33 / 59
33話 マグロの賢い? 考え方 1
しおりを挟む
【マグロ公爵視点】
なんでこんなことになってしまったのか……本当に分からない。気付いたら僕はレミーラではなく、ネルファ王女殿下に大告白をしていた。咄嗟に間違いであることは伝えたつもりだけれど……まったく聞き入れてもらえず……。
「うふふふ、幸せにしてくださいね? マグロ殿」
「あ、あははは……ネルファ王女殿下、婚約からの結婚という流れはもう決定なのですか……?」
「あら、当たり前じゃないですか。私はハッキリとあなたの告白に返答したつもりですよ?」
「そ、それはそうかもしれませんが……あの……」
「それに……今まではロクな相手が居ませんでしたの。婚約というものに辟易していたのは事実ですわ」
「あ、そうなんですか……?」
「ええ、それはもう。その点、マグロ・フォルクス公爵ともあろうお方なら、私を退屈させないでいただけると確信しました」
ネルファ王女殿下からのとても怪しい笑みが、僕を凍り付かせている。この場で否定をしたりすればどうなるか、わかったものではない。でもまさか、こんなに簡単に王女殿下との婚約が決まってしまうなんて……見たところ、シグレ王子殿下も納得しているようだし……。
そして、何よりも……。
「おめでとうございます、マグロ様。ネルファ王女殿下との結婚、上手くいくように心から願っておりますわ」
「あ、ああ……ありがとう、レミーラ……」
棒読みとでも言えば良いんだろうか? レミーラは僕と目を合わせると、とても冷たくそう言い放ったのだ。これは何を意味するのだろう? 僕のあの大告白が例え、彼女に行えたとしてもまったく意味はなかったということだろうか……。
いや、違う。そんなはずはない……! レミーラはきっとまだ、僕のことを諦めていないはずなんだ……もう一度、そうだもう一度、今度は二人きりで話し合えば、きっと分かって貰えるはず!
ネルファ王女殿下と婚約出来るのは考え方によっては良いことかもしれない……さっきのシエナとの会話で、彼女を上手く調教してくれそうな印象があったからな。ふふふ、ネルファ王女殿下を最大限利用させてもらおうか……!
それから、僕は公爵なのだから第三夫人が居ても特に問題は起きない。むしろ、身分が高い者の一夫多妻制なんて当たり前だからな。よしよし、考えが纏まって来たぞ……決して悪いことばかりではない。今の現状を分析して良い方向に回るように考えていけばいいのだ。
まずは……レミーラと二人きりになれるシチュエーションを作り出すことだな。この誕生日パーティーでそれが可能な方法と言えば……う~む。
なんでこんなことになってしまったのか……本当に分からない。気付いたら僕はレミーラではなく、ネルファ王女殿下に大告白をしていた。咄嗟に間違いであることは伝えたつもりだけれど……まったく聞き入れてもらえず……。
「うふふふ、幸せにしてくださいね? マグロ殿」
「あ、あははは……ネルファ王女殿下、婚約からの結婚という流れはもう決定なのですか……?」
「あら、当たり前じゃないですか。私はハッキリとあなたの告白に返答したつもりですよ?」
「そ、それはそうかもしれませんが……あの……」
「それに……今まではロクな相手が居ませんでしたの。婚約というものに辟易していたのは事実ですわ」
「あ、そうなんですか……?」
「ええ、それはもう。その点、マグロ・フォルクス公爵ともあろうお方なら、私を退屈させないでいただけると確信しました」
ネルファ王女殿下からのとても怪しい笑みが、僕を凍り付かせている。この場で否定をしたりすればどうなるか、わかったものではない。でもまさか、こんなに簡単に王女殿下との婚約が決まってしまうなんて……見たところ、シグレ王子殿下も納得しているようだし……。
そして、何よりも……。
「おめでとうございます、マグロ様。ネルファ王女殿下との結婚、上手くいくように心から願っておりますわ」
「あ、ああ……ありがとう、レミーラ……」
棒読みとでも言えば良いんだろうか? レミーラは僕と目を合わせると、とても冷たくそう言い放ったのだ。これは何を意味するのだろう? 僕のあの大告白が例え、彼女に行えたとしてもまったく意味はなかったということだろうか……。
いや、違う。そんなはずはない……! レミーラはきっとまだ、僕のことを諦めていないはずなんだ……もう一度、そうだもう一度、今度は二人きりで話し合えば、きっと分かって貰えるはず!
ネルファ王女殿下と婚約出来るのは考え方によっては良いことかもしれない……さっきのシエナとの会話で、彼女を上手く調教してくれそうな印象があったからな。ふふふ、ネルファ王女殿下を最大限利用させてもらおうか……!
