14 / 17
14話 ササリアの本音 3
しおりを挟む
【ササリア視点】
「ボルドーお前は……ササリア嬢を精神的に支配していた、ということか?」
「め、滅相もありません、兄上! 決してそのようなことは……!!」
フリージア姉さまにはちゃんと、私の真意が伝わっていたようで安心した。先ほどんからの何回かの目配せが功を奏したと言えるだろうか。
「そうですね、ジスパ様。ボルドー様は第四王子殿下という立場を利用し……妹のササリアを精神的に逆らえないようにしていたのだと思います」
「な、何を言っているのだ、フリージア! 意味が分からないぞ……!」
実際問題として、精神的な支配を受けていたという程ではないけれど、姉さまも容赦する気はないようだ。まあ、ボルドー王子殿下が完全に悪だし、彼が何を言っても今更覆ることはないだろう。ボルドー王子殿下は王家に居てはいけない種類の人間だというのは間違いないし。
私達の復讐も兼ねて、最大限の罪を負ってもらおうと思う。さてと、後は私が真実を述べれば済む話だ。
「ササリア……とても言いにくいことだとは思うけれど、後のことは考えずに正直に答えて! あなたは好きでボルドー様と一緒になったの……? そこに真実の愛は存在していたの?」
「姉さま……」
私はそこで敢えて、相当に時間を置くことにした。まるで心の奥の鎖を必死で断ち切る様を描くように、勇気を振り絞って、ボルドー・ウィクリフという悪漢から逃げ出す少女を演じている。そして、絞り出すように言葉を出した。
「いいえ、真実の愛など存在しておりません……申し訳ありません。今までの言葉は嘘でした、ボルドー様に逆らうとイルハート家がどうかなってしまうのではないかと怖くて……フリージア姉さまにも多大な迷惑を掛けると」
「ササリア……あなたは……」
「だから、今までボルドー王子殿下の命令に従ってきました……!」
「お、おい……待ってくれ、ササリア……?」
ボルドー王子殿下はとても焦っているようだ。血の気が引いているのが分かる。でも、私は止まることはしなかった。これは身勝手な彼に対する復讐なのだから。
「ボルドー様は私を精神的に支配しています……!! 王家にこのような人間が居るなんて、とても信じられません……!」
「ササリア!」
「姉さま!」
私とフリージア姉さまは力強く抱き合った。この部分は演技でも何でもない……姉さまと心が通じ合った証、その喜びを体現したのだ。さようなら、ボルドー王子殿下。あなたは姉さまに酷いことをした……もう、終わりですよ。
「ボルドーお前は……ササリア嬢を精神的に支配していた、ということか?」
「め、滅相もありません、兄上! 決してそのようなことは……!!」
フリージア姉さまにはちゃんと、私の真意が伝わっていたようで安心した。先ほどんからの何回かの目配せが功を奏したと言えるだろうか。
「そうですね、ジスパ様。ボルドー様は第四王子殿下という立場を利用し……妹のササリアを精神的に逆らえないようにしていたのだと思います」
「な、何を言っているのだ、フリージア! 意味が分からないぞ……!」
実際問題として、精神的な支配を受けていたという程ではないけれど、姉さまも容赦する気はないようだ。まあ、ボルドー王子殿下が完全に悪だし、彼が何を言っても今更覆ることはないだろう。ボルドー王子殿下は王家に居てはいけない種類の人間だというのは間違いないし。
私達の復讐も兼ねて、最大限の罪を負ってもらおうと思う。さてと、後は私が真実を述べれば済む話だ。
「ササリア……とても言いにくいことだとは思うけれど、後のことは考えずに正直に答えて! あなたは好きでボルドー様と一緒になったの……? そこに真実の愛は存在していたの?」
「姉さま……」
私はそこで敢えて、相当に時間を置くことにした。まるで心の奥の鎖を必死で断ち切る様を描くように、勇気を振り絞って、ボルドー・ウィクリフという悪漢から逃げ出す少女を演じている。そして、絞り出すように言葉を出した。
「いいえ、真実の愛など存在しておりません……申し訳ありません。今までの言葉は嘘でした、ボルドー様に逆らうとイルハート家がどうかなってしまうのではないかと怖くて……フリージア姉さまにも多大な迷惑を掛けると」
「ササリア……あなたは……」
「だから、今までボルドー王子殿下の命令に従ってきました……!」
「お、おい……待ってくれ、ササリア……?」
ボルドー王子殿下はとても焦っているようだ。血の気が引いているのが分かる。でも、私は止まることはしなかった。これは身勝手な彼に対する復讐なのだから。
「ボルドー様は私を精神的に支配しています……!! 王家にこのような人間が居るなんて、とても信じられません……!」
「ササリア!」
「姉さま!」
私とフリージア姉さまは力強く抱き合った。この部分は演技でも何でもない……姉さまと心が通じ合った証、その喜びを体現したのだ。さようなら、ボルドー王子殿下。あなたは姉さまに酷いことをした……もう、終わりですよ。
77
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
婚約破棄?それならこの国を返して頂きます
Ruhuna
ファンタジー
大陸の西側に位置するアルティマ王国
500年の時を経てその国は元の国へと返り咲くために時が動き出すーーー
根暗公爵の娘と、笑われていたマーガレット・ウィンザーは婚約者であるナラード・アルティマから婚約破棄されたことで反撃を開始した
どうぞお好きに
音無砂月
ファンタジー
公爵家に生まれたスカーレット・ミレイユ。
王命で第二王子であるセルフと婚約することになったけれど彼が商家の娘であるシャーベットを囲っているのはとても有名な話だった。そのせいか、なかなか婚約話が進まず、あまり野心のない公爵家にまで縁談話が来てしまった。
断罪茶番で命拾いした王子
章槻雅希
ファンタジー
アルファーロ公爵嫡女エルネスタは卒業記念パーティで婚約者の第三王子パスクワルから婚約破棄された。そのことにエルネスタは安堵する。これでパスクワルの命は守られたと。
5年前、有り得ないほどの非常識さと無礼さで王命による婚約が決まった。それに両親祖父母をはじめとした一族は怒り狂った。父公爵は王命を受けるにあたってとんでもない条件を突きつけていた。『第三王子は婚姻後すぐに病に倒れ、数年後に病死するかもしれないが、それでも良いのなら』と。
『小説家になろう』(以下、敬称略)・『アルファポリス』・『Pixiv』・自サイトに重複投稿。
悪役令嬢に仕立て上げたいなら、ご注意を。
潮海璃月
ファンタジー
幼くして辺境伯の地位を継いだレナータは、女性であるがゆえに舐められがちであった。そんな折、社交場で伯爵令嬢にいわれのない罪を着せられてしまう。そんな彼女に隣国皇子カールハインツが手を差し伸べた──かと思いきや、ほとんど初対面で婚姻を申し込み、暇さえあれば口説き、しかもやたらレナータのことを知っている。怪しいほど親切なカールハインツと共に、レナータは事態の収拾方法を模索し、やがて伯爵一家への復讐を決意する。
善人ぶった姉に奪われ続けてきましたが、逃げた先で溺愛されて私のスキルで領地は豊作です
しろこねこ
ファンタジー
「あなたのためを思って」という一見優しい伯爵家の姉ジュリナに虐げられている妹セリナ。醜いセリナの言うことを家族は誰も聞いてくれない。そんな中、唯一差別しない家庭教師に貴族子女にははしたないとされる魔法を教わるが、親切ぶってセリナを孤立させる姉。植物魔法に目覚めたセリナはペット?のヴィリオをともに家を出て南の辺境を目指す。
冷遇妻に家を売り払われていた男の裁判
七辻ゆゆ
ファンタジー
婚姻後すぐに妻を放置した男が二年ぶりに帰ると、家はなくなっていた。
「では開廷いたします」
家には10億の価値があったと主張し、妻に離縁と損害賠償を求める男。妻の口からは二年の事実が語られていく。
婚約破棄していただきます
章槻雅希
ファンタジー
貴族たちの通う王立学院の模擬夜会(授業の一環)で第二王子ザームエルは婚約破棄を宣言する。それを婚約者であるトルデリーゼは嬉々として受け入れた。10年に及ぶ一族の計画が実を結んだのだ。
『小説家になろう』・『アルファポリス』に重複投稿、自サイトにも掲載。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる