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Blue Moon 13
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タクシーで行こうかとも思ったけれど、ちょっと朱羽へのプレゼントを買いたくて、徒歩で行くことにした。
空には満月が雲間に翳っている。
いつもはあれだけぎらついて見えた満月に、今は恐怖も感じない。
だけど身体は疼き始めて、肌が火照ってくる。
安定剤を飲むと少しずつ効いてきたようで、少し頭がぼんやりとする。
朱羽のプレゼントを買いたい。
だけど金持ちの朱羽に、おかしなものはあげられない。
そう煩悶しながら、夜のウインドウショッピング。
色々見たけれど、付き合ってもいないのにアクセサリーとか財布とか、ネクタイとかも重いんじゃないかなと思い始めた。
朱羽の部屋には、形として残るものが少なすぎたことを思い返せば、朱羽自体、思い出を残したくないひとなのかもしれない。
そう思ったら、形になるものはやめて、単純にホールケーキにした。
無難かもしれない。けれど、誕生日が嫌でも、結ばれた記念として嫌な思い出を上書きして貰えたらいいなと、それを願って。
おいしそうなイチゴがたっぷりのケーキを選び、25本のローソクをつけて貰った。今日で三歳違いなんだ。
スマホで選んだケーキ店を出た時が、六時二十分。
帝王ホテルに向かおうとした時、声をかけられた。
「主任~」
甘えたような舌っ足らずの声。
「お久しぶりです~」
千絵ちゃんと、その横にいるのは――。
「これ、兄です」
向島専務か。
黒いコートを着た長身の男。
野性味を帯びた整った顔には、宮坂専務のような器は感じ取れず、ただ気難しそうなだけにも見える。
目だけが、鷹や鷲のようにとても険しい。
このひとが宮坂専務の友達であり、シークレットムーンを窮地に陥らせている元凶なのか。
「ちょっとお茶しましょうよ、主任」
千絵ちゃんが無邪気そうに笑って誘ってくる。
冗談じゃない。
「いや、あたしこれから行くところが……」
「ああ、香月課長のお祝いですか? 今日お誕生日でしたものね」
千絵ちゃんの目があたしの持つケーキの入った袋に注がれている。
……なんで千絵ちゃんまで知っているのに、あたしは知らなかったんだ。
「そういうわけじゃないけど、お客さんのところにいかないと駄目で」
「じゃあ立ち話にしましょう。ね、お兄様」
「だから、もう行かなきゃ……」
喋りたくないんだよ、あたしを朱羽のところに行かせてくれよ!!
「ふふふ、やじまホテルお仕事取ったんですってねぇ。向島がずっと目をつけていたのに、よくあの頑固な女社長落とせましたね」
じっと、怖いくらい暗澹とした黒い瞳があたしを向いている。
このひと、嫌だ。あたしが喋りにくいタイプだ。
「プログラムも完成したんですって? おめでとうごさいます」
「……なんでうちのことをよく知ってるの?」
「なんででしょうね? もしかしてスパイがいるかもしれませんよ?」
「……。そうやって不安を煽ろうとしているんだろうけれど、その手には乗らないわよ。千絵ちゃん、そして向島専務。負けませんから」
専務の射るような黒い瞳が、あたしを見て細められた。
「向島がシークレットムーンを買収する」
それはもう決定事項のように。
「そうはさせません。戦わせて頂きます」
営業モードを強くした顔で笑みを作る。
「あたし達を見くびらないで下さい」
その時、スマホにセットしていた七時のアラームが鳴ってしまった。
「仕事がありますので、あたしはこれで。出来れば、もうお会いしないで、手を引いて下されば嬉しいですけれど」
「愚問」
専務の声に、背筋がぞくぞくする。
このひと、本当に怖いタイプだ。
「じゃあ鹿沼主任、また来週お会いしましょう!」
千絵ちゃんの声に振り向かずに、あたしは走り去る。
背後からのあの専務のオーラを感じて悪寒に震えた。
ホテルまでもう少しというところでぽつぽつと雨が降り、さらには躓いて転んでしまった。
ケーキを庇おうとして、服が泥水に汚れてしまう。ポケットから出たスマホの画面にヒビが入り、その上を勢いを増した雨が降り注ぐ。
慌ててスマホを弄ったが、電源がつかない。
やばっ、壊れちゃった。
ザアアアアア。
近くには雨宿りができる場所がなく、タクシーも来ない。仕方がないからあたしはケーキを抱えながらホテルまで走った。
せっかく綺麗にお化粧したのに、せっかく洋服も昨日用意して、朱羽がくれた靴も履いてきたというのに。
雨にずぶ濡れになりながら、暗い道を走る。
ドクドク心臓が脈動している。
朱羽に抱きしめられたい。
凍えた身体を朱羽に温めて貰いたい。
ザアアアア。
ホテルまでもう少しのところで、車に水をかけられた。
ああ、もう泣きそうだ。
こんなぼろぼろで、こんな汚い格好で、朱羽に会いに行くなんて。
だけど会いたい。
どんな姿になっても、朱羽に会いたい。
ホテルまでの道のりがやけに遠い。
満月が脳裏にちらついて負けそうになる度に、朱羽の顔を思い出した。
涙と雨が混ざった顔で、ようやくホテルに入る。
突然の照明に目を細めながら、コートを脱いだ。
雨水を吸い込んでずっしりと重い。
ラウンジはどこ?
