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25話 レミーラの誕生日 2
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【マグロ公爵視点】
「シエナ……ねえ、シエナってば!」
「……」
「……!」
同じ部屋に居るのに、シエナは最近、無視を決め込むことが多くなっている。僕は公爵なのに……あのパーティーでの一件から、明らかに彼女は僕のことを敬って見ることがなくなっていた。僕が何かヘマをしたとかそんなんじゃない……僕はシエナの言う通りにレミーラにアプローチを掛けただけなんだから。
僕はまったく悪くないはずなのに……彼女の態度には我慢できなくなりつつあった。
「シエナ……本当にいい加減にしてくれないか?」
「どういう意味よ、マグロ。私が何かしたと言うのかしら?」
「ふざけるなよ、最近は僕が呼んでも無視することが多いじゃないか」
そこまで言うと、彼女は鼻で僕のことを笑った。全然相手にされていないような……そんな疎外感を感じるぞ。どうなっている……? 僕は公爵なんだ、公爵なはずなのに……。
「無視なんてしていないわ。あなたの声が小さいだけでしょう?」
「な、なんだって……!」
「現に、今は私も相手にしてあげてるじゃない。まったく……自分の魅力が足りないせいでレミーラ嬢に振られただけだっていうのに、私に八つ当たりするのは止めてくれないかしら? 迷惑なのよね」
八つ当たり……どういうことだ? あり得ない、僕は彼女の言う通りにしただけだ! なのに、なんで僕が責められているんだ……?
「まったく……あなたのせいで、前のパーティーでは私の評判まで悪くなっているのよ。この悪くなった評判を取り戻すと考えたら……あなたとは別れた方が良いのだけれどね」
「だったらなぜそうしないのかな? わかっているぞ、この時期に婚約解消なんてしたら、さらに噂が広まるからだろう? 貴族の噂話というのは本当に広まるのが早いからな」
「な、なんですって……!?」
ふふ、先ほどまで余裕をかましていたはずのシエナが感情的になっているぞ。図星を突かれて焦っているんだろうな。どのみち、シエナとは今後、別れる必要がありそうだ。メイド達からの話を聞いて、パーティーでの本音の裏付けも取れつつあるし。彼女が自分の子供を儲けずに、フォルクス公爵家の金で贅沢だけを考えているのは明白だ。
「ちっ……! 本当ならあなたの顔なんて、二度と見たくないって言うのに……! ほとぼりが冷めるのを待たないといけないなんて……」
「それはこっちのセリフだよ、まったく」
「あら、マグロなんて私の助言がなければ何も出来ない役立たずじゃない。本当に公爵という立場から退いた方が良いんじゃない?」
「なんだと……?」
本当に失礼な女だ、シエナがこんなに失礼な奴だったとは……今度の女性はもっとお淑やかで僕のことを第一に考えてくれる女性を選ばないとな。もちろん、しっかりと子育てもできて。
「とにかく……もう、私はレミーラ嬢達とは関わりたくないわ。シグレ王子殿下も居るんだから……」
「それは同感だね。僕も盛大に振られたんだし……まあ、こちらから近づかなければ大丈夫……」
「失礼いたします、マグロ様。ヒュンケル伯爵よりご伝言がございます」
そんな時に届いた伝言……なんだ一体? ん、ヒュンケル家だと……?
「近々、レミーラ様のお誕生日のようでございまして……是非とも、誕生日会に出席して欲しいとのことです」
僕はどうやら、相当に運命に見放されているようだ……。
「シエナ……ねえ、シエナってば!」
「……」
「……!」
同じ部屋に居るのに、シエナは最近、無視を決め込むことが多くなっている。僕は公爵なのに……あのパーティーでの一件から、明らかに彼女は僕のことを敬って見ることがなくなっていた。僕が何かヘマをしたとかそんなんじゃない……僕はシエナの言う通りにレミーラにアプローチを掛けただけなんだから。
僕はまったく悪くないはずなのに……彼女の態度には我慢できなくなりつつあった。
「シエナ……本当にいい加減にしてくれないか?」
「どういう意味よ、マグロ。私が何かしたと言うのかしら?」
「ふざけるなよ、最近は僕が呼んでも無視することが多いじゃないか」
そこまで言うと、彼女は鼻で僕のことを笑った。全然相手にされていないような……そんな疎外感を感じるぞ。どうなっている……? 僕は公爵なんだ、公爵なはずなのに……。
「無視なんてしていないわ。あなたの声が小さいだけでしょう?」
「な、なんだって……!」
「現に、今は私も相手にしてあげてるじゃない。まったく……自分の魅力が足りないせいでレミーラ嬢に振られただけだっていうのに、私に八つ当たりするのは止めてくれないかしら? 迷惑なのよね」
八つ当たり……どういうことだ? あり得ない、僕は彼女の言う通りにしただけだ! なのに、なんで僕が責められているんだ……?
「まったく……あなたのせいで、前のパーティーでは私の評判まで悪くなっているのよ。この悪くなった評判を取り戻すと考えたら……あなたとは別れた方が良いのだけれどね」
「だったらなぜそうしないのかな? わかっているぞ、この時期に婚約解消なんてしたら、さらに噂が広まるからだろう? 貴族の噂話というのは本当に広まるのが早いからな」
「な、なんですって……!?」
ふふ、先ほどまで余裕をかましていたはずのシエナが感情的になっているぞ。図星を突かれて焦っているんだろうな。どのみち、シエナとは今後、別れる必要がありそうだ。メイド達からの話を聞いて、パーティーでの本音の裏付けも取れつつあるし。彼女が自分の子供を儲けずに、フォルクス公爵家の金で贅沢だけを考えているのは明白だ。
「ちっ……! 本当ならあなたの顔なんて、二度と見たくないって言うのに……! ほとぼりが冷めるのを待たないといけないなんて……」
「それはこっちのセリフだよ、まったく」
「あら、マグロなんて私の助言がなければ何も出来ない役立たずじゃない。本当に公爵という立場から退いた方が良いんじゃない?」
「なんだと……?」
本当に失礼な女だ、シエナがこんなに失礼な奴だったとは……今度の女性はもっとお淑やかで僕のことを第一に考えてくれる女性を選ばないとな。もちろん、しっかりと子育てもできて。
「とにかく……もう、私はレミーラ嬢達とは関わりたくないわ。シグレ王子殿下も居るんだから……」
「それは同感だね。僕も盛大に振られたんだし……まあ、こちらから近づかなければ大丈夫……」
「失礼いたします、マグロ様。ヒュンケル伯爵よりご伝言がございます」
そんな時に届いた伝言……なんだ一体? ん、ヒュンケル家だと……?
「近々、レミーラ様のお誕生日のようでございまして……是非とも、誕生日会に出席して欲しいとのことです」
僕はどうやら、相当に運命に見放されているようだ……。
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