しだけ知れた気がした。
亥の正刻──二十二時という、遅い時間帯にもかかわらず、営業している酒楼があったのでそこを訪れ、料理に舌鼓を打つ。さすがに遅いので、十四歳の央央は留守番だ。楚月と二人で山菜魚や、蒸し鶏、甘辛く味つけされた豚肉など、普段あまり口にしない濃い味付けのものを食べていた。
「口に合うかな?」
「美味しいです」
「それならよかった。ほとんどの店はもう閉店する頃合いだから、店を探すのに連れまわしちゃったね」
帝都にある酒楼など飲食店は、亥の初刻である二十一時に閉まる店舗が多く、今開いている酒楼は珍しい。酔っ払い客ばかりで店内は賑わっている。
「公演の後で疲れているのに、ありがとうございます」
「いいんだ。どうしても今日、話しておきたいことがあったから」
「なんですか?」
「うん。きっかけは、きみが他の誰かと結婚させられると妹君に聞いたからだったけど、俺がきみと結婚したいのは本心だ」
「え?」
唐突に告げられ、春鶯は目をまん丸くさせた。どうしてそこまで想われているのか、心当たりがないからだ。なにも言えずにいると、楚月はぽつりぽつりと好きになったきっかけを打ち明けてくれた。
「気になるようになった端緒は、月影座のちらしだった。ああいう使われ方は珍しくないけど、びっしり書かれている話に興味が沸いて、どんな子が紡いだ物語なのか知りたくなった」
そして央央を送り届けたついでに、たまたま宿泊している楓流軒と関係があることが判明した。
「きみは、俺の羽振りのよさを知っても、公演で素顔を見ても、態度がちっとも変わらなかったし、いつも眩しいくらいの笑顔で迎えてくれた。昔から、利用しようと企む人間ばかりが近づいてくるから、妹君のように、人間不信に陥っていた面があったんだ」
そんな楚月に対し、春鶯はあからさまに態度を変えることなく、真摯に対応してくれたという。けれど、そんなつもりはなかった。決してそうではなかった。
「私は、そんないい子じゃないんです。楚月さんに対して態度が変わらなかったのは、ただ緊張していただけなんです」
自分の本心を吐露するかどうか迷いながらも、こうなった以上、知って欲しかったので春鶯はゆっくり伝えた。
自分に自信がないこと。妹と比べられてきたこと。でも、妹は大好きだということ。央央の想い人が楚月だと勘違いしながらも、本当は密かに気になっていたこと。追加公演で滞在期間が延び、密かに喜んでいたこと。結納を交わしてまで助けてくれて、しかも、央央の想い人は楚月ではなかったと知り、心の底から嬉しかったこと。秘めていた想いを打ち明けた。
でも、楚月に対して態度が変わらなかったのは、妹の存在があったからだ。苦労している妹を間近で見ていたから、楚月もそうではないかと気遣うことができた。央央のおかげで気づけただけで、違う出会い方をしていれば、春鶯も、楚月の外見で態度を変えるような、そんな人間になっていたかも、と打ち明ける。
秘めたる本心を洗いざらい知られてしまうと、がっかりされるかもしれない。幻滅される可能性もある。けれど、本当の自分を知ってほしかった。包み隠さない部分を見てほしかった。
「俺は、劇団に入ってまだ三年目だけど、様々な地域で色んな人を見てきた。普通の人、貧しい人、裕福な人、執着心がすごい人、妬む人、明るいだけの人、色々だ。楽しい思いも、怖い思いも、そして嫌な目にもあってきた。だから、人を見る力だけは自信がある。そうやって目を養えば、素晴らしい演技に繋がると伯父である師匠が教えてくれたんだ」
「楚月さんの目には、私はどう映りましたか?」
「打算なんて知らない、妹思いの優しい子だよ。だから好きになった。阿耀が分け隔てない笑顔を向けてくれたから、そこに惚れたんだ」