それから、僕は公爵なのだから第三夫人が居ても特に問題は起きない。むしろ、身分が高い者の一夫多妻制なんて当たり前だからな。よしよし、考えが纏まって来たぞ……決して悪いことばかりではない。今の現状を分析して良い方向に回るように考えていけばいいのだ。
まずは……レミーラと二人きりになれるシチュエーションを作り出すことだな。この誕生日パーティーでそれが可能な方法と言えば……う~む。
45
あなたにおすすめの小説
【完結】亡くなった人を愛する貴方を、愛し続ける事はできませんでした
凛蓮月
恋愛
【おかげさまで完全完結致しました。閲覧頂きありがとうございます】
いつか見た、貴方と婚約者の仲睦まじい姿。
婚約者を失い悲しみにくれている貴方と新たに婚約をした私。
貴方は私を愛する事は無いと言ったけれど、私は貴方をお慕いしておりました。
例え貴方が今でも、亡くなった婚約者の女性を愛していても。
私は貴方が生きてさえいれば
それで良いと思っていたのです──。
【早速のホトラン入りありがとうございます!】
※作者の脳内異世界のお話です。
※小説家になろうにも同時掲載しています。
※諸事情により感想欄は閉じています。詳しくは近況ボードをご覧下さい。(追記12/31〜1/2迄受付る事に致しました)
幼馴染が熱を出した? どうせいつもの仮病でしょう?【完結】
小平ニコ
恋愛
「パメラが熱を出したから、今日は約束の場所に行けなくなった。今度埋め合わせするから許してくれ」
ジョセフはそう言って、婚約者である私とのデートをキャンセルした。……いったいこれで、何度目のドタキャンだろう。彼はいつも、体の弱い幼馴染――パメラを優先し、私をないがしろにする。『埋め合わせするから』というのも、口だけだ。
きっと私のことを、適当に謝っておけば何でも許してくれる、甘い女だと思っているのだろう。
いい加減うんざりした私は、ジョセフとの婚約関係を終わらせることにした。パメラは嬉しそうに笑っていたが、ジョセフは大いにショックを受けている。……それはそうでしょうね。私のお父様からの援助がなければ、ジョセフの家は、貴族らしい、ぜいたくな暮らしを続けることはできないのだから。
もうすぐ婚約破棄を宣告できるようになるから、あと少しだけ辛抱しておくれ。そう書かれた手紙が、婚約者から届きました
柚木ゆず
恋愛
《もうすぐアンナに婚約の破棄を宣告できるようになる。そうしたらいつでも会えるようになるから、あと少しだけ辛抱しておくれ》
最近お忙しく、めっきり会えなくなってしまった婚約者のロマニ様。そんなロマニ様から届いた私アンナへのお手紙には、そういった内容が記されていました。
そのため、詳しいお話を伺うべくレルザー侯爵邸に――ロマニ様のもとへ向かおうとしていた、そんな時でした。ロマニ様の双子の弟であるダヴィッド様が突然ご来訪され、予想だにしなかったことを仰られ始めたのでした。
【完結】義姉の言いなりとなる貴方など要りません
かずきりり
恋愛
今日も約束を反故される。
……約束の時間を過ぎてから。
侍女の怒りに私の怒りが収まる日々を過ごしている。
貴族の結婚なんて、所詮は政略で。
家同士を繋げる、ただの契約結婚に過ぎない。
なのに……
何もかも義姉優先。
挙句、式や私の部屋も義姉の言いなりで、義姉の望むまま。
挙句の果て、侯爵家なのだから。
そっちは子爵家なのだからと見下される始末。
そんな相手に信用や信頼が生まれるわけもなく、ただ先行きに不安しかないのだけれど……。
更に、バージンロードを義姉に歩かせろだ!?
流石にそこはお断りしますけど!?
もう、付き合いきれない。
けれど、婚約白紙を今更出来ない……
なら、新たに契約を結びましょうか。
義理や人情がないのであれば、こちらは情けをかけません。
-----------------------
※こちらの作品はカクヨムでも掲載しております。
幼馴染が夫を奪った後に時間が戻ったので、婚約を破棄します
天宮有
恋愛
バハムス王子の婚約者になった私ルーミエは、様々な問題を魔法で解決していた。
結婚式で起きた問題を解決した際に、私は全ての魔力を失ってしまう。
中断していた結婚式が再開すると「魔力のない者とは関わりたくない」とバハムスが言い出す。
そしてバハムスは、幼馴染のメリタを妻にしていた。
これはメリタの計画で、私からバハムスを奪うことに成功する。
私は城から追い出されると、今まで力になってくれた魔法使いのジトアがやって来る。
ずっと好きだったと告白されて、私のために時間を戻す魔法を編み出したようだ。
ジトアの魔法により時間を戻すことに成功して、私がバハムスの妻になってない時だった。
幼馴染と婚約者の本心を知ったから、私は婚約を破棄します。
愛せないですか。それなら別れましょう
黒木 楓
恋愛
「俺はお前を愛せないが、王妃にはしてやろう」
婚約者バラド王子の発言に、 侯爵令嬢フロンは唖然としてしまう。
バラド王子は、フロンよりも平民のラミカを愛している。
そしてフロンはこれから王妃となり、側妃となるラミカに従わなければならない。
王子の命令を聞き、フロンは我慢の限界がきた。
「愛せないですか。それなら別れましょう」
この時バラド王子は、ラミカの本性を知らなかった。
【完結】ずっと、ずっとあなたを愛していました 〜後悔も、懺悔も今更いりません〜
高瀬船
恋愛
リスティアナ・メイブルムには二歳年上の婚約者が居る。
婚約者は、国の王太子で穏やかで優しく、婚約は王命ではあったが仲睦まじく関係を築けていた。
それなのに、突然ある日婚約者である王太子からは土下座をされ、婚約を解消して欲しいと願われる。
何故、そんな事に。
優しく微笑むその笑顔を向ける先は確かに自分に向けられていたのに。
婚約者として確かに大切にされていたのに何故こうなってしまったのか。
リスティアナの思いとは裏腹に、ある時期からリスティアナに悪い噂が立ち始める。
悪い噂が立つ事など何もしていないのにも関わらず、リスティアナは次第に学園で、夜会で、孤立していく。
平民の方が好きと言われた私は、あなたを愛することをやめました
天宮有
恋愛
公爵令嬢の私ルーナは、婚約者ラドン王子に「お前より平民の方が好きだ」と言われてしまう。
平民を新しい婚約者にするため、ラドン王子は私から婚約破棄を言い渡して欲しいようだ。
家族もラドン王子の酷さから納得して、言うとおり私の方から婚約を破棄した。
愛することをやめた結果、ラドン王子は後悔することとなる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる