公爵様は幼馴染に夢中のようですので別れましょう

カミツドリ

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33話 マグロの賢い? 考え方 1

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【マグロ公爵視点】

 なんでこんなことになってしまったのか……本当に分からない。気付いたら僕はレミーラではなく、ネルファ王女殿下に大告白をしていた。咄嗟に間違いであることは伝えたつもりだけれど……まったく聞き入れてもらえず……。

「うふふふ、幸せにしてくださいね? マグロ殿」

「あ、あははは……ネルファ王女殿下、婚約からの結婚という流れはもう決定なのですか……?」

「あら、当たり前じゃないですか。私はハッキリとあなたの告白に返答したつもりですよ?」

「そ、それはそうかもしれませんが……あの……」

「それに……今まではロクな相手が居ませんでしたの。婚約というものに辟易していたのは事実ですわ」

「あ、そうなんですか……?」

「ええ、それはもう。その点、マグロ・フォルクス公爵ともあろうお方なら、私を退屈させないでいただけると確信しました」


 ネルファ王女殿下からのとても怪しい笑みが、僕を凍り付かせている。この場で否定をしたりすればどうなるか、わかったものではない。でもまさか、こんなに簡単に王女殿下との婚約が決まってしまうなんて……見たところ、シグレ王子殿下も納得しているようだし……。

 そして、何よりも……。

「おめでとうございます、マグロ様。ネルファ王女殿下との結婚、上手くいくように心から願っておりますわ」

「あ、ああ……ありがとう、レミーラ……」


 棒読みとでも言えば良いんだろうか? レミーラは僕と目を合わせると、とても冷たくそう言い放ったのだ。これは何を意味するのだろう? 僕のあの大告白が例え、彼女に行えたとしてもまったく意味はなかったということだろうか……。

 いや、違う。そんなはずはない……! レミーラはきっとまだ、僕のことを諦めていないはずなんだ……もう一度、そうだもう一度、今度は二人きりで話し合えば、きっと分かって貰えるはず!

 ネルファ王女殿下と婚約出来るのは考え方によっては良いことかもしれない……さっきのシエナとの会話で、彼女を上手く調教してくれそうな印象があったからな。ふふふ、ネルファ王女殿下を最大限利用させてもらおうか……!

 それから、僕は公爵なのだから第三夫人が居ても特に問題は起きない。むしろ、身分が高い者の一夫多妻制なんて当たり前だからな。よしよし、考えが纏まって来たぞ……決して悪いことばかりではない。今の現状を分析して良い方向に回るように考えていけばいいのだ。

 まずは……レミーラと二人きりになれるシチュエーションを作り出すことだな。この誕生日パーティーでそれが可能な方法と言えば……う~む。
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