朱羽がいるラウンジは。
ラウンジにも朱羽の姿が見えない。
かけられている壁時計は七時二十分。
朱羽はどこ?
もしかして……、あたしが時間で来なかったから、怒って帰っちゃった?
スマホが壊れているのに、どうやって連絡すればいいの――?
その時だった。
「よかった……来た……」
突然に鼻腔に広がる、この匂いは。
「陽菜……」
朱羽に後ろから抱きしめられていた。
「連絡もつかないから、俺……来ないのかと思って……」
強く強く、確かめるようにあたしを触りながら抱きしめる。
「それか……、強い発作が起きて誰かを、とか……」
「ごめん、千絵ちゃんに捕まって、雨降って……って、朱羽濡れるから!」
「それなに? なに抱えてるの?」
「ケーキ。お祝いしたくて。これ濡らさずに頑張って来た。崩れてなきゃいいけど」
そう笑ったらケーキの袋を奪われ、手を繋がれた。
「ここの上のレストラン予約とっているけど、まずは部屋に行こう。このままだと風邪ひいちゃうから」
ああ、朱羽が居る。
ちゃんと居てくれた。
「遅くなってごめんね。待っててくれてありがとう」
「ふふ、待つのは慣れてるから」
朱羽は受付はすませていたらしい。
歩きながらあたしに、朱羽の背広とコートを羽織らせた。
暖かくて、いい匂い……。
俯いた顔をにやけさせて、エレベーターに乗った。
あたし達しか居ない、鏡張りのエレベーター。
朱羽がボタンを押して扉が閉まると、朱羽はあたしを正面から抱きしめてきた。
「すごく身体が冷たい。ケーキよりあなたの身体を大切にしてよ」
「ケーキが食べれなくなったら嫌だもの。せっかくのお祝いなんだから」
朱羽の胸に頬をすり寄せると、濡れた髪を朱羽の手が撫でてくれた。
「お祝いより、あなたの方が大事だ。……本当に、よかった来てくれて」
「……這ってでも行くもの」
「はは。本当に這ったようにして来たね。そこまでして来てくれたのが嬉しい。凄く、嬉しい……」
朱羽は、凍えたあたしの唇に熱い唇を押しつけた。
朱羽の熱であたしの唇が蕩けていく。
四方八方に、幸せそうなあたしの顔が映った。
チン。
エレベーターが目的階に到着したらしい。
「こっちだね」
カードキーの番号が刻印されている扉の前。
朱羽はカードキーを差し込み、ドアを開ける。
「……っ」
あたしは緊張に息を吞んだ。
ここから先は、朱羽と過ごす部屋。
朱羽に抱かれる部屋なんだ――。
「さあ、入ろう」
スイートではないと聞いていたはずだけれど、なんでドアを開けたら空間がこんなに広がっているんでしょう。
目の前は高級そうなベージュの革張りソファが長く続く応接セット。その右隣は、ビリヤード台とダーツが置いてあるプレイルーム。その端境に……お酒の瓶がずらりと並んで置いてある、ホームバーになっていて、格子状の棚に逆さまに吊られたグラスが、照明に反射してキラキラと輝いている。
ここはホテル? どこかのお店?
「すっご……。こんなホテル初めて」
「ここはセミスイートだ。スイートよりは小さいけれど、広くていいね。ちょっと俺、浴槽にお湯入れてくる。タオルは向こうかな」
朱羽が浴室を探しに行った。
格調高い、さすがは帝王ホテルのスイートもどき。
帝王ホテルのロゴが散りばめられたふっかふかの絨毯にしても調度にしてもシャンデリアにしても、真新しいというよりは、ワイン色基調の色合いからして、明治や大正時代の華族のお部屋と見間違うばかりの重厚さがある。
朱羽が消えた先――プレイルームとは反対となる応接間の左隣には、デザイン性のある装飾が施された白い壁や柱が隠すように、ドアくらいの広さの隙間が空いており、奥に繋がっているようだ。朱羽を追いかけるようにして、あたしも入ってみた。
二十畳くらいありそうな贅沢な空間の中央に……ダブルベッドというサイズだろうベッドが鎮座していた。
ここは寝室なのか。
ワイン色地に白色のホテルのロゴが散りばめられているカバーの掛け布団はふかふかそうで、枕元にはワイン色のクッションが沢山おいてある。
ダブルベッドを朱羽が指定したと思うと、ちょっと赤くなってしまった。
やがてかちゃりと音がして、寝室と繋がる半透明のガラス戸が開いて、そこから朱羽が出てきた。
「ここの中にトイレと浴室と洗面台が別々にあるみたいだ。今お湯を溜めている。温まって?」
ドアを開けると突き当たりが洗面台、左がトイレ、右がお風呂になっているらしい。どうやら朱羽と立っているこの洗面台のスペースが更衣スペースになっているようだ。
大きな鏡が広がる、黒い大理石で覆われた洗面台はやはりゴージャスで、それを観察しながら朱羽が出て行くのを待っていたけれど、朱羽は鏡越しじっとあたしを見つめ、やがてぎゅっと苦しそうに目を細めると、後ろからあたしを抱きしめてきた。
「……陽菜」
「……っ」
その匂い以上に朱羽の感触にあたしの肌がさざめく。
全身の肌の下に燻っているものを、強く燃え立たせたい衝動と快楽を求めて過敏になっていく感覚は、満月の時の症状で。
いつもはここから激しい燃焼に向けて一気に理性が薄まるのに、今は理性があるまま、身体だけの感度が朱羽の熱にて徐々に上がっているようだ。
もどかしいくらいにゆっくりと。まるで焦らされているように。
声を漏らさないように我慢しているあたしは、鏡の中から見つめてくる朱羽に声をかけられた。
「温まったら、最上階のレストランに行こう? 今、俺の体温で温めたいけど、温めるだけで終わりそうもないから、あとで一緒に入る」
「終わりそうもないって……」
「そのままあなたを抱きたくなるという意味。あなたの意識がちゃんとあるのなら、今夜は俺、ちゃんとしたいんだ。身体を先に繋げたくない。ちゃんとして、あなたを抱きたい」
鏡の中の朱羽は挑発的な目であたしを見ると、鏡のあたしと視線を絡ませたまま、愛おしそうに目を細めてあたしの頭に唇を落とした。
それだけで、頭頂から全身へ、波紋のように鈍い快感が広がっていく。
「身体は後で俺が洗って上げるから、頭だけ洗って浴槽に入っておいで?」
「……お風呂一緒に入るの決定事項なんだ?」
鏡の中のあたしが苦笑する。
「そう、決定事項。今夜は俺から離れること許さないから」
朱羽の指があたしの下唇の内側を触った。
それだけでぶるりと震えてしまう。
「寒い?」
「そうじゃないけど」
「けど?」
「理性はあるのに、身体だけが満月みたいになってきていて。朱羽の熱とかに感じちゃうの」
「………」
朱羽は驚いたような顔で、鏡の中のあたしを見つめている。
「……身体辛い?」
「いつもよりは全然いい。なんでなのかわからないけど」
「……あなたが過去を受け入れようとしているからかもしれないね。おかしかったらちゃんと俺に言ってね。あなたの体調あっての今夜だから」
「ありがとう」
「じゃあ待ってるから。温まってきて」
「ん」
朱羽が身体を屈めるようにしてあたしの唇にキスをした。