楚月の言葉は、春鶯の心に一直線に届き、心をぽかぽかと温めてくれる。それはこの前も、今も変わらない。
「楚月さん……ありがとう」
「こちらこそありがとう。さて、あまり遅くなると怒られそうだから、夜景を眺めてから楓流軒に帰ろうか」
「……はい」
食事を終えると、当然のように楚月が支払った。串焼きという、央央への土産も購入してくれた。半分出そうとしたが、それはまた次に、と言われ財嚢に戻された。
二人で帝都の夜景を堪能してから、楓流軒まで歩いた。心が満たされた、とても幸せな帰路だった。
3
あなたにおすすめの小説
王女様は温かいごはんが食べたい ~冷えた王宮料理を変えたら、オープンキッチンと政略婚約がついてきました~
しおしお
恋愛
異世界の王女リリアーヌは、前世の記憶を持つ転生者。
豪華絢爛な王宮で暮らし始めた彼女だったが、ひとつだけどうしても耐えられないことがあった。
――食事が、冷めているのだ。
どれほど立派な料理でも、ぬるいスープや冷めた肉ではホッとできない。
「温かいごはんが食べたい」
そのささやかな願いを口にしたことから、王宮ではなぜか大騒動が巻き起こる。
地下厨房からの高速搬送。
専用レーンを爆走するカートメイド。
扉の開閉に命をかけるオープナー。
ついには食堂に火を持ち込むオープンキッチンまで誕生して――!?
温かさは、ホッとさせてくれる。
それは料理だけではなく、人との距離まで少しずつ変えていくものだった。
冷えた王宮に湯気と笑顔を取り戻す、
食と温かさをめぐる宮廷日常コメディ!
-
ブスすぎて嫁の貰い手がないから閨勤侍女になれと言われたので縁を切ります、完全に!完全縁切りの先にあったのは孤独ではなくて…
ハートリオ
恋愛
ルフスは結婚が決まった従姉の閨勤侍女になるよう父親に命令されたのをきっかけに父に無視され冷遇されて来た日々を終わらせようとブラコン父と完全に縁を切る決意する。
一方、従姉の結婚相手はアルゲンテウス辺境伯とのことだが、実は手違いがあって辺境伯が結婚したいのはルフス。
そんなこんなの異世界ファンタジーラブです。
読んでいただけると嬉しいです。
2/26 番外編を投稿しました。
読んでいただけると嬉しいです。
思っていたよりずっとたくさん読んでいただいていてとても嬉しいです。
とてもとてもありがとうございます!!
目覚めたら公爵夫人でしたが夫に冷遇されているようです
MIRICO
恋愛
フィオナは没落寸前のブルイエ家の長女。体調が悪く早めに眠ったら、目が覚めた時、夫のいる公爵夫人セレスティーヌになっていた。
しかし、夫のクラウディオは、妻に冷たく視線を合わせようともしない。
フィオナはセレスティーヌの体を乗っ取ったことをクラウディオに気付かれまいと会う回数を減らし、セレスティーヌの体に入ってしまった原因を探そうとするが、原因が分からぬままセレスティーヌの姉の子がやってきて世話をすることに。
クラウディオはいつもと違う様子のセレスティーヌが気になり始めて……。
ざまあ系ではありません。恋愛中心でもないです。事件中心軽く恋愛くらいです。
番外編は暗い話がありますので、苦手な方はお気を付けください。
ご感想ありがとうございます!!
誤字脱字等もお知らせくださりありがとうございます。順次修正させていただきます。
小説家になろう様に掲載済みです。
【完結済】隣国でひっそりと子育てしている私のことを、執着心むき出しの初恋が追いかけてきます
鳴宮野々花@書籍4作品発売中
恋愛
一夜の過ちだなんて思いたくない。私にとって彼とのあの夜は、人生で唯一の、最良の思い出なのだから。彼のおかげで、この子に会えた────
私、この子と生きていきますっ!!