朱羽の首筋に両手を回すと、朱羽は自然と開いたあたしの唇の中に舌を忍ばせ、あたしの舌に数度ぬるりと絡ませてきたが、すぐ唇を離す。
とろりとした目があたしをじっと見ていて、その扇情的な眼差しに我慢出来なくなって、あたしからキスをする。
お互いに甘い声を漏らす朱羽とのキスは、あたしを欲情させていく。
身体が熱い。もう凍えないから、朱羽の熱で溶かして貰いたい。
角度を変えて何度もキスをする。
止めどなく続きそうなキスを辞めたのは、朱羽だった。
「はぁ、駄目だ。あなたとのキスは気持ちよくてとまらなくなるから、もうやめなきゃ。……後でたくさんしよ?」
吐息まじりの甘い声。レンズ越しはっきりと濡れた茶色い瞳が優しく細められると、「ごめん、やっぱりもう一回だけ」と切なそうに口にし、片手であたしの顎を上に上げて、長いキスをした。
離れていく朱羽の目がとろりとしていたが、あたしだってそうだろう。
「これでここは退散するから」
あたしを熱く濡らす朱羽のキス。
技巧的というより、官能の細胞を朱羽の唇と舌で刺激されているような感じなのだ。優しいけれど有無を言わせないほど力強くて。
「――くっ、また洗う羽目になった!」
……そして感度があがっているあたしは、朱羽とのキスだけで、過去最高に下着を濡らしたのだった。
せっかくお気に入りの、ピンクと黒のふりふりの紐のショーツを履いてきたのに!!
***
「ええと?」
あたしの服がない。
下着はドライヤーで乾かしたものを履くというお粗末ぶりだが、脱いだあたしの服がないということは、朱羽がどうかしたのだろうか。
代わりにタオルのバスローブが出ていたけれど、これでレストランに行けというのだろうか。
「朱羽、あたしの服……」
あたしが着ていた、黒いスーツは朱羽によってクローゼットにかけられていた。
「それ、似合うといいんだけれど」
はにかむようにして朱羽が、ベッドの上にある白いドレスを指さした。
結婚式に着ていくような、光沢がある生地で黒いレースと黒い大きなリボンがアクセントになっている。
「これ、なに? あたしのじゃないよ?」
「ホテルにレンタル衣装サービスというのがあって、ちょっとそこに電話して、白黒でいい服を持ってきて貰ったんだけれど」
朱羽は困ったようにして、ベッドの上にさらに十着くらいのワンピースを並べた。
「俺、あなたが丈の短いのが好きなのか長いの好きなのか、よくわからなくて。俺の好みでそれにしちゃったけど、こっちの方がいいなら……。それとも服買いに行く? 安っぽいなあという気もするんだ。ホテル内のブティックは七時で閉まっちゃっていたんだけれど、ホテルの外でこの時間空いてるブティックってあるの?」
途方に暮れたような朱羽が可愛い。どんな顔で、借りたたくさんのドレスを選んでいたのだろうか。
それでもあたしが好きな白黒の中でも、綺麗系ではなく可愛いデザインのものを選んでくれたのが、とても嬉しかった。
あたしは年上だけれど、朱羽にとっていつまでも可愛い女でいたいと思ったから。
「朱羽が選んだのが一番好き。これにする。膝丈なのもいい」
「本当? よかった、俺の趣味のを選んで貰えて」
朱羽はふわりとした綻んだ笑みを見せた。
恥ずかしくて更衣所で着替え、化粧をし、乾かした髪をまとめ上げる。
「お待たせ」
「うん、可愛い」
笑顔でさらりとキスをしてくるけれど、これは帰国子女だからなのか、朱羽という男の性格なのかはよくわからない。
「じゃ行こうか」
「うん」
朱羽は細身の黒いシングルのスーツに、あたしはふわふわとしたデザインの白黒のドレスを着て。
朱羽がさりげなく腕を曲げてあたしを見てくるから、あたしは微笑んでその腕に自分の腕を絡ませた。
王子様にエスコートされているシンデレラみたいな面映ゆい気分になりながら、朱羽が予約をとったという最上階のレストランに行った。
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