シアーズ男爵家の末娘ティナレインは、男爵が隣国出身のメイドに手をつけてできた娘だった。ティナレインは隣国の一部の者が持つ魔力(治癒術)を微力ながら持っており、そのため男爵夫人に一層疎まれ、男爵家後継ぎの兄と、世渡り上手で気の強い姉の下で、影薄く過ごしていた。
幼いティナレインは、優しい侯爵家の子息セシルと親しくなっていくが、息子がティナレインに入れ込みすぎていることを嫌う侯爵夫人は、シアーズ男爵夫人に苦言を呈す。侯爵夫人の機嫌を損ねることが怖い義母から強く叱られ、ティナレインはセシルとの接触を禁止されてしまう。
時を経て、貴族学園で再会する二人。忘れられなかったティナへの想いが燃え上がるセシルは猛アタックするが、ティナは自分の想いを封じ込めるように、セシルを避ける。
やがてティナレインは、とある商会の成金経営者と婚約させられることとなり、学園を中退。想い合いながらも会うことすら叶わなくなった二人だが、ある夜偶然の再会を果たす。
それから数ヶ月。結婚を目前に控えたティナレインは、隣国へと逃げる決意をした。自分のお腹に宿っていることに気付いた、大切な我が子を守るために。
けれど、名を偽り可愛い我が子の子育てをしながら懸命に生きていたティナレインと、彼女を諦めきれないセシルは、ある日運命的な再会を果たし────
生まれ育った屋敷で冷遇され続けた挙げ句、最低な成金ジジイと結婚させられそうになったヒロインが、我が子を守るために全てを捨てて新しい人生を切り拓いていこうと奮闘する物語です。
※いつもの完全オリジナルファンタジー世界の物語です。全てがファンタジーです。
※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました【完結】
iru
恋愛
第19回 恋愛小説大賞エントリーしています。ぜひ1票お願いします。
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
家族から邪魔者扱いされた私が契約婚した宰相閣下、実は完璧すぎるスパダリでした。仕事も家事も甘やかしも全部こなしてきます
さら
恋愛
家族から「邪魔者」扱いされ、行き場を失った伯爵令嬢レイナ。
望まぬ結婚から逃げ出したはずの彼女が出会ったのは――冷徹無比と恐れられる宰相閣下アルベルト。
「契約でいい。君を妻として迎える」
そう告げられ始まった仮初めの結婚生活。
けれど、彼は噂とはまるで違っていた。
政務を完璧にこなし、家事も器用に手伝い、そして――妻をとことん甘やかす完璧なスパダリだったのだ。
「君はもう“邪魔者”ではない。私の誇りだ」
契約から始まった関係は、やがて真実の絆へ。
陰謀や噂に立ち向かいながら、互いを支え合う二人は、次第に心から惹かれ合っていく。
これは、冷徹宰相×追放令嬢の“契約婚”からはじまる、甘々すぎる愛の物語。
指輪に誓う未来は――永遠の「夫婦」。
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
王宮に薬を届けに行ったなら
佐倉ミズキ
恋愛
王宮で薬師をしているラナは、上司の言いつけに従い王子殿下のカザヤに薬を届けに行った。
カザヤは生まれつき体が弱く、臥せっていることが多い。
この日もいつも通り、カザヤに薬を届けに行ったラナだが仕事終わりに届け忘れがあったことに気が付いた。
慌ててカザヤの部屋へ行くと、そこで目にしたものは……。
弱々しく臥せっているカザヤがベッドから起き上がり、元気に動き回っていたのだ。
「俺の秘密を知ったのだから部屋から出すわけにはいかない」
驚くラナに、カザヤは不敵な笑みを浮かべた。
「今日、国王が崩御する。だからお前を部屋から出すわけにはいかない」
※ベリーズカフェにも掲載中です。そちらではラナの設定が変わっています。(貴族→庶民)それにより、内容も少し変更しておりますのであわせてお楽しみください